ナニモノ
久々に、帰宅ラッシュ時のオフィス街にでた。
秘書時代の部下が相談があるというので、
食事に誘ってくれたからだ。
寄せてくる人波の顔ぶれが
みんなのっぺらぼうに見えた。
今はまだ、あの世界に戻りたくない。
直感だった。
部下に仕事の相談をされ
それなりに答えていながらも
周りの仕事終わりのOLの様子からも
自分がOL時代、いや、
物心ついてから今までの人生、いつもナニモノかになって
過ごしてきたんではないかという
強い思いを抱いた。
幼稚園のとき、
リレーの選手に選ばれなかった。運動会のパレードの指揮者になれなかった。
学生になっても本当は成績は常に並だった。
でも、不思議なことに
いつも期待してもらえて。
裏切りたくないんじゃなくて傷つきたくないが正しい表現だと思う。
だから
無意識のまま、私は自分じゃないナニモノかの人生を歩むようになっていったのだろう。
頑張ってきたこと、その過去のナニモノの自分を卑下には思っていない。
でも、もうナニモノには戻りたくない。
ありのままの自分でいたい。