ワインエキスパート資格の奮闘記②必勝法などないのだけど、必勝法を語る
こんにちは、ばるじぇのの太い方です。
前回は、ワインへの目覚めと、ワインエキスパートの資格申込みの経緯を書きました。
今回は、一次試験合格までの道のりを書きます。
ワインエキスパートを目指そうかどうか迷ってる方、ワインを勉強してみたいという方の参考になれば嬉しいです。
〈ダイジェスト〉
2021年05月01日 申込
2021年08月21日 一次試験受検
2021年10月18日 二次試験受検
一次は記憶力勝負である
ぼくは、暗記力にそこそこ自信があります。
(こういうのは「自信がない」って言ったほうがいいんでしょうが…笑)
子どもの頃は世界中の首都を覚えたり、世界の〇〇ランキングを覚えたりするのが好きでしたし、日本史とか英単語とか暗記で手こずったことはありません(理数系はてんでダメです)。
そんな人よりちょっと自信を持っていたぼくですが、一次試験の勉強にはストレスを感じました。
ストレスを感じるのは以下の4点。
試験範囲が広過ぎる
カタカナ、外国語が多すぎる
馴染みのない地理が多すぎる
文脈や前後左右の関係がわからない
1.試験範囲が広過ぎる
まず、試験範囲。
試験は、『教本』というソムリエ協会が発行する参考書(試験に申し込んだら送られてくる)から出題されます。
この、教本、分厚い上に文字数も多く、まず全部熟読するのは不可能です(だいたい800頁ほど)。
タウンページ……だと今の人はわからないですね。
ジャンプ……も読まないか。
そのくらい分厚さがあります。
読むと面白いのですが、これを読むだけで合格する人はいないと思うので、「参考書」として使うのが良いと思います。
2.カタカナ、外国語が多すぎる
ワインという学問は、欧米主流であり、かつ世界25ヶ国以上の現地語が出てきます。
例えば、
Pinot Noir(ピノノワール)というブドウ品種は、ドイツだと、Spätburgunder(シュペートブルグンダー)となるので、合わせて覚えなければなりません。
特に外国語に抵抗感のある方は、日本語「カタカナ)で覚えようとすることもあるかもしれません。
しかし、実際のワインボトルに「シュペートブルグンダー」とカタカナで書かれることはないので、できれば原語で覚えたほうが身になるかと思います。
3.馴染みのない地理が多すぎる
ぼくは海外旅行や留学などで外国を訪れたことは多くありますが、ワイン畑に行ったわけでもないので、ワイン産地を覚えるのに苦労しました。
例えば、アメリカのナパ・バレーという有名なワイン産地。その中にさらに16のワイン産地があり、位置関係も含めて地域名称を覚えねばなりません。
実際の試験問題にも、
「ナパ・バレーで1番北にある産地は?」など、
高校生クイズのような問題が出題されます。
ぼくの場合、大まかな地図をただ眺めているだけでは覚えられなかったため、Googleマップのストリートビューを眺めることを取り入れました。
文字とイラストだけではなく、画像情報を結びつけることで、記憶が少し強固になった気がします。
4.文脈や前後左右の関係がわからない
タウンページ並みの分厚い情報が載った教本ですが、実はこの試験範囲は「広く浅い」そうです。
つまり、覚える範囲は広いのですが、一つの事項に対する深い理解は得られにくい。
例えば、日本史であれば事件の前後に何かしらの因果関係が明確にあり、ひとつの物語として覚えることができます。
ところが教本では、深く語られないところが多く、体系的に知識を覚えにくい点が難点としてあります。
上記はアメリカのワイン産地に関する記述の一例です。こういった記述がアメリカだけではなく、世界25ヵ国以上のワイン産地であります。
記述が薄っぺらい理由のひとつは、公平性の観点から特定のワイナリーの名称を記載することができないことにあると思います。
お茶に喩えるなら、抹茶、烏龍茶、緑茶といったカテゴリーや静岡、宇治といった産地は記載できても、「サントリーの綾鷹」「伊藤園のお〜いお茶」は記載できないのです。
もちろん全ての情報を文脈づけていくと、教本の分厚さは5倍にも10倍にも膨れてしまいますので、仕方ないです。
試験のためには割り切って覚えることです。
記憶するためにぼくがやったこと
前置きと脱線が長くなりましたが、ぼくがやった記憶法は次の通りです。必ずしも正解とはなりませんのでご了承ください。
ちなみにぼくのように、
カベルネソーヴニヨンって何?
