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清少納言の「光る君」〜「光る君へ」の清少納言〜

2024年の大河ドラマ「光る君へ」の物語もそろそろ折り返し地点。

昨年末に投稿した記事でも書きましたが、紫式部が主人公のドラマで清少納言がどのように描かれるのか、とても楽しみにしていました。

結論から言うと現時点では期待していた以上ですね。

誰もが知っているのにおそらく実写化されたことのなかった、「香炉峰の雪」エピソード。
予告編にこのシーンが挟まれるやXで「香炉峰の雪」がトレンド入りしたそうで↓

ウイカ様のドヤ顔も良かったですね〜😆

ちなみに清少納言は癖っ毛をとても気にしていたらしいのですが、ドラマでもびんそぎ(でしたっけ?)がメーテルみたいにハネた髪型になってますね。

さすがに「草の庵」とか元夫の「わかめ事件」は登場しませんでしたが、藤原斉信や行成などナゴン様ゆかりの殿方や、のちに紫式部の夫となる藤原宣孝の御嶽詣など、枕草子のエピソードがドラマに出てくるたびニヤニヤしてしまいました(笑)

しかし何と言っても圧巻は「枕草子」誕生のシーン。

いやまさか「枕草子」で泣ける日が来るとは、思いもしませんでした🥺

特に「夏は夜」を象徴する蛍が、絶望に打ちひしがれる定子様の心にともされた灯りのようで、素敵な演出だったと思います。
(定子のその後を知っているだけにより切ない💦)

大河ドラマ史上、屈指の印象的なシーンになったのではないでしょうか。

この回の演出をされた原英輔さんのXのポスト↓

定子が実際に「枕草子」を読んだのかどうかは分かりませんが、清少納言にとって定子がこの世で最も大切な存在だったことは間違いありません。

Xで見かけた、「定子こそが清少納言にとっての『光る君』だった」というポストがまさに「言い得て妙なり」で、タイトルにも使わせていただきましたm(_ _)m。

ところで、本来紫式部とは一面識もないはずの清少納言を、無理矢理ストーリーに絡ませる訳ですから、史実と照らし合わせるとこの設定はちょっと苦しいのでは?なんて思う点もありました。

例えば清少納言(ききょう)と紫式部(まひろ)が出会う道隆主催の漢詩の会。

清原元輔と藤原為時はどちらも当時著名な歌人・学者なので、お互いに面識があってもおかしくはないのですが、二人の年齢差は41歳。元輔が75歳の時点(元輔は80歳没)でも為時はまだ34歳なので、役の年齢とかなり開きがありますね。

清少納言と紫式部の年齢差も10歳ほどあるそうです。(正確には分かっていない)

あと、貴族階級の成人女性が人前に出て顔を晒すことはまずないので、「打毬見物してキャー💕」のシーンもあり得ないのですが、女性がみな御簾や几帳の奥に引っ込んでたのではドラマになりませんから、まあこれもしょうがない😅

ともあれ、「光る君へ」のおかげで清少納言と枕草子への関心が高まり、ナゴン様のファンとしてはとても嬉しいです。

ただ、知っての通り紫式部は自身の日記や源氏物語の中で、苛烈なまでにナゴン様こき下ろしています。

小迎裕美子「新編 人生はあはれなり 紫式部日記」より
小迎裕美子「新編 人生はあはれなり 紫式部日記」より

あれだけナゴン様と紫式部を親密な仲にしてしまうと(一緒に仮装して定子様のお屋敷に潜入するぐらいですからね)、今後二人の間にいったいどんな事件が起こるのか、ちょっと心配なところではあります。
(宣孝の御嶽詣だけではインパクト弱いような)

もしくは心ならずもそう書かざるを得なかったという風に持っていくのかもしれませんが。。

余談ですが意外なところではロバート秋山演じる藤原実資が人気で、実資の日記「小右記」が重版になったとか。

ちなみに道長のあの有名な「この世をば〜」の歌が世に知られたきっかけは、その「小右記」だったりします。

蛇蔵&海野凪子「日本人なら知っておきたい日本文学」より

さて、この記事を書いている今日(6月9日)放送の第23回ではついに宣孝がまひろにプロポーズ。
紫式部の人生の大きなターニングポイントですね。

後半の展開も楽しみです。

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