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【物販は保護活動ビジネスになりうるか】保護猫活動のビジネス化を考える③

保護活動のビジネス化を考えるシリーズ第3回目!
2回目は、そもそも収益化の選択肢の1つとして生体販売は正しくやれば悪ではないのでは?という考察を書きました。

前回に引き続き、保護活動をビジネス化する上で、何を売上とできそうか?可能性として考えうるものを考えていこうと思います。

今回は既存でよく目にする保護活動に関するビジネスについて、物販を例にとって考察していきます。


物販の利益構造

周知のとおり、様々なグッズを作り、販売することで収益を得るものだ。
保護活動への貢献を目的として、こういったグッズを購入したことがある方も多いと思う

ここで物販の利益構造を見ていく。
ビジネスとしての考察をシンプルにするため、保護活動を実施していない物販との利益構造を単純に比較してみる


保護活動なしの物販の場合

今回は、わかりやすさのため、主要な売上とコストのみを取り上げて比較してみる

表1.保護活動なしの売上とコスト

保護活動ありの物販の場合

表2に示すとおり、保護活動なしの場合と比較して、シンプルに保護活動にかかるコストが増える
当然、黒字化の難易度は、保護活動なしの場合と比較して大きく跳ね上がる。

表2.保護活動ありの売上とコスト

通常の物販であれば、黒字事業であっても、保護活動とセットになることで、経営が苦しくなるのは容易に想像がつくだろう。


黒字拡大のための選択肢

●売上増=単価を上げる ✕ 販売数を増やす
●コスト減=製作費 + 人件費 + 手数料 + 保護活動 それぞれのコスト減

上記を因数分解して、それぞれの要素の可能性を見ていく

単価を上げる 方法

・ブランド化による高単価化
 いわゆる「ブランド物」にできれば高単価は実現可能であろう。
 独自のキャラクターや特許的なデザインや、便利な製品をアイデア次第で、ブランド化の可能性もある。
 ただし、有名デザイナーを付けるとなれば、コストが大きくなる。

・付加価値による単価UP
 「保護活動に貢献できます」というのも付加価値の1つ。ただし、それに一般品の何倍もの値段を付けられかと言えば、それは難しい
 保護活動ならではの購入者特典などの付加価値を付けることも可能だろう。アイデア次第では大きな単価UPにつながる可能性がある


販売数を増やす

・値引きする
 これはあまり進んではやりたくないもの。品質に自身があり、リピーターが見込める商材であれば、お試しキャンペーン等はある程度、有効である

・販促、プロモーションの拡充
 当然、あまりコストは掛けられない。SNSなどを活用して販路を広げていく。保護活動に関わる特性上、ターゲティングはしやすく、コストを最小限に押さえて積極的に活用したい


コスト減

・保護活動以外のコスト減
 これは一般的な企業努力の範疇になると思われるので、このnoteでは深くは言及しない

・保護活動のコスト減
 現実的には、難しいだろう。むしろ、筆者は関わる人のコストを上げることで、関わる人を増やしたいと考えている。
 私と同じ手段ではないにしても、多くの保護活動家は、ここにお金をかけて、保護活動を可能な限り拡大したいと考えているだろう(もちろん、死に物狂いで削れるコストは最大限削っている)
 削る手段としては、ボランティアや資材寄付などで賄うのも1つの選択肢だろう。


まとめ

保護活動ビジネスとしての成立させるは困難?

物販は、保護活動をビジネス化するひとつの手段ではある。
ただし、保護活動を伴わない物販事業よりも、生産性の高い利益構造で成功を収めなくては、黒字化は難しい。

「物販だけなら、なんとか黒字です」
というレベルの成功では、保護活動のコストを賄えないのだ。

今回は「ブランド化すれば良い」などの可能性を簡単に書いたが、それができれば誰も苦労しない程度にハードルは高い

一方で万人に受け入れられやすいシンプルな収益モデルであることは間違いない。

にもかかわらず、この領域で頑張っている人が単価アップや、売上を増やす工夫をすると「あなたも所詮、営利目的ですか!ガッカリです」などの言葉を受けている様子をたびたび目にする。


悪質な業者も一定数存在するが、利益追求=悪と、単純に決めつけないで欲しい。
社会貢献し、公明正大に利益を追求することで、持続可能性は上がっていくのだから。


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