鼻水垂らして二子玉スタバ
さて、今回私は人生の中で最も色が溢れていた「チェコ・オロモウツ」での留学生活の話をしようと思う。
ー他人の留学生活なんて興味が無いし、思い出話なんて聞きたってどうもならん。
かもしれない。
でも、少し覗いてほしい。少しだけ、少しだけあなたがくすっと笑えるようなこと、「馬鹿だなあ」と比較して優越感を得ること、なにかしらを”あなた”に贈るつもりである。
まあ、前置きはここまでにして。以下の写真の事件を10秒でいいから見て。そして、1つでも「なんだこれは?」と思ったら下の方へ。ようこそ。
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1.鼻水垂らして二子玉スタバ
ーWhy do you wanna study abroad in Czech Republic ?
その瞬間、今まで経験した事が無いくらい頭が真っ白になった。勘違いしていたのだ。留学面談が日本語で行われると。
そして、喋れなかったのだ。英語を。
今思うと、何故留学面接なのに日本語だと勘違いしたのか過去の自分に問い詰め得たいが、その時はそう思っていたのだ。アホすぎる。
ちなみに私の英語力。中学の時に100点満点のテストで8点を取り、トイレで泣いた記憶がある。高校の受験期の時にSVOCを何となく理解できた記憶がある。大学入学後は無料のグローバルカフェに通ってみたが、何となく聞き取れて、話すのは全くであったのだ。
ー So why ?
面接官の視線が心拍数を上げてくる。
ー「分からない。全部準備したのに英語で伝えるとなると、無理だ。最悪だ。もう行けない。終わった。」
そんなことを考えていたら、自分に腹が立って泣いていた。大学で泣くなんて初めてだったし、あんなに鼻水出して嗚咽しながら泣いたのは人生初だったかもしれない。場の空気も最悪だった。
ー「とりあえず落ち着いて。あなたの今の英語力では留学しても、あなたが苦しいでしょう。でも、来週もう1回だけ面談をします。その時の出来次第で、次の派遣にするかどうかを考えます。」
そう言われた。ほっとした。でも、今度は自分の甘さへの腹立ちが収まらず何分間か涙が止まらなかった。
その面談は昼休みに行われた為、次の授業が迫っていた。しかし、まあこんな状態を友達にさらすわけもいかない。恥ずかしい。だから、初めて授業を体調不良以外で休もうと、思った。
顔を伏せて、リュックを整理して涙声で
ー「ごめん。次の授業休むね。」
と、まるで悲劇のヒロインのように教室を飛び出したのを覚えている。悲劇を起こしたのは自分のせいなのに。と、笑えてくる。
そんな私。何を思ったのか、鼻水がビービーのまま上品な風が吹く二子玉川の蔦屋が併設しているスタバに向かった。席についてやっと、一息。そして、来る途中に目に入ったヨーロッパの写真集を眺めた。
色が溢れていた。自分の知らないものが沢山そこに載っていた。
底に残る甘いココアの塊が喉に流れる。私はやっぱり留学してこの目で知らない事を沢山知りたい。と、その写真集に背中を押された。自分が単純で心底良かったと思う。
そこからは英語の先生などに教えて貰いながら、面談に備えて、何とか本当に何とかGOサインを頂く事が出来た。本当にあの時関わってくださった方々には感謝しかない。
と、まあこんな感じで一波乱があり私の留学は決定したのである。
これで懲りて、英語を完璧にして留学を問題なしにエンジョイしたかって?
いや、人間なんてそんなに簡単には変われない。
約3日程度でモチベーションは「並」に戻り、あっという間に出発日になっていた。
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次回:その日、私はダイソーに居た。