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【よっちき会議 3月特別編】出てこれないなら会いに行こう!

3月はよっちき会議の年度最終回に加えて、
地域での実践活動にも挑戦した。

地域活動では、出渋っていた地域の人に会いに行き、
見違えるような笑顔と楽しい時間を過ごし、会議メンバーに報告もできた。

半年間の集大成として歩み始めた実践活動の第1歩と、そのまとめを振り返りたい。


まずは「呼ぶ」より「行く」

2月の「よっちき!もちよりサロン」では「もちよる」というコンセプトのもとで、運営の負担を抑えながら参加者みんなで役割を見つけながら楽しむことができた。
その一方で、サロンに来てほしいと思っていた「家にこもりがちな孤立した人」を誘い出すことができなかった。

そこで反省会では、「なぜ出てこれないのか?」を考えながら、
自分達が会いに行く姿勢も大事じゃないかという意見になった。
会いたい相手が「それならちょっと話してみようかな」と思える話題を考え、出られなくてもドアを開けて心を許してくれる、そんな工夫も大事だ。

よっちき会議の参加者は20-80歳代。
幅広い世代の人が楽しめて、みんな持っていて、話題が広がるもの。
そんなお題でブレインストーミングを進めると、「20代の写真」をテーマにするアイデアになった。

絶対に盛り上がる「20代の写真」
これは誰の写真でしょう?

お試しのはずが、、、

3月のよっちき会議finalから1週間、
みんなであつまるだけでなく、気になる人に会いに行く
「おしかけよっちきサロン」を開催した。

今回の気になる人は、一人暮らしのおばあさん。
親しみを込めて、イソさん(仮名)と呼ばせてもらおう。
イソさんは、旦那さんや妹さんと暮らしていましたが先立たれ、足腰の痛みもあり1年以上ほとんど外に出ていなかった。
交流が嫌いなわけではなく、元々は島内に知人も多く毎日兄妹と電話をしたりもする。
それでも坂道の途中にある家から出ようという元気は湧いてこなかった。

そこで、式根島コミュニティナースの1人で、イソさんと元々交友のあったノリコさん(仮名)が、声をかけてくれることになった。

実はイソさんは2月のよっちきサロンにも声をかけ、お断りされていた。
理由は「元気がない」「電気工事がくる」など様々だ。
イソさんの言葉を元に、
「来てもらう会を作るより、相手に合わせたテーマで小さな会合を、その人の身近な場所で開こう」という目標になったのだ。

私達の工夫やノリコさんの巧みなお誘いもあり、イソさんは今回は参加したい気持ちが出てきた。
初めての会なので、予定は1時間と短めに設定した。
ところが当日、イソさんのお家に行き、更にノリコさんのお家にも移動し、合計3時間以上もお話ししたのだ!

久しぶりの来客に緊張していたイソさんの顔も、どんどん柔らかく笑顔に溢れていった。
写真の効果も抜群だった。
今は一人暮らしのイソさんも、元々は11人兄弟で、東京で働きながら親戚の結婚式に出たり、式根島に帰ってからは旦那さんと大きな民宿を営んでいた。
沢山の家族に囲まれたイソさんの話も、その時の顔も、私は1年間診療所の外来で医者として関わる中では見ることはできなかった。

写真とお茶とお茶菓子と
話に花を咲かすための必須アイテム

予想を超えた嬉しい誤算で、時間あっという間に過ぎていった。
当初の予定を大幅に超えて解散をする頃には、外は日が傾いていたがイソさんの眼に力が宿っていた。

次の挑戦へ

話しやすい話題や雰囲気づくりを考えて、相手に合わせてイベントを作った今回のおしかけよっちきサロン。

イソさんの会の数日後に、ノリコさんと私からの成果報告も兼ねてランチ会を開催した。
この会が、実質的によっちき会議の今年度最後の集まりになった。

千松さん、ノリコさんはじめ立ち上げから半年間ほぼ毎回参加していた方達が集い、メンバーの方が作ってきたカレーを囲みながらお互いの労をねぎらった。

年度最終回で新メンバーも参加
これからも成長していきます

今回の活動を通して「純粋なおせっかいでは相手は動かせない、相手が参加したくなる誘い方を考える」ことの大切さをみんなで学べた。
そして半年間を通して「島のため」「誰かのため」として活動してきたメンバー達は、自分達が1番元気になったことにも気づいた。

式根島コミュニティナースのコアメンバーは50代から70代。
「人生最後の仕事」と宣言した千松さんを始め、参加した人達は少しずつ病気を抱えつつも、この活動を通して地域社会の中で自分達の役割を再発見できた。
いくつになっても社会に繋がり役立つ感覚は、生きる希望を育ててくれる。

私が診療所での仕事を終えて離任する時、千松さん達はしきりに「種を蒔いてくれてありがとう、しっかりと育てていきます」と伝えてくれた。

これからも小さな南の島で、元気の輪を広げてくれるだろう。
私自身もよっちき会議を頼りに、遠くからでも式根島の健康と幸せに関わり続けたい。
これからも私達の健幸の島づくりの挑戦は続いていく。

どうぞ末永く、応援してください。

「さようなら」より「行ってきます」
これからも一緒に挑戦します

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