大きな嘘の木の下で

【タイトル】大きな嘘の木の下で 
僕がOWNDAYSを経営しながら考えていた10のウソ。

【一言要約】安全圏である大きな木の下に逃げ込むのではなく、飛び出し、行動しよう。

【概要】

幸せという名の不幸の呪文

こちらが「幸せにしたい」と思って頑張っても「幸せと感じるかどうか?」は結局相手次第だ。また幸せの基準は人によって違う。そして人の人生の時期、成長ステージによっても常々変化する。
そもそも「幸せ」という言葉は「状態」を表すものではなく瞬間、瞬間に感じる「感情」を表すものだ。だから「〇〇を幸せにする」という言葉は日本語が間違っている。24時間、365日、幸せがずっと続く状態はクスリをやっていないと保てない。
例えば「美味しいご飯を食べた、幸せ。」この感情はその前に「お腹が減った」という苦痛がないと感じることができない。空腹は最高のスパイスだ。反対にお腹が一杯でもう何も入らないという時なら三つ星シェフの最高の料理だって食べたいとすら思わない。
さらに幸せは「相対的」なものでより感じやすくなるという、厄介な側面を持つ。この側面こそが筆者が「幸せを不幸の呪文」という所以だ。
そこで筆者は人生に大事なのは「豊かさ」という考え方になった。幸せを感じられる瞬間は自分が豊かになった時に訪れることが多い。「豊かさ」は必ずしも誰かを貶めなければ感じられないものではない。
豊かさとは昨日まで自分になかったものが今日、新しく増えた状態。お金、知識や技術に経験、地位や名声、人脈、チャレンジする勇気…様々なものを自分にプラスして成長していけること、それら全部が「豊かさ」だ。

幸せと不幸せの確率

自分が幸せを感じる瞬間はどんな瞬間だろうか?給料が増えた、結婚した、温かいお風呂に入る、美味しいご飯を食べる…
逆に不幸になる瞬間はどんな時だろうか?病気をした、怪我をした、借金で破産した、犯罪に巻き込まれた、家が家事になった、、
幸せは「自分だけのもの」だけれど不幸は「近親者」にも影響を及ぼす。
例えば離れた実家で親が美味しいご飯を食べていても、それと同じように幸せを感じることはできない。ところが不幸なイベントは近親者にも自分にも経済的な影響が及ぶ。親が病気になった、怪我をして働けなくなった。兄の家が火事で燃えた、妹の旦那が破産したなどだ。こういったことが起こると自分にも飛び火する。それも近親者の数だけ。
このように不幸が降りかかる確率が高いのだから自分の価値を高めることと自分を必要としてくれる人たちとの信頼を築くことを忘れてはいけない。

「仕事」と「労働」と「遊び」の境界線

「仕事」とは誰かの願い(新のニーズ)を叶えるために自分ができる限りの価値を提供することで、「労働」とは体を使って働くこと、特に収入を得る目的で体や知能を使って働くことを指す。

科学は進化を続け、現代になり食べ物も着るものも、住むところも、車などの移動手段も何もかも人間が文化的な暮らしをする上で必要なものは全て出来上がった。とっくに働かなくていい状態にあるのに今もなお多くの人が嫌々労働している。

オリエンタルラジオの中田敦彦さんは最近自身のYouTubeチャンネルが爆発的にヒットして多くのファンを獲得している。その表情はとにかく楽しそうだ。果たして彼の中に本気で打ち込む「遊び」と「仕事」に境界線はあるだろうか?答えはノーだろう。

労働は時代の変化に伴って常に新しく生み出され続けていくが、それと同時にテクノロジーの進化によって常に消滅していく。そんな時代に価値が高まるのは使命としてやっている人、楽しみながらやっている人だろう。
商品の物質的な価値だけで購入されていた「モノ消費」から「面白い体験」に価値を移した「コト消費」へと移り変わり、これからは「魅力ある人の価値」にフォーカスされ消費が動く「ヒト消費」の時代が本格的に始まる。


自意識過剰が成功の邪魔をする

新しい「行動」を起こすのを阻んでいる大きな原因は自意識過剰だ。批判・中傷されることへの恐怖なのかもしれないがそれこそ自意識過剰だ。ほとんどの場合誰も自分のことなんて見ていないし、嫌われるもなにもそもそも知られてさえいなかったということもある。例えばSNSで何か発言しても称賛され、認められるどころか、炎上させることすら難しい。むしろ日本中から叩かれるくらいに注目されるなら大したものだ。例えわざと炎上させようとしてデリケートな日韓問題についてツイートしてもニュースにすらならないだろう。

他人の目を恐れ、自意識過剰になるということは同時に自分に秘められた無限の可能性を潰す行為だ。


「夢がない」と嘆くあなたに贈る言葉

「できるようになりたいこと」と「手に入れたいもの」この2つを書き出してみるといい。例えば「海外旅行に行きたい」「英語を喋れるようになりたい」「美人の彼女が欲しい」のようなものだ。

夢とか目標なんていうものは毎日を頑張って、魂を振り絞って精一杯生きた人にだけ、ある日突然神様がくれるご褒美みたいなものだ。


人生において選択なんて大した意味はない

みんな選択に悩んでいる。例えば「転職するかどうか?」「会社を辞めて独立するかどうか?」「この人と結婚して良いか?」「どの会社に就職しようか?」などだ。今日の夕飯のメニューから人生を変えてしまいそうな重大な選択まで、誰もが日々どちらを選択するのが正解かを悩んでいる。この問題に対しての答えは人生における選択の先にはどちらにも天国と地獄が待っている。自分の選択が間違いじゃないと思えるかはそのあとどう行動したかが大事だし、その選択が正解になるのも間違いになるのも、自分の行動の結果でしかない。


社員の不満を解消しようとするのは無駄

様々な改革の中で一番的外れだったものとして「スタッフの不満を解消すること」が挙げられている。スタッフの不満はどんなに解消しても湧いてくるからだ。
例えば給料が安いという不満を解消するために競合他社に見劣りしない基本給へと全員の給与水準を限界まで引き上げた。そうすると「残業代が安い。通常の給与にもっとプラスして支払われるべき」という問題が浮上した。そこで残業代を割増で支払うようにした。すると「人不足で残業しなければいけない。人を増やして残業そのものをなくせ!」という不満が巻き起こった。そこで人員を増強し、残業時間を減らすと「残業代を当てにしていたのに給与が減った!」という不満が出た。
そもそも不満が出ない状態なんてありえないのだ。人は常に何か望み、その望みが叶わないというギャップで不満が生じるからだ。みんなが満足している社会は誰も何も望んでいない社会ということになる。
会社にとって一番大事なのは関わる人たちの不満を取り除くことではなく「納得」してもらうことだ。なぜそうなったのか?なぜそうしなければならないのか?など自分の抱える不満の原因や理由が明らかにされ理解できれば、不満を「解決すべき自分たちの問題」として前向きに捉えられる。だから経営者が最も優先すべきは「不満」を取り除くことではなく、向き合うべき「課題」として原因と解決方法を明確に示してあげることだ。


【本を読んで感じたこと】
幸せという言葉は何気なく使ってしまうけどあの言葉が意味するところについて考えるきっかけになった。
またネガティブは伝染するというが不幸も伝染するということを実感させられた。
最後に組織運営において経営者が実践してきたことが学びになった。不満をなくすことは不可能なので納得してもらうことの大事さが理解できた。

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