というくらい、
ワインが全くわからない超ビギナー向けです。
ワインをサラッと学ぶ
五感をフルに使う
問題を自分で作る
問題集を3周する
1.ワインをサラッと学ぶ
ほぼゼロの知識から、教本や参考書、問題集に取り掛かるのは無謀とも言えます。ましてやせっかくの学びの時間。楽しまなければ。
ぼくはまず、この本を読みました。
『図解 ワイン一年生』
すぐに読めますし、何よりとっつきやすいです。
今では30冊くらいワインの本を読破していますが、何回も読み直した本は、こちらだけです。
ワインを飲みながら、次はどの品種を飲んでみようか?と楽しくなること請け負いです。
それからもうひとつ。
言わずと知れたワイン漫画の名作『神の雫』です。
正直、ワインエキスパート試験には、ほとんど役に立つことはありません。
ただ、もちろん現実のワインを扱っているので、コスパのよいワインを知れたり、特定のワイナリーを扱わない教本に比べると、まさに多様なワインの文脈を知れる漫画だと思います。
Kindleだと読み放題もできるので、もしアンリミテッドの会員であれば、読んでみてもいいかもしれません。
最後に、映画も。
同じくAmazonプライムで、”SOMM”という世界最高峰のソムリエ資格「マスターソムリエ」の取得を目指す若者たちの映画があります。
少し勉強した後であれば、知っている言葉が出てきたり、試験勉強へのモチベーションにも繋がるはずです。
2.五感をフルに使う
例えば、外国語の勉強だと、視覚・聴覚・触覚を使うことが限度でしょう。しかし、言うまでもなくワインはそこに味覚と嗅覚を加えることができます。
英単語を覚えようとするとき、文字を眺めるだけで覚える人はほとんどいないでしょう。
書いて覚える、見て覚える、口に出して覚える。
複合的に取り組んで記憶に定着させようとします。
ワインはそこに味覚と嗅覚を掛け算できます。
イタリアワインの勉強の時は、必ずイタリアワインを飲み、チーズの勉強の時は、チーズを食べる。
何より飲んだり食べたりしていると、勉強している気も薄れますし、二次試験の対策にもなります。
あとは、試験でよく問われるものに「ワイン産地・畑」の位置関係があります。これは、やはり実際に地図を描いてみて、トイレなどの壁に貼っておくのが効果的でした。
3.問題を自分で作る
ぼくはタウンページ並みの分厚い教本は、参考書代わりに使っただけでした。
ぼくが使用したのは、杉山明日香さんの『受験のプロに教わるソムリエ試験対策講座』という参考書。
教本の余分なところを排除し、試験に出やすい大切なところに絞って解説している本です。ただ、価格は4,000円と高め。
解説といっても、極力ムダを省いて記述しているので、初心者にはわからないことも多く、その際に教本に立ち返る必要がありました。
申し訳ないですが、お金に余裕がなければ、別の参考書や問題集に手を出してもいいかと思います。
ぼくはとりあえず片っ端から暗記したかったので、この本に出てくる重要語を、自作の問題集にしました。
今はアプリが日進月歩なので、「問題 作成」とかで検索すると無料アプリがいくつもでてきます。
(ちなみにぼくは『単語帳メーカー』というアプリを愛用しました)
アプリはなんでもいいですが、問題をシャッフルする機能があった方がいいです。
実際の試験問題もカテゴリーごとに出題されることはありませんので。
4.問題集を3周する
問題集はこの一冊だけ買いました。
ぼくが買った2021年度版は誤植が何ヵ所かあって気になったのですが、それ以外は、結構ドンピシャで試験に出たので良かったです。
一問一答なので、そんなに時間はかかりません。
ただ無知の状態でこの問題集に取りかかっても、チンプンカンプンだと思います。
なので時間がない場合、
おすすめのやり方としては、
本屋で本書をパラパラ流し読みし、「なるほど、わからん」と試験レベルを理解する。
参考書や自作問題集で浅く広く知識を定着させていく。
試験1ヶ月前には本書を買い、1周目は全部解き、2周目は間違えたところだけ、3周目はもう一度全部解く。
このやり方で、3ヶ月ちょっとで合格できました。
勉強時間について補足すると、
平日は1日1時間くらい、休日は2時間くらい。
+通勤時間で毎日20分くらいです。
勉強時間の割合としては、
(参考書+自作問題集):問題集=9:1くらいです。
上述した問題集だけは、必ずやっておいたほうがいいかなと思います。
さて、デカい口を叩きましたが、
一次試験、ぼくがうまくいったのは、ここまで。
次は元気があれば
「二次試験(テイスティング)の罠」
(罠でもなんでもないんやけど)
について書きます。
書きました↓
最後までお読みいただきありがとうございました。
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