夢のちとせあめ
娘が保育園のみんなと七五三のお詣りに行ってきた。
神社へ行ってお詣りしたあと、千歳飴がもらえることを先生から聞いた園児たちは、みんなこの日を待ちわびていたらしい。初めて聞く千歳飴とやらが、とても気になる3歳児たち。
ちとせあめ。どうやら食べるものらしい、とっても甘いらしい。どんな味だろう?
お迎えのとき先生に、「〇〇ちゃん、飴は食べたことあります?」と聞かれた。
「まだ食べたことないですね」
「ですよね〜、じゃあ千歳飴が初めてやね」
「きっと喜ぶと思います」
こんな会話を聞いていた娘は、まだ見ぬ千歳飴への思いがむくむくと膨らんで、それが何かもよく分からないまま「ちとせあめ、食べる!」とワクワクしていた。
さて、お詣りの日。保育園に迎えに行くと、先生から渡された袋を誇らしげに見せてくれた。かわいらしく装飾された細長い袋には、長い棒状の飴が入っている。
帰りに公園に寄って暗くなるまで遊んだあと、「おうち帰ったら、ちとせあめ食べるー!」と、いつもよりスムーズに公園を後にした。
帰り道に何度も、「おうち帰って〜、ちとせあめ食べようね!」と確認された。
家に帰って袋から千歳飴を取り出し、ビニールの包装を開けてみる。娘がもらった千歳飴は、いちごミルク味のソフトキャンディだった。娘の好きなピンク色。
飴だけでなく、グミもハイチュウもガムもチョコレートも未経験の娘にとって、今まで経験したどんなおやつより甘かっただろう。
小さな声で「おいしい」とつぶやき、手をべとべとにしながらペロペロ舐めている。
ちとせあめ。きっと、夢のようにおいしいものとして娘の記憶に刻まれたはず。夜ごはん前に食べる甘〜いキャンディ、たまにはいいよね。
それ以来、「またニンジャ(神社)行って、ちとせあめもらう」と言っている。来月は家族で七五三詣り。二回目の千歳飴だ。