2回目の朝劇でも本番は唯一無二。それは日々の授業にも当てはまるということ
朝劇 銀座「朝日に願え」、2回目の観賞記録です。
同じ劇を2回観に行くというのは、初めての経験で、どう観えるものなのかそれを楽しみに、前回からの一か月を過ごしてきました。
あらすじ&初回の感想はこちら
前回との違いは、
1)4名の出演のうち2名が前回と同じ役者、2名が異なる役者ということ。とくにスナックの従業員役の島崎さんは、男性から女性になった。
2)観賞した席(位置)が違ったこと。20名ほどでいっぱいになる小劇場(というかリアルスナックバー)なので、その座る位置で見える劇・役者の表情が全く違う・・・というのが、今回ひとつ大きな発見。前回は、バーカウンターむかって正面からみたけど、今回は横から。すると始まってから気がついたのだが、親愛なる友人映里香ちゃんの表情がほぼ見えない(笑)そうだったそうだった、この位置が多い作品やったよね。わたし、ほぼあなたの背中を見つめていましたよん。(もし動画だったら、誰がいつ見ても同じ目線・画角になるはずで、そこがまた生の劇と違うんだよなぁ)
相変わらず、内容はとっても濃くて、2回目でも十分に楽しめるものだった。ただ予想外に、役者の変化による全体の変化というものは、そこまで感じなかった。これは、プロのなしえる技なのかも。
個人的に、劇が終わって感じたことは、
意味がストレートに入ってこない
初回の観賞は、今この場で起こっている状況を少しでも理解しようと、役者それぞれのセリフや仕草、関係性から直接見えないものまで推測しまくって、気がついたら終わっていた・・・という頭がもうぷシューっと湯気でもでそうなフル回転の一時間強でした。でも、2回目の今回は、全体像がある程度把握できているので、「この人はこう表現するのか…」とか「このセリフは、この人の個性がより引き立つなぁ…」とか「会話のセリフとセリフの間の取り方が本当に自然だよなぁ。それが設計できる演出家(そしてそれが体現できる役者)って本当にすごいわ」とか、そのセリフが示す意味以外の部分にとても意識がいってしまった。その結果、1回目のように純粋に内容に感動した!とかはあまりなく、より分析脳での鑑賞となりました。
そのあとの「流れ」がわかっているという緊張感
そして前回感じなかったことのもう一つは、最初に、主人公の朔太郎がでてきてカラオケのイントロが流れたとき・・・急に、なぜか出番を待つ他の役者の緊張感を感じた。笑(まぁ、実際わたしは俳優などやったことないので、あくまでも推測に過ぎないのだが)
なぜか―。たぶんこれは、わたしは過去に踊る方のバレエを12年ほどやっていて、その本番の舞台で曲が流れだした瞬間の緊張感がふと思い起こされたのだと思う。たくさん練習して本番を迎えて、お客さんが入って、照明が落ち、曲が流れるあの瞬間-。「いよいよだ」という高揚感、もう後戻りはできないという覚悟、はじまってしまえば踊りに集中なのだけど、舞台袖で待機するあの瞬間の緊張感は、いまでも忘れていないようだ。
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終わってから、映里香ちゃんと少しお話した。最近はテレビにもよくでるようになったので、「テレビと劇とそれぞの良さがあると思うけど、何が違うと感じてる?どっちのが大変?」って質問をしてみた。
「劇かなぁ。やっぱ何が起こるかわからんからさ。テレビは編集も含めてみんなでつくってるけど、劇はもうはじまってしまったら何が起こるかわからんから。仮にミスしてもそのあとに引きずったらあかんし…」的な答えだったと私は記憶している。
そだよね。生の劇はさ、撮り直し~、とかできないもんね。仮にミスしても自分で立て直すしかない。精神的にも技術的にも強くなるよね、とこの返事に共感しかなかった。。。たぶんそれは、この3カ月ほど怒涛の授業(授業をする回数が圧倒的に増えた)が続くなかで、自分がめちゃくちゃ成長したなぁと実感してたから。
授業は毎回が本番
もちろん用意もするけど、学習者の反応次第で臨機応変に対応することも求められる。その場・そのタイミングで伝えるべきことがある。情報量が多すぎても少なすぎてもいけない。多数を相手にするというのは、よりその見極めがめちゃムズなのである。(一斉指導型の限界という話もあると思うがそれはまた別の機会に)
ここ数年は、授業が終わってら数えきれない失敗(でも、もう戻れないという後悔)があって、それを次の授業で活かして。その繰り返しを何度もするなかで、仮説がより鋭くなり、無駄な力を抜けるようになり、本番での対応がどんどん柔軟に、かつより伝わる方法になってきて…。質が安定してきたかなぁと思っている。
ほんと、ほぼ1年中とても広い範囲の学習を対象とする学校の先生方には頭が上がらないわ。
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その後、マーサーブランチ ギンザテラス(11時~)で一緒に見に行った友人とのブランチ。ブリオッシュフレンチトースト・・・めちゃうまです。銀座で朝劇後のブランチ、とってもよい休日になること間違いなし。(食べおわるころには、長蛇の列でしたのでご注意を)
Brioche French Toast Brunch(¥1,800)
写真は、I. Eight Kinds of Vegetables & Pork Confit Salad | Onion Dressing
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朝劇 銀座 「朝日に願え」
昨・演出、谷 碧仁/演出、竹石悟朗、長内映里香、堤千穂、田名瀬偉年/プロデューサー、野村龍一/企画・製作、朝劇/会場 Studio Marilyn (銀座)