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どっちを選択?居飛車党と振り飛車党

今回は居飛車と振り飛車どちらを選択すべきか、というテーマについて考えたいと思います。
数多くの戦法がありますが、大別すると居飛車と振り飛車に分かれます。果たして自分に合っているのはどちらなのか。それぞれの特徴を理解し、自分に合っているのはどちらなのか、考えるヒントになると嬉しいです。

1.居飛車党になるべき人

  • 攻め重視

  • 勝負より真理

  • 研究好き

・攻め重視
居飛車は自分から積極的に仕掛けていく戦法が多いです。指し手は攻めを軸に構成し、1手でも先に相手の玉を詰ましてしまえばよい、と考える人は居飛車が向いていると思います。

棒銀、早繰り銀、腰掛け銀、どれも攻め筋を理解することが非常に重要です。相手の形を見て、攻めが成立するのはどのような条件があるか勉強してください。自分から仕掛ける筋を沢山持っていると、中盤の指し手に困ることが減ります。

・勝負より真理
居飛車は将棋というゲームの真理を追求したい人にも向いています。
振り飛車は飛車を別の筋に振るために1手を費やします。その1手をもっと別の有効手に回すほうが重要だと考えるのであれば、自然と居飛車党になります。

また、AIも居飛車を選択します。振り飛車にした局面からAIに将棋を指させると居飛車に戻すんです。笑
1手の手損だけでなく、そもそも飛車の初期位置が好位置なので居飛車が良いのです。

・研究好き
将棋で強くなるために、長時間研究できる人も居飛車に向いています。居飛車は相手の駒組に合わせて自分の駒組を変化させなければなりません。振り飛車もそう言えるのですが、その量がかなり違います。振り飛車であれば、とりあえず飛車を振って美濃囲いを組む。といった分かりやすい手順があり、相手がどんな戦法でもだいたい対応できます。

しかし、居飛車はそうではありません。
例えば、相手が中飛車の場合、棒銀や腰掛け銀はやるべきではありません。相手が三間飛車の時は早繰り銀で攻めると少し損をします。奇襲戦法の対応も全て勉強しておかなくては攻めつぶされてしまいます。
全てに対応できるようにしっかり研究していくと、自然と勉強量が増えていきます。そのため研究にしっかりと向き合えることが重要になります。
ただし、最近はそんな悩みを解消してくれる戦法が現れました。それが、嬉野流や村田システムです。これらの戦法は自分の型に相手を引きづり込む力があります。どうしても研究したくない、勉強量を減らしたいという人は試してみても良いかもしれません。

2.振り飛車党になるべき人

  • 受け&カウンター重視

  • 真理より勝負

  • 実戦好き

・受け&カウンター重視
攻めよりも受けやカウンターに美学を持つ人は振り飛車が向いているかもしれません。
振り飛車はどちらかというと、相手が攻めてきたところにカウンターを決めるのが基本的な方針となります。

将棋は駒がぶつかったところから戦いが始まります。攻めている方は先に駒を取られることになるので、先に駒損します(主に歩損)。つまり、受けている方が先に駒得することになり、取ったばかりの駒を活かして、カウンターを狙うことができます。
将棋は基本的に攻めているほうが駒損します。そのため、上手に受けることができる人は受けているだけで自然と局面が良くなるのです。

久保利明先生はさばきのアーティストと呼ばれています。相手の力のこもった攻めを上手くいなし、その力を利用してカウンターを鮮やかに決める姿が印象的です。「柔よく剛を制す」戦いを目指す人は振り飛車がおすすめです。

・真理より勝負
居飛車とは対照的に自ら手損するのが振り飛車です。ただし、その1手の代わりに自分の指し慣れた形に持ち込みやすいのが特徴で、指すほど経験値がたまり、自分の得意な形を磨くことができます。アマチュアにおいては振り飛車の方が若干多いような気がします。これは、やはり自分の指し慣れた形で戦えることが一番の理由ではないかと思います。中には、四間飛車一筋、中飛車一筋など、完全にどこに振るか決めている人もいます。

さらに、美濃囲いの優秀さは外せません。
振り飛車の美濃囲いは非常に優秀だと思います。
終盤で寄せ合いになった時に、玉を守る力が強い。
また、発展性もあるので、駒組で困ることがほとんどないです。居飛車の美濃囲いは相手の角のラインに入るので、思っていたよりも固くなりません。どちらも指してみると、振り飛車美濃の優秀さがよくわかります。

・実戦好き
研究よりもどんどん実戦を指して強くなりたい、という人は振り飛車が向いています。
序盤の駒組は相手がどんな戦法できてもそれほど変わりません。そこから先の中盤を磨くのは実戦あるのみです。本などで研究して学ぶよりも実戦から学ぶことのほうが多くなるからです。

また、対抗型(居飛車vs振り飛車)では、終盤にお互いの玉が接近することがままあり、技がかかって逆転することも増えます。詰めろ逃れの詰めろなど、終盤の大技を決めたりできる局面も増えるので、ハラハラドキドキが味わいやすいです(個人的な感想)。研究で黙々と強くなるというより、勝負自体を楽しみたい、という人には振り飛車をおすすめします。


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