本が読めなくても
本屋を始めたと話す時、友人からよく聞かれることは、
「いつからそんなに本を読むようになったの?」ということだった。
たしかに、読書といえば、いわゆる頭の良さそうな、ひとり図書館が似合うような、
そんな人を想像してしまうのかもしれない。
私は本が好きだけど、成績が良い方では無いし、学生時代に図書館で過ごしたこともない。
人見知りもしないし、休みの日に家から一歩も出ないことはまず無いタイプ。
イメージとは程遠いかもしれない。
そこで、自分の読書遍歴を思い出す。
0歳〜幼稚園 → 絵本の読み聞かせしてもらい本が好きだった気がする。本が好きというより遊んでもらいたかったのかも知れない。
小学生 → かいけつゾロリ・くれよんしんちゃん・名探偵コナンにハマる。
盲導犬クイールや、だからあなたも生き抜いてに感動。
中学生 → ほぼ読まない。反抗期真っ盛りで外へ外へと興味が湧いた年ごろ。
高校生 → 得意だった世界史のテストが早く終わってしまい、暇だった時間に机から本を出して読んでいたところを先生に怒られる。
18-22歳 → 読まなかったり、たまに読んだり。仕事が楽しくて、仕事と遊びでほぼ寝てない記憶。
23-25歳 → 自己啓発本にハマる。
吉田松陰の覚悟の磨き方を読み、幕末の時代に思いを馳せる。
腹を括って生きようと思った。
26歳〜現在 →小説、エッセイ、詩集、zine など、目についた物を読み漁る。
いい本に出会うと感動が止まらない。
といった具合に。
読んでない時期も長く続いた。
本屋をやっていると、
お客さんが自分は本が読めないから〜と
卑下したような言い方をされる事があるが、
実際のところ、本を読むということは、
そんなに高尚なものではなく、
もっとくだらなくて笑えて面白おかしいことなのでは無いかと思う。
みんな読めない時がある。
読めないからどう、というわけでは無い。
そうやって自分なりの遍歴に磨きをかけていけば、いいじゃない!と思った、積読の夜。
もっと気軽に本の世界へとおいでよと、言いたい。
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