【ゆるゆる寺社フォト】貴船神社(京都市左京区)
わたしの大好きな神社のひとつ。
本当にざっっ…くり表すと、京都駅からまっすぐ北上した山、貴船山のふもとにあります。
寺社仏閣お役立ち情報というより、わたしが体感したことをゆるゆるお伝えするのが記事のコンセプトです。
が、荘厳で奥深すぎて、簡単にまとめるのはムズイなぁというのが正直な感想。
こちらを初めて訪れたのは、2018年夏。
京都の駅前に一泊した翌日、『朝いちばんで貴船に行くよ!』と意気込んでタクシーに乗り込みました。
その次は、2022年夏。
『そうだ、貴船に行こう』と思いついて、ふらりと。
そして、今年の7月。
夕暮れ時のライトアップが目的でしたが……
思ったより空が明るく、そして想像以上に人が………。
*
京都駅から北上するバス1本で行けるのでアクセスめっちゃ便利です、と言いたいのですが、実はそうでもありません。
公共交通機関の場合、京都駅から出町柳まで電車かバスで行き(約30分)、そこから叡山電鉄に揺られて貴船口の駅へ(約30分)。
さらに約2キロの坂道をひたすら徒歩で昇るか(Googleマップによれば貴船口駅から神社入り口が約30分)、鳥居まで200メートル付近まで行けるバスを利用(乗車時間は10分程度)。
料金は、トータルで1,000円くらい。
タクシーの場合、京都駅から約40分。料金はおよそ6,000円~8,000円程度。
道中を楽しんでゆったり行くなら電車やバス、ラクに行くなら断然タクシー。
個人的には、複数人での旅ならタクシーのワリカンをおすすめします。
わたしは常に一人のロンリートラベラーですが、タクシーで行ってしまうことがほとんどです。
帰りですが……
山中の神社をがっつりめぐると、マイナスイオンやパワースポット効果はあるものの、体力は相当使うので普通に体は疲れます。
そして、特に夜の叡山電鉄の本数は多くありません。30分に1本くらいかしら。
逃せば次の電車まで待つ。
泊りがけの場合、出町柳から宿へ戻るアクセスも考慮しなければなりません。
夕暮れのライトアップに合わせて神社へ行ったので、へとへとな体でどうにか夜の出町柳まで戻ったものの、宿へたどり着くのにちょうどよい電車もバスもなく、さらにタクシーも捕まらず泣きそうでした。
結局配車アプリで呼んじゃいましたが………。
結論、神社まで喜んで送迎してくれる友達が最強。
いつ何どきでも貴船に連れてってくれる、京都の車好きな友達が欲しい(切実)。
(ゆるゆる記事なのですべてざっくりですが、それほど大間違いな数字ではありません。正確な料金や時刻表については、自力で調べたりAIを駆使する力を養いましょう。)
貴船付近での宿泊も憧れます。
早朝の神聖な空気の中をお散歩してみたい。
タクシーの運転手さんのお話だと、地元じゃないナンバーが怖いそうです。
神社付近の道は狭く、車同士のすれ違いができるポイントが限られている。
地元の車はそれを熟知しているので、お互い譲り合ったり相手の通過を待ったりして、上手にすれ違うことができる。
地元じゃない方だと、そういう暗黙のしきたりを知らずに突っ込んでくるので、ぶつかりそうになるのだとか。
確かに、わたしが歩いていると、某浪花ナンバーの車が猛スピードで疾走していました。
怖かったです。
また、タクシーと言えば、「貴船神社がある鞍馬の山の中には、天狗が本当に出るんですよ。牛若丸に稽古をした天狗が……」と、2018年夏に貴船まで乗せてくださったタクシーの運転手さんに真顔で言われたことがあります。
「えぇ~!?そうなんですか!?それはスゴいですねぇ~!!」と信じ込んだふりをして、真顔で答えたわたし。
京の都をよく知らない東国の民のわたしをからかったのでしょうか?
「そんなわけあるか!」と堂々と突っ込むべきだったのでしょうか?
