初心者DIYで「頑丈な」棚をつくる
私は、物作りが比較的好きだ。それに興味関心がある。
ささやかながら、ソーホースを作ったこともあるので、DIYという名の日曜大工もその延長で、おそらく簡単にできるだろう。このように、事態をわりと軽く考えていた。
ところがその甘い目論見はこのあと、大きく狂っていくことになろうとは、この時点では努々思ってもみなかった。
下準備(部屋の整頓)
私の自宅には、ささやかな屋根裏収納(ロフト)がある。かねてより、この空間は引っ越してきた当初から物が減ることなく、むしろ増加の一途をたどって、気が付けば10年以上も放置していた。まだ物が少ないうちに整理しておけばよかったのに…。
そんな空間を今回、徹底的に整理整頓することになった。その流れで、物品を収納するための棚を作ることになったのである。
まず、「片づけ祭り」として、家族総出で丸一日かけて屋根裏からすべての物を下におろし、ひたすら物の分別を行っていった。そのおかげでひとまず、片づけ前の半分以下にまで物の量を削減することができた。
今度は新設する棚に入れる量の把握である。主に絵本類が多かったので、それらを入るように棚を設計することとなった。設置場所の寸法を測り、図面まで描いた。
こうして、絵本類を入れるため、ある程度の重量に堪えられる棚を作るという構想が決まっていった。
資材調達〜ニス塗り
翌日、さっそく最寄りのホームセンターへ行った。
今回の棚づくりでは、2×4材で簡単に棚が作れると謳っているシリーズの金具を用いた。
同時にカットサービスもしてもらったため、すべてを合算すると2万5千円くらいに跳ね上がってしまった。これでは、既製品を購入するのとあまり変わらない。
特に値段が割高だったのが金具で、これをたくさん購入したため、このようなことになってしまった。でも初期投資だと思って、目をつぶることに…。
裁断する木材の分量が多かったため、翌日改めて出直して車で受け取りに行くことになった。軽自動車には何とか入ったものの、あまりにも木材が重くて、持ち運びに大変苦労した。
これで一通りの材料がそろった。
裁断してもらった木材はそのままでも、表面が比較的きれいだったが、それでもトゲが刺さると痛いので、ニス塗りすることに。
ニス塗りは、とても楽しかった。木材をすべてベランダに出して作業した。ソーホースを立てて、その上に木材を6本くらい載せ、刷毛でニスを塗っていく。
ちなみに、木材をソーホースに乗せたそれは、もう立派な机であり、テーブルクロスでも敷けばそのままアウトドアに使えそうな気配。
それはさておき、この作業は家族で交代しながら要領よくおこなった。
それも、鼻歌を口ずさみながらあまり肩ひじ張らず、軽快なリズムで。
今回、ペンキは塗らずニスのみであったが、その日は幸いなことにお天気にも恵まれていたので、塗るそばからどんどん乾いていったので、気持ちよかった。
木材はかなりの分量があったが、あっという間にすべて塗り終えることができた。意外に楽しいので、できればずっとこのままニス塗りをやっていたいとさえ思うくらい。
「DIYって意外に簡単だ」と思ったし、この流れで、ビス止めも順調にいくのではとも思ってもいた。
ところがこれ以降、その楽観的な思考は大いに覆っていく。
組み立て作業
塗った木材を一晩乾かしたのち、組み立ての作業に入った。
まず棚板を組み立てるため、比較的薄い1×4材のビス留めから取り掛かることにした。
ところがいざ取り掛かってみると、木材がとても硬い。おまけに、ビスの直径と、組み合わせる金具のビス穴の大きさがあまり一致していないような感じだった。そのため、何度も長いビスが途中で金具の穴に引っかかって、奥まで入らない。
電動ドライバーも空回りしてけたたましい音を響かせていた。
しっかり入るように、キリで穴をあらかじめ開けたり、接着剤を使用して動かないようにしてみたり、挙句は木材に馬乗りになって固定しようとしたりと試行錯誤を繰り返したが、それでも入らない。
そのせいで、ネジ穴を潰したビスが何個あることか。また木材を組んだら、それぞれの部品がとてつもなく重くなってしまった。
あまりにビスが入らないので、途中からかなり焦りモードに…。
結局、見かけを優先することにして、できるだけ長いビスは用いず、短いビスだけで済ませられるところは済ますことにした。強度面で心配が残るが、その方が確実に奥まで入るので、それで妥協することにした。
完成
てんやわんやで難工事を極めて一週間、下の写真のような棚がやっと完成した。
よく見ると、細部にビスが奥まで入っていない部分があって、仕上がりに少々不満が残るものの、遠目から観ると、頑丈そうで立派な棚ができた。
ホームセンターの言い分では、初心者にもおすすめと書いてはいたが、この製品はかなり難度が高いものだったのではないか、と思うほどである。棚づくりは難しい。
ただ、あまりに重い物を入れなければ、おそらく棚板は落ちてこないかと思うので、これもこれでアリかなと思うことにしよう。
いずれにしても、かなり大変だったが、相応の達成感はあった。これからもまた作っていけたらと思う。
(2021年8月11日追記)
そんなことで、難工事を極めた初心者DIYの棚ですが、あれから徐々に入れるものが増えています。
もともと、大容量入るように設計したので、思った以上にたくさんの本や物が入ります。
作業段階で心配していた、短いねじを締めたことによる強度の心配ですが、2021年8月11日現在、棚板が落ちたり、ビスが外れたりと言ったような事故は起きていません。あれから、比較的大きな地震などが数回ありましたが、それでも壊れた様子はありません。
また、現状では絵本に加え、やや大判の本や展覧会のカタログなど、重量のあるものもたくさん収納していますが、それでも軋んでる様子はありません。
難工事しただけのことはあって、頑丈な棚ができたと思います。
それよりも、片付け施工前に比べて、ロフトがスッキリとしてとても気持ちが良くなりました。
そう、風通しがよくなって今はとても満足しています。