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滋賀県産ワイン
デザイナーつぼたです。私は滋賀県出身で東京を中心にデザイナーとして活動しています。私の実家は大津、祖父母は彦根という由緒正しき(?)琵琶湖の民です。そんな琵琶湖人の私が、今回は滋賀のワイナリー&ワインを紹介します。
実は滋賀県の酒造の数は62件で、47都道府県中18位(2015年)という上位に含まれます。それに対し、ワイナリーは2件しかありません。ちょっと不思議です。
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ヒトミワイナリー
所在:滋賀県東近江市山上町2083
創業:1991年
見学:可能
試飲:可能
ヒトミワイナリーは紅葉で有名な滋賀県東近江は、四季それぞれに豊かな自然が楽しめる美しい土地にある、図師禮三が立ち上げた日本産の生ブドウを100%使用した「日本ワイン」かつ、濾過を行なわない「にごりワイン」専門のワイナリーです。
・h3(エイチスリー)
ヒトミワイナリーを代表する定番シリーズです。発泡性にごりワインで、自然な泡とドライで柔軟な味わいが特徴です。酸化防止剤は使用せず、清澄・濾過もされていないため、成分が沈殿しています。h3シリーズは以下の3つの想いが詰まっているそうです。
・h1:Hitomi Like ヒトミらしさ
・h2:Handmade ひとつひとつ手で
・h3:Happou Wine 発泡の田舎ワイン
デザインは非常にミニマルで、上部のキャップ部分をまたがるように短冊状のエチケットが付けてあります。エチケット下部にシルエットの生き物が描かれており、先進的で美しいデザインだと感じます。
・Soif(ソワフ)
フランス語で「喉の渇きを癒す」という意味の「vin de soif(ヴァン・ドゥ・ソワフ)」に由来しているそうで、喉の渇きを癒す爽やかな味わいのテーブルワインのシリーズです。酸化防止剤は使用されておらず、清澄・濾過もされていません。
シャーベットカラーの背景に小鳥が配置してあるデザインのエチケットです。『h3』や『AWA』と比較しても親しみを感じます。
・AWA(アワ)
フレッシュなぶどう由来の果実感をダイレクトに感じる味わいで、自然で素朴な泡が特徴の田舎式微発泡ワインです。発酵によって瓶底に沈殿する酵母や酒石酸を除去せずに、そのまま瓶内に残しているようです。
白背景に、発泡を感じさせる絵の具を散らしたようなデザインのエチケットです。要素が多そうに感じますが、同系色でまとめてあるため、統一感のあるボトルデザインに仕上がっています。
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栗東ワイナリー(太田酒造)
所在:滋賀県栗東市荒張浅柄野1507-1
創業:1874年(太田酒造)
見学:可能
試飲:可能
葡萄栽培から搾汁、醗酵、熟成、貯蔵、瓶詰めに至る全行程を一貫して自社で丹念に行っており、自社農園葡萄比率が70%と高いことも特徴だそうです。日本で2社しか使用していない希少な「レッドミルレンニューム」や、人気の「マスカットベーリーA」を自社栽培しており、国内で高い評価を得ています。自社農園で栽培した葡萄を原料としており、除草剤は使用せず、有機肥料のみで栽培されています。
・浅柄野(あさがらの)
赤ワイン:山梨県御坂峠に自生していた山ブドウとフランス産の高級品種「カベルネ・ソーヴィニヨン」を交配して生まれた「ヤマ・ソーヴィニヨン」が代表品種です。「浅柄野」自社農園にて「一文字短梢法」で栽培しています。カシスの香りと芳醇なタンニンと酸が特徴的だそうです。
白ワイン:日本の「ワインの父」といわれる川上善兵衛によって1929年に国内改良された希少な品種「レッドミルレンニューム」が代表品種です。ライチのような果実味とシードルのような酸味が特徴だそうです。辛口のワインは中華・エスニック料理などのスパイスのきいた料理と相性抜群です。
ロゼワイン:キャンディーやイチゴのアロマと、きめ細かい泡が爽やかなワインです。
エチケットには日本酒やジャパニーズウイスキーのようにストレートに「浅柄野」と漢字で書かれています。
・シュヴァル
シュヴァルには『サンセミヨン』と『ナイアガラ』があります。『シュヴァルサンセミヨン』は果皮に含まれるタンニンやポリフェノールなどの成分がワインに溶け込み、スモーキーな味わいが特徴のオレンジワインです。『シュヴァル ナイアガラ』はマンゴーやパッションフルーツ、乳酸、はちみつ、青リンゴ、キャンディ、キウイ、パイナップルなどの香りが特徴の白ワインです。
エチケットは馬が走るマークが中央に配置してあるデザインです。
・BIWA WINE
赤と白の2種類があり、国産葡萄100%使用のブレンドワインです。白ワインはグレープフルーツや白桃のアロマ、余韻の長い酸が特徴です。赤ワインはイチゴやレッドチェリーなど赤い果実のアロマで、タンニンと酸味のバランスが良いです。
こちらにも「Sheval」も文字がありますが、青い琵琶湖の絵が特徴のエチケットデザインです。
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さいごに
滋賀県産ではありませんが、滋賀県を代表する美術館のひとつである『ミホミュージアム』と、北イタリアのワイナリー「サクラファミリア・グランダーマ・アルテ・デッラ・ルーチェ社」とがコラボして作られたワイン『グランダーマ』があります。
・グランダーマ
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またワイナリーは2つしかありませんが、「栗東ワイナリー」ではワインを蒸留した蒸留酒「ブランデー」も製造しています。
ブランデーは、果実酒からつくった蒸留酒の総称。語源はオランダ語の「焼いたワイン」を意味する brandewijn から。
(略)
主に白ブドウのワインを蒸留して樽に入れ、熟成して製造する(熟成期間は5〜8年。種類によっては25年以上熟成させる。熟成させすぎたものは新しいものとブレンドして若返らせる場合もある)。単にブランデーと言った場合は通常ブドウが原料のワインを蒸留して作られたものを指すが、リンゴから作ったアップル・ブランデーやサクランボから作ったチェリー・ブランデーも存在する。アルコール度数は40度弱から50度程度である。
ブランデーは『道灌(どうかん)ブランデー』と『琵琶湖ブランデ-』の2種類ありましたが、現在『琵琶湖ブランデ-』は品切れのようです。
・道灌ブランデー(32年)
太田酒造ではブランデー造りは1970年より行ってるようです。仕上げた原酒をワイン熟成に使用しているフレンチオーク樽で32年以上熟成しています。ライチや青リンゴの酸味、黒砂糖のような香ばしさを感じるそうです。
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水や自然が豊かで美味しい日本酒を作れる滋賀県では美味しいワインも作れるのではないかな、と考えています。葡萄の栽培は少し違いそうですが、もしかすると今後ワイナリーが増えるかもしれませんね。
現在、デザイナーのつぼた(私)と、アーティストの神保民香さんの2人がタッグを組んでワインやウイスキーなどのお酒のラベルのデザインをしようと計画をしています。もし興味のある方はご相談ください。ではっ。
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SPOT DESIGN 坪田将知
●note:滋賀県(非公認)観光大使つぼた
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