それとも、
…………本当に、いるのでしょうか?
鞍馬天狗。
*
鞍馬の山中は、京都の夏の蒸し暑さを忘れる涼の気に満ちています。
………と言いたいのですが、今年の7月は、もちろん街中より絶対的に涼しいのですが、観光客の熱気で思ったほどでもなく……あれ?思ったより気温高め?と感じました。
貴船といえばこれ、という本宮への階段も、観光客がぞろぞろと歩いているので、ザ・貴船神社という写真がなかなか撮れませんでした。
(↑そういうおまえさんも観光客の一人)
ここは、本宮、結社(中宮)、奥宮の3つの社殿から成り立っています。
大阪の地に降り立った神武天皇の母の玉依姫が、水源を求めて黄色い船で淀川、鴨川、貴船川をめぐり、井戸の湧水があるこの地に上陸して祠を建ててお祀りしたのが始まり。
神武天皇とは、日本最初の天皇。
その生まれは紀元前711年、死去は紀元前585年だそうです。
……120年以上生きておられたんでしょうか……
そのお母さまである玉依姫は、まさに玉のように美しいお方で、ご利益は縁結び、安産、子育てなど。
なお、神霊を宿す女性、巫女さんのことを玉依姫と称することも。
本宮の主祭神は、水の神として信仰されている高龗神。
結社には、縁結びの神様と知られる磐長姫命。
和泉式部が歌を捧げて夫との復縁を祈り、その歌が刻まれた石碑があります。
奥宮は、闇龗神。
本宮から約700メートルほどのこちらが、もとの本宮。
この神様は本宮の神様と同一で、特に雨を司る龍神です。
───── ここで唐突に白状しますが、わたし、神社に行くわりに神様の名前って全然覚えられないんです……。
水の神様とか縁結びに強いとか龍神様がいるとか、そういうことは覚えられるんですけど、名前は頭に入ってこないんですよね………
でも、行くのは好きだし、写真も撮りたいのです。
なんちゅーか、直接神様を感じるタイプ。
*
貴船は、「氣生根」とも書く。
地球の奇跡、地球上の生命に不可欠な、水。
その水を敬い讃え、神を感じ、この地で祀る。
水は穢れを浄化する。
穢れは、「気枯れ」ともいう。
気を浄化するとともに、
あらたな精気を産み出す、根源の地。
人が京に都を造る遥か遥か昔から、自然への畏怖と水の恵みを貴ぶ気持ちを抱き、目に見えないものへの深い祈りを捧げていたことを思うと、圧倒的な神秘に言葉を失う。
と、そんなわたしの傍を、数多の観光客がにぎやかに通り過ぎる。
「ライトアップ綺麗~」と無邪気な女子の声が上がる。
写真には撮らなかったけれど、膨大な数の短冊が本宮の前に吊り下げられていた。
人々の渦巻く想い、願い、念。
それを貴船の神々はどう受け止めておられるのか。
観光客の賑わいも喜ばしいことでしょうけれど、自然への敬意を胸に訪れる方がどれほどいるのかと、ふと考える。
………とはいえ、太古より深い山に鎮座する懐深き神々にとって、あらゆる人のあらゆる所業は、今を生きようとする生命のひとつひとつとして、ささやかで愛らしく、見守るべきものかもしれない。
奥宮からの帰路の参道で、恋人同士と思しき二人連れを何組かお見かけしました。
かすかな夕闇に浮かぶ灯篭のあかりに照らされながら、寄り添って歩く彼・彼女たちの姿は、優しさに包まれていました。
彼・彼女たちに末永い縁結びのご利益を賜らんことを密かに願いながら、その姿をカメラにおさめた……かったんですけど、後ろ姿とはいえ、人のことを勝手に撮っちゃだめかなと思って、やめたのでした。
Date : 2024.7.29 17:00~
(括弧書きの日付のないもの)
(それより前に撮ったものもたくさん……)
ここまで御覧くださった皆様、
貴重なお時間ありがとうございました!