【ハーブ天然ものがたり】パチュリ
エキゾチックな大地の香り
よもぎ、オオバコ、フェンネルにつづき、神聖な9つのハーブ、パチュリのものがたりを綴ります。
パチュリはインド原産のシソ科ハーブです。
スマトラ、ジャワの標高900~1800メートルの地域に自生し、商業用作物として世界市場に流通しており、インドネシアを中心に、中国、マレーシア、インドで生産されています。
手摘みで年2、3回の収穫が可能ですが、産業ハーブとしての規模は大きくないので、一般の人目に触れていくことは、そう多くはないと思います。
香料の保留剤として、衣料品の虫よけ剤として19世紀ころから、とくにインド産織物の香りづけに使用されてきました。
当時は船で運搬していた織物を、カビや虫食いから守るために生地のあいだにパチュリの葉を挟んでいたところ、生地に移った香りがヨーロッパ人に受けて、エキゾチックでオリエンタルな生地の価値を跳ね上げたといいます。
現代でも日本のインド風雑貨屋さん、洋服屋さんにいくと、いろんな香りに混じってパチュリの香りが聞こえます。
雨季に刈り入れたものが最高品質とされており、精油になるものは3日間ほど乾燥させてから蒸留過程にはいります。
パチュリ精油はベースノートで、香りが長く持続するので、天然の保留剤として香水には重要なハーブと位置づけられてきました。
精油は生ものなので、時間の経過とともに香りがうすまったり変調したりしますが、パチュリは年月とともに香りが芳しくなる数少ない精油のひとつです。
伝統医療ではアジア中心に、殺菌、消炎、収れん作用があるとされ、皮膚炎、腸炎、下痢、熱病予防などに処方されてきました。
心理面に及ぼす作用では、穏やかに強壮しながら鎮静させる精緻なエネルギー調整力があり、土を連想させる、温かくすこしスパイシーなムスク様の香りは、ハラに力が入らないとき、倦怠感、軽いうつ状態のときに効果的といわれます。
個人的な使用感としては、瞑想や夢見練習に深く入り込みすぎて、からだをうまく動かせないときや、頭がぼぉっとしたままの時に、日常動作に戻るのに役立つなぁと感じています。
地に足をつけるというか、グラウンディングするというか、合意的現実感覚にチューニングするというか。
過去記事で紹介したフェンネルとの大きなちがいは、フェンネルは滋養強壮に特化し、交感神経を優位にする現世ポジションの足場を固めるハーブ、という感じ。
かたやパチュリは強壮しつつも沈静化する、鳥の声を聞く宮本武蔵的な感じです。(ますますわからん!でしたらすみません)
東のサットン、西のゴットン
若いころはさまざまなエネルギーワークにチャレンジしてましたので、からだにすっと充満できない感覚はわりと慣れっこになっていますが、それでも急な仕事が入ったりで、さっと切り替えが必要な時パチュリにはずいぶん助けられてきました。
わが家ではパチュリ精油を、サッと切り換え「サットン隊長」と呼んでおり
サットン隊長の歌まで作ってしまいました。
パチュリの芳香を聞きながら、サットンタイチョーサットンタイチョォー♪と歌いつつ、リビングをうろうろ行進するという奇行が、数日おきにくり広げられていますw
一時期わが家でのマイブーム・ブレンドが、パチュリ・オレンジ VS ベンゾイン・ネロリだったことがあり、それぞれに東のサットン、西のゴットンと命名。パチュリはいつしかサットン隊長に昇格しました。
ちなみにベンゾインはゴットン隊長に昇格していますが、もとは事師のゴットンからきており、実事を成すときに役立つ香り作用をリスペクトした命名です。
パチュリの強壮しながら鎮静化するという、いっけん矛盾をはらんだ心理作用についてもう少し深堀してみると、心とからだと頭の連携がとれる三つ組みマジックの発動、という感じがします。
書道家が心身を研ぎ澄まし、しずかに、そして力強く墨を磨る、みたいな…。
茶道家が茶室で客人を迎える一挙手一投足、みたいな…。
なんというか、かすかな、わずかな所作のなかにも、心、からだ、頭の三つ組みが自然と連携して、プレゼンスを一分たりとも漏らしていない感覚です。
土元素の微調整
土のスピリットがほころびをつくりはじめるのは、現世にしっかりコミットしていないときだと思うのですが、たいていの場合ご飯を食べると、あっというまに土元素界優位の地球コミュニティへ舞い戻ることができると感じています。
占星学でみる地球を中心としたジオセントリック・ホロスコープには、35歳からの火星期10年間という、社会にむかってイケイケどんどんになる年齢期があります。
