【エロくない詩吟vol.7】声を鍛えるという道のり
おはようございます。heyheyです。
今日は「声を鍛えるまでの道のり」についてお話します。
詩吟をやってきて20年。
さすがに普通の人よりはちょっと違った声が出せるようになりましたが、「最初の頃ってどうだったっけ?」とか「どんなときに成長できかな?」というのを振り返ってみます。
始めはヒョロヒョロの張りぼて
詩吟は10歳に始めました。
小学校3年生ですね。
この頃というのは、色々と最強です(笑)
・声変わり前の尋常じゃなく高い声
・小さい子特有の腹式呼吸
・世間を知らないゆえの自信
このおかげで、2週間に1回、1時間しか練習せずとも、なぜか運よく詩吟の大会で賞を取ることができました。
このせいで、根拠のない自信ができて、張りぼての声が出来上がりました。
声変わりで自分の声を失う
男の子ならだれでも経験する声変わり。
女の子も声変わりはしますが、変化の大きさは男の子の比じゃありません。
つい最近まで女性ソプラノ歌手レベルのキーが出ていたのに、みるみる声がガサついて下がっていく。美川憲一みたいになっていく。いやいや、それどころかそもそも声が出なくなる。
あれ?今までどうやって声を出していたっけ?
中学生になると声がボロボロになり、根拠もないので復活することもなく、詩吟への興味も最初は強くなかったので、心も体も詩吟から離れていってしまいました。
そんな時に、ご縁があって、別の先生の下で学ぶことになりました。
僕の声が鍛えられるのはまさにここからです。
全否定。一から見直す声の鍛錬
先生と初めて会った日は、10数年経った今でもよく覚えています。
挨拶するや否や、早々に「じゃあとりあえず1つ吟じてみようか」と言われ、吟じた後の先生の顔。
(あちゃー、思った以上にひどいな。)
そんな顔をしていました(笑)
ちゃんと声を出してる?
お腹を全然使ってないよ。
そもそも声が前に出ていない。
口も開いていない。
音程も大きくズレている!
もう散々でした。
「最初だから沢山は言わないけど、毎日声を出そう。口を大きく開けて、息をたくさん吸って、発声練習を毎日やろう。まずはそれからだ」
厳しくも熱意のある言葉を受け取り、自分の悔しさも相まって、そこから毎日発声練習をすることにしました。
喉が鍛えられていく
最初の頃の発声練習方法なんて雑なものです。
詩吟の基礎で誰でも習うような音階を、ひたすらに繰り返すだけ。
滑舌練習は「あえいうえおあお」を大きく口を開けて行うだけ。
それでも、毎日15分~30分していると、みるみる声が変わっていきました。
そう、僕は鍛える以前の状態だったんですね。
声は「声帯」を筋肉で動かして出しています。
その筋肉がほとんど使われていなかったのだから、毎日外で声を出すだけで、結構変わるものです。
「外で声を出す」
というのも大きなポイントでした。
室内に比べると、屋外というのは声が反響しません。
大きな声を出したつもりでも、全然出した感じがしません。
自分のしょぼさを痛感します。
だからこそ、外で負けじと発声練習しているだけでも、次第に喉が鍛えられていきました。
先生の声を聞き、細かい指導を繰り返し受ける
外でひたすらに発声練習を繰り返していても、どこかで限界が来ます。
いくらやっても「同じようにしか聞こえない」状態になります。
だからこそ「先生による指摘」「先生の良質な声を聞く」というのが重要になってくるんですね。
自分では気付けなかった違い、正しい体の使い方を繰り返し学んでいきます。
「声を出す」というのを「ボールを投げる」ことに例えると少しわかりやすいかもしれませんね。
これまではがむしゃらにボールを遠くに投げ続けていました。
今まで投げることすらほとんどしていなかったから、それだけでも効果がありましたが、一定距離以上は届かなくなりました。
先生に見てもらうことで、
ボールを投げる際には、腕だけじゃなく肩も腰も使うことを学ぶ。
そして、実際に使い方を見せてもらう。
そのように真似てみて、正しいフォームに近づいているのか判断してもらう。
先生に学ぶというのは、そういうプロセスなんだと思います。
継続は自信なり
指導を受けたなら、あとは自分自身で継続です。
継続して、指導受けて、継続して...これをひたすらに繰り返しました。
どれだけ続けたかというと、5年間です。
雨の日も風の日も、大雪の日も台風の日も、5年間毎日続けました。
継続によって力が付きます。
その力が一朝一夕で身についたものでもないことを知っています。
「詩吟をこんなに継続している若者なんて他にいるまい!」という気概も育ってきます(笑)
こうして「自信」が付くんですね。
継続して、力がついて、自信がつく。
自信がつくと、さらに力がついて、さらに自信がつく。
自信というのは成長の速度を高めてくれます。
顔つきを変えてくれます。
とてもありがたいものです。
これに頼り過ぎるのは良くないですが、自信が無さすぎるよりはあった方が断然良い。
こうして、今の僕の声の基礎が固められました。
この5年間の鍛錬が無ければ、今の自分はどうなっていたやら分かりません。
それほどに揺るぎの無いもので、自分を支えてくれる土台になりました。
声にしても、精神面にしても、頼りになるヤツです(笑)
「良い声は一朝一夕では身につかない」
とまとめたらシンプルなんですが、それじゃまとめ過ぎです。
もっといろんなプロセスが必要なだけ。
本質がまだ見えていないだけ。
ちょっと遠回りしているだけ。
だから、僕としては発声や腹式呼吸のノウハウについてはできるだけ整理してお伝えしたいと思っています。
簡単に身につくものではないけれど、そんなに遠回りする必要もないと思うので。
ちなみに、この先に僕は「腹式呼吸の壁」にぶつかります(笑)
それはそれでボリュームがあるので、次の機会に。
最後まで読んで下さり、ありがとうございました。