「兄の終い」村井理子

朝から吉田山を散歩して1万歩ほど歩いたのに、帰り道にパン屋さんに吸い込まれ、ベーグルやらマフィンやらを買ってがっつり食べてしまいました。腹ペコでパン屋はダメ、ゼッタイ。

パンを食べたあとは、アメリカに住む友達と週1回のオンライン定例会でした。中学生みたいな会話で爆笑できる30オーバーの私たち。あ~笑った、笑った。

午後はKindleで村井理子さんのエッセイ「兄の終い」を読みました。肉親が亡くなる話はちょっと辛いかも、と一瞬思いましたが、これがもう面白くて(笑えるっていう意味じゃなく)読み始めたら止まらず、あっという間に読んじゃいました。ちょっと泣きながら。

女3人で兄の死の後始末をする様子を読みながら、全然状況は違うんですが、母と姉と私の3人で父を見送ったときのドタバタの数日間、あの連帯感を懐かしく思い出しました。
亡くなってから告別式を終えるまで、やるべきことは山ほどあって、3人で葬儀場に泊まり込み、話し合いながら一つひとつクリアしていったあの感じ。女3人集まれば、フキンシンにも楽しくて、父の話で泣いた次の瞬間にはバカなことを言い合って笑っていたあの感じ。

作者が兄の死に関わってくれた人々、市役所の人、清掃業者の人、大家さん、学校の先生、みんなの優しさが心に沁みるの、すごく共感します。父が亡くなった時、看護師さんや病院のスタッフ、葬儀会社の方々の、もう動かない父にかける言葉、私たち遺族に寄り添ってくれる言葉にどれほど慰められたか。皆さん、「自分の仕事をしているだけ」と仰るんだろうけど、あの数日間、初めてのことに茫然とする私たちに優しい言葉をかけ、父の見送りを手伝ってくれた初対面の人たちの存在は忘れられません。

ある程度覚悟していた死でも大変だったのに、村井さん兄の場合は、元々疎遠、突然死in東北、その上、お兄さんと一緒に暮らしていた唯一の家族である小学生の息子が第一発見者という… 気持ち的にも作業的にもさぞ大変なことだっただろうと想像します。

数年前、村井理子さんの愛犬との日々をつづったエッセイ「犬(きみ)がいるから」の発売記念に恵文社で行われたトークイベントに参加して、とても楽しかったんですが、あのあとにこんな大変な経験をされていたとは。

この本は絶対、お姉ちゃんにもおススメしよう。

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