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気は合わないのに買う本は同じ 2014年4月11日

 自称「一致した女」神垣です。

 今日は

 やつが帰ってきます・・・


 わけあって、夫が長期出張に出て
 はやひと月。

 今日、広島へ帰ってきます。

 出張が決定したときは
 本気で寂しいと泣きそうになった(←本当です!)
 わたしですが

 いざ、別居生活が始まってみると
 当然ながら、羽が伸ばせて、すこぶる楽しい。

 それはさておき。

 性格も趣味もことごとく異なる
 わが夫婦ですが
 ごくたまに「一致」することがあります。

 それは、読む本。

 小説なら、
 山崎豊子派の夫に対し
 山田詠美派のわたし、
 といった感じで、好む路線が
 夫婦で「水と油」ほど違うのですが

 なぜか、ごくたまに
 同じ本をそれぞれが買っていたりするのです。
 
 今回、出張先の夫と広島のわたしが
 まったく偶然に買って読んでいたのが、これ。

 林真理子のエッセイ「銀座ママの心得」

 「あ! あんたもこの本持っとったんね。
  わしも読んだわ、ほれ」
 と夫がカバンの中から差し出したのが
 この文庫でした。

 なんで、離れているときだけ
 興味の対象が一致するのかねぇ……


 おなじみ、作家の林真理子さんが
 週刊文春に連載している「夜ふけのなわとび」が
 文庫にまとめられています。

 タイトルにある「銀座ママ」は
 彼女が東北支援の一環として
 超オリジナルで企画した「銀座のママプロジェクト」
 のことを指します。

 このプロジェクトに興味があって
 わたしは本書を購入したのですが
 大半が、林さんの日常で
 (震災の前後のことが中心ではありますが……)
 ちょっと期待外れだったかな。

 ただ、林さん夫婦も
 互いが天敵であるかのように
 夫婦の性格が正反対で

 その点だけはひどく共感できました
 (彼らも確か、うちと一緒で見合い結婚だったはず)。

 大晦日に掃除をしない林さんに
 ご主人の雷が落ちるそうですが

 うちは夫の雷が落ちると
 わたしも雷で応戦し
 自宅が大型の台風並みに荒れるので
 滅多に雷は落ちません。

 互いに、家庭の平和のために
 「学習」したから
 (だって、皿が飛ぶような夫婦喧嘩の後って
  片付けがとっても大変……)。


 読んでいて、
 林さんのご主人の
 妻に対するいらつきや苦々しい思いが
 痛いほど分かります。

 でも、わたしも
 林さんとさほど変わらない行動様式なので
 仕方ないよね~、とも遠い目をして思うのです。

 ま、いいじゃん、
 最終的に夫婦やってるんだから。

 というわけで、
 共感あり、反感あり、
 さまざまな感情が味わえる1冊。

 ベストセラー作家なのに
 どこまでも下世話なおばちゃん視線で綴る
 林真理子ワールドをご堪能あれ!

林 真理子 著「銀座ママの心得 」(文春文庫)

わたしは夫の帰りより、彼が持ち帰る
「週刊ポスト」が待ち遠しくてたまりません。

(VOL.2161 2014年4月11日配信 メールマガジン あとがきより)


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