
「14ひきのあさごはん」
童話館ぶっくくらぶの配本で、ちょうどこの絵本がポストに届いた翌日、作者のいわむらかずおさんが亡くなったというニュースが流れた。
私の実家にも、夫の実家にもあった、この14ひきシリーズ。お父さんとお母さん、おじいさんとおばあさん、そしてきょうだいが10匹という、14匹のネズミの大家族のお話。この温かな絵本は、ずっと私の心の大切な場所にあった気がする。
私が持っていたのは、シリーズ1作目の「14ひきのひっこし」。大家族が、新しい家を探して引っ越しをする。
大きな絵本の見開きいっぱいに森の様子が書き込まれていて、じっと眺めていると、小さな虫や蝶がいたり、あっちこっちで14匹たちがいろんな動きをしていて、文字には書かれていないストーリーが見えてくる。14匹が暮らす家の中の様子を見るだけでワクワクしたのを覚えている。
思えば、私がずっとほんのり持っている大家族への憧れは、この絵本が原点なのかもしれない。きょうだいが多い友達や、おじいちゃんやおばあちゃんと一緒に住んでいる友達が羨ましかったのも、この絵本の影響かも。
今回、娘のもとに届いた「14ひきのあさごはん」は、家族がみんなで朝ごはんの準備をする。野いちごをつみにいくチーム、どんぐりのパンを焼くチーム、お父さんとおじいさんはきのこのスープを作る。ふっくらと焼き上がったどんぐりパンが、おいしそう。
読み聞かせをしながら、表紙と裏表紙を何度も見て、どれが誰かを確認しつつ、読んでいった。
娘は、野いちごをつむとき、トゲが刺さってケガをしちゃった6番目のろっくんが気になる様子。最後にちゃんとお母さんに指を消毒してもらっていて、ひと安心。
おねしょしちゃった10番目のとっくん。ネズミのぬいぐるみを大切にしている9番目のくんちゃん。細部までゆっくり見ながら一緒に楽しんだ。やっぱり娘も、どんぐりパンが食べたいらしい。
今度、図書館で14ひきシリーズの続きを借りてみよう。