「ビーだま・ビーすけ」Episode4が泣ける
実家に滞在中、母と娘と一緒にNHKのピタゴラスイッチを見ていて、親子三代で「ビーだま・ビーすけの大冒険」にハマった。
赤と黄色と緑のビー玉の三兄弟が、ピタゴラ装置を舞台に冒険するというものなんだけど、子ども番組だと侮るなかれ。凝りに凝ったピタゴラ装置と、軽快な音楽、コロコロと進むビー玉の動きにマッチした歌詞のおかげで、お馴染みのピタゴラスイッチが、壮大な物語になっているのだ。
Episode1では、敵の黒玉軍にビータとビーゴローがさらわれてしまい、ビーすけが兄弟を助けに行くという大冒険が描かれる。
Episode2では、前回のトラウマで家に引きこもってしまったビータとビーゴローのために、勇気の出るどんぐりを探しに行ったビーすけが、黒玉軍に捕まってしまい、ビータとピーゴローが、ビーすけを助けに行く。
Episode3は、黒玉軍の黒玉王子とビーすけが谷底へ落ちてしまい、二人で力を合わせて脱出するという、敵同士の友情物語。黒玉軍の領地では、王子が先頭を切って走り(転がり)、無事にそれぞれの家へ... と思いきや、勘違いした黒玉王がビーすけを追いつめる。最後は王子の助けで、無事に家へ帰るのだ。
Episodeが進むごとに、物語も装置も複雑化し、ハラハラポイントが増え、一本の映画のような、ものすごく見応えのある作品に仕上がっている。紙コップや箱の中に隠れて、敵の目をかいくぐって移動するシーンとか、一体どうやって作ってるんだ! と、何度見ても唸ってしまう。
そして、年始に放送されたEpisode4。これが、期待をはるかに超えるものだった。Episode4のタイトルは、「黒玉王子の大冒険」。Episode3でビーすけたちと友情を育んだ黒玉王子が大活躍する。
ある日、トゲトゲ軍という新たな敵にビーすけたちが捕らえられてしまう。それを聞いた黒玉王子は、王が止めるのも聞かず、一人でビーすけたちを助けに行くことを決意。
冒頭、王子が、「天国の母上、どうか僕に勇気を」と歌った時点で、えっ母上、亡くなってたん? Episode3までは生きてたやんな....!? 城に戻った黒玉王子が「母上〜!」って叫んでた気がするもん! ...と、大騒ぎする私と母。ストーリーが奥深すぎる。
勇気を振り絞って前へ進む黒玉王子が、敵に見つかりながらも、ビーゴローとビータを助ける。トゲトゲ軍に追いかけられる中、ビーすけを助けたと思ったら、それが敵の罠で全員まとめて捕まってしまう。
そこで黒玉王子が「父上ーーーっ!」と叫んで白いドミノを倒すと、黒玉王のところまでそのドミノが届き、王と二人の側近が急いで王子を助けに向かうのだ。何この感動的な展開...!
待ち構えるトゲトゲ軍に、「ここはおお任せください!」と側近の一人が体当たりして自分も一緒に落ちていく。
後ろから追いかけてくる敵には、「ここは私が止めます! どうぞ早く王子の元へ!」と、もう一人の側近が犠牲になる。
やっとのことで王が、王子とビーだま三兄弟を助けるが、特大トゲトゲに王子だけが捕まってしまう。怒り狂った王が「わしの息子に何をするー!」と、奪い返す。
最後は、王と王子、ビーだま三兄弟は二手に分かれ、それぞれの家へ帰って、めでたしめでたし。
このハラハラドキドキの展開が全て、ピタゴラ装置で語られるって、すごくないか? 王子だけが捕まる仕組みとか、転がるスピードも展開によって変えられていて、すごいとしか言いようがない。なんて壮大で感動的な冒険。母と娘の三人で、頑張れ〜っ! 危ない! 逃げて〜! と、叫びながら見守り、ちょっと泣きそうになり、最後は拍手した。
目も口もないまんまるのビー玉なのに、心細そうに見えたり、焦ったり急いだり、喜んでいるように見えてくる。動きと完全にマッチした歌も最高で、「おーうちへ かーえろ! ビーだま ビーすけ!」のところは、娘も一緒に大熱唱。最後の、「ビーすけーー!!」の叫びは、もちろん全員で声を揃えた。
Episode4では、最後が「またいーつか 会ーおう!」という歌詞だった。早くまた会いたい。次回作もとっても楽しみ。