大津絵入門! 2016年9月23日
自称「好きな女」神垣です。
浮世絵でもなく
鳥獣戯画でもなく
大津絵です。
大津絵は、
江戸初期から明治にかけて、
職人によって描かれた
無名の庶民絵画。
東海道最大の宿場
大津の西端に位置する追分、大谷で
土産物として旅人に売られていたことから
「大津絵」と言われるのだとか。
数年前、
美術館で展覧会があり
そこで初めて「大津絵」というものを
知りました。
土産物として量産されていたため、
略画化され、型紙で彩色されているので
浮世絵に比べると
実に簡素で稚拙なのですが
どこかユーモラスで
簡素ゆえの迫力や愛嬌があります。
だって、
鬼が行水していたり
大黒様が福禄寿のなが~い頭の毛を剃っていたり
するんです。
漫画の原型といっていいかもしれません。
そんな大津絵をカラーで紹介しつつ、解説した本が
角川ソフィア文庫から出ている「大津絵」です。
著者はフランス生まれのクリストフ・マルケ氏。
フランスで江戸・明治期の日本の画譜の
翻訳復刻を数多く手がけている人物です。
本書によると
ピカソやミロも
大津絵に注目していたのだとか。
ともあれ、
難しいことは置いといて
大津絵を1点ずつ紹介した
本書第二章をぱらぱらとめくってみるだけで
楽しめます。
美人画も紹介されているのですが
どの絵の顔も同じで
さほど美人に見えないところが
なぜか可笑しい。
きものをしどけなく着こなしているのですが
一筆書きのようなシンプルなタッチで
見事にそれが表現されていて
感心しました。
大津絵がどんなものか
知るのにちょうど良い1冊だと思います。
クリストフ・マルケ 著「大津絵 民衆的諷刺の世界」
http://amzn.to/2crV4mM
Kindle版もありますよ~!