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“ディズニー”という巨大な組織をより成長させた経営者

 これから紹介する本は私が大変感銘を受けたと共に、これからの教訓ともなるであろう『ディズニーCEOが実践する10の原則』という本です。
この本はロバート・アイガーという2005年から2020年2月までディズニーのCEOとして数々のイノベーションを起こした偉大な経営者の半生とリーダーシップについて語った本です。
 巨大な組織を束ねて発展させる人間というのは、圧倒的なカリスマ性と誰もが羨むエリートコースを歩み、どこか他人とは違うクリエイティブな人間であり、凡人とは違う感覚の持ち主しかいないのではないかと勝手に考えていました。しかし、彼は決して恵まれた家庭環境という訳ではなく、最初はテレビ局の雑用係から始まり様々な困難に立ち向かいながら、ディズニーCEOになるという波瀾万丈な物語を描く中で本人が大切にしている10の原則を紹介する本になっています。

著者は以下の10の原則がリーダーに必要と述べています。
1、前向きであること
2、勇気を持つこと
3、集中すること
4、決断すること
5、好奇心を持つこと
6、公平であること
7、思慮深いこと
8、自然体であること
9、常に最高を追求すること
10、誠実であること

これはロバート・アイガー自身が述べている10の原則ですが自分なりに噛み砕いて抽象化してみると以下の事が大事になるのではと思いました。

・他人の時間を尊重して自分の時間を管理する。
ロバート自身は裕福な過程環境ではありませんでした。父親は躁鬱病を煩い中々仕事が長続きすることがないため、幼い頃から壊れたものは自身で修理したり、空いた時間を利用してアルバイトや勉強などをして自らの時間を上手く活用していました。そのうような生活を送っていたため時間に対する価値を人一倍理解していたのだと思います。

・リーダーも学び吸収して他人の問題に寄り添い手助けする
ロバートはABCテレビの雑用係から地道に仕事をこなしながら、社長というポジションまで上り詰めました。(この下積み時代のスポーツ局の話はめちゃくちゃ面白いのでこれは本書で!)しかし、この社長就任は中々当時の上司であった人のいきなりの提案でもあったためロバート自身もわからないことがたくさんあったと言います。その時に大切にしていたことが自身のありのままの姿で仕事をするということでした。知ったかぶりをするのも、大きく見せる事もせず、だからと言ってへり下り過ぎずに仕事をするという事で会社の成長とともに自身も学び吸収して周囲を導くようにしたのです。
この事によりABCテレビは様々な記録を打ち立てて行きました。

・上手くいかない時に自分自身に質問をして検証するという事
ディズニーにABCテレビが買収されて傘下となったと同時にロバートの上司についたマイケル・アイズナーとマイケル・オービッツとの関係で悩まされる事になります。アイズナーは元々ディズニーのトップ的な存在ではあり、関係は良好でしたが、もう一人のオービッツとの関係が上手く行きませんでした。というのもオービッツはハリウッドでは著名であり優れたタレントエージェントではあったのですが、ディズニーのやり方に合わなかったため周りのやり方と彼のやり方が合わずに大きな摩擦を生んでいました。最終的にクビになるのですが、その時にロバートはこの事をもっと早く察知し、またオービッツがどうすれば上手く仕事をする事が出来たのかを考えていたのだと述べられています。

・リーダーは何が1番大切なのかを誰にでもわかるように何度も伝える。
これはロバートがディズニーのCEOの後継者争いをしている時のディズニーをどうするかを部下に理解してもらうかという時期でした。
何よりも一緒に仕事をする部下を大事に思っていたからこそ生まれた思想でもあると思います。上司のビジョンが部下に伝わらないと意識のずれが生じてしまい、自分だけではなく部下のモチベーションが下がってしまう。さらには激しい後継者争いにおいて取締役員の人々にも思いが伝わらず自分がCEOになれないと考えていたのもあります。

・誰かを切るときは誠意を持って伝え、納得してもらう。
ディズニーは数多くの映画を配給し、老若男女に好かれる映画を作ってきました。特にロバートがCEOを勤めていた時代は数多くのヒット作品を発表してきました。しかし、映画制作も簡単に行くわけではなく様々な困難に会いながら乗り越えて行きました。その際に映画に関わる人間を辞めさせないといけない場面が訪れました。そんな時に大事なのは悪い所をしっかりと指摘し、全てを否定するのではなく面と向かって直接言葉を伝えることで自身の誠意を伝え納得してもらうよう説明する事を徹底していました。

・仕事が出来るだけではなく人としても尊敬できる人物を周りにおく
ロバート自身も素晴らしい経営者でありながら人格者でもある中で、自分の周りにもそういった人格者を周りに置いていました。こうすることで巨大なディズニーという企業がスピーディーにかつ的確な事業を広げる要因になったのだと思います。またピクサーやマーベル、そしてスター・ウォーズの継承を見事に成し遂げたロバートはこうした人格を大事にしてその人となりを見抜く能力がずば抜けて優れていたのだと思います。

これ以外にも多くの金言的な言葉がたくさん溢れた本になります。私的にはピクサーを買収する際のロバートとジョブズ(当時のピクサーのCEO)のやりとり、買収後のジョブズとの関係は胸打たれるエピソードとなっており、一番好きな所でもあります。またディスニーがこれほどまでにM&Aの会社でありながら、買収した会社の理念、思想を大切にしながら買収を行い関係を構築してきた事に驚きました。
まだまだ面白い話が詰まった本なので一人でも多くの人が手に取って、実際に読んでもらえればと思います。



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