火星がフィーチャーされるこの時期に、わたしの火星は乙女座27度、サビアンでいうと「お茶会をしている高貴な貴婦人」というもので、天地をつなぐ巫女的人柱シンボルだったので、なにかもう無我夢中であらゆるエネルギーワークに首をつっこんでいました。
アメリカのエサレン研究所という行動心理学やゲシュタルト・ワークを基礎にしたボディワークのディプロマを取得したり、高名な気功師の先生に師事したり。
奈良の三輪山から箸墓古墳、飛鳥の奇石めぐりと橘寺までのコースを、意味もわからず引き寄せられるままに年3回、4回と足を運んでいたのもこの頃です。
橘寺を訪ねた夜にフシギな夢をみて、それからずっと夢日記をつけていますが、日中の人生と、夢見の人生と、自分のなかに複数の人格(?と言いきってよいものかどうかわからないですが)があり、どれも同じくらいリアルなもんだなぁと思うようになりました。
シュタイナーは人は夜眠ると、肉体からアストラル体が抜け出し、アストラル界に戻るといいます。
カルロス・カスタネダは第2の注意力が発達すると日中でも夢見世界に入れるといいます。
アストラル界、ドリームランド、変性意識、トランス状態。いいかたは色々ですが、それをどう捉えるか、どのように接していくかは人それぞれの道があり、その進路を妨害してはいけない、と思っています。
そんなことに夢中になっていた30代-40代は、自制を知らず、俯瞰することもなく、とにかく興味がわいたものにむかって全力疾走(若かったということもありましょう)。そうしてエネルギーワークに没頭したあとは、決まってからだはお腹が空いたと催促してきます。
今思うと、たくさん食べてたくさん消化できる丈夫な胃腸には感謝しかないですが、食べるという行為によって、地上生活に支障が出ないよう(地球から追い出されないよう)助けてくれたのだと思っています。
土元素界優位の地球コミュニティは、あちら側に興味を持ちすぎると、ちゃんと裾を引っ張って「お腹ぺこぺこ」と催促し、地上成分を補充してヒトの枠をはみ出さないように気遣ってくれるんだな、という信頼のようなものがいつしか芽生え、からだにしっかりとグラウンディングしたいときは、ご飯を味わって食べることで、主軸をこちら側にうつせることを実感してきました。
ただ、ご飯の種類や質によって、たとえば添加物多めのメニューだったりすると、肝臓が毒素排泄するのに大忙しになって、イライラしたり不安定になったり、怒りっぽくなったりすることもあると思います。
また「ごはんをきちんと食べる魔法」は手堅く安定感あるものの、1日に食べられる食事量には限界があります。
なので精油やハーブで代用できるのはどれだろう?と探し続けていましたが、そもそも土元素界に抱かれ育まれている植物たちにとって、土のエッセンスをコントロールするのはかなりの古株か大御所か、もしくは神懸っているものか…。
逆に土のスピリットが旺盛になりすぎパターンはよくあることで、閉塞感や息苦しさに襲われることは地球生活にもれなくついてくるような気がします。
そんな時は古株エネルギー満載の原生林散策、聖地の神木にふれたり、人気のない海岸で焚火などして(本州ではNGの海岸も多いですが)、植物が燃える炎の香りを吸い込むと、たちまち呼吸が鎮まり思考が落ちつき、からだといういれものから解放されて、のびのびできます。
また、遠出しなくとも精油さえあれば、土のみっちり隙間なく埋めたがるスピリットをゆるめて分散し、解放する香りはたくさんあると思います。
土、水、風、火の割合をちょうどよく、四大元素すべてと、まんべんなく融合し、統合するには、どの元素界にも如才なく融和して、はたらきかける緻密さが必要です。
パチュリは性質も香りも稀有なエッセンスですが、土元素を精緻に微調整する得意技をもっていると実感したのは、やはり火星期を疾走している時期にジャワ島を旅した時でした。
ただただ、唯我独尊です
ハーブにはそれぞれ、あたたかさや湿っぽさ、密度や重さなどのちがいがあり、土と水、風と炎の元素配分も、それぞれに多様化していろんな役割を分担していると感じます。
ジャワ島を旅した時に、はじめて生のパチュリを見て、あまりにも自然体過ぎるたおやかさに、おもわず膝を折りそうになりました。
水分やミネラルを探し求める毛根は、ゆったりとして余裕があり、上に伸びてゆく茎の強さ、空気に含まれる二酸化炭素や太陽光、雨水の恵みを受けとるレセプターも、鷹揚でおっとりしているんだなぁ、と。
グレートマザー・太母の深い愛情につつまれても、決してスポイルされることなく、ただただ唯我独尊です、みたいな。
その後旅の目的地であるボロブドゥール寺院に向かったのですが、お土産屋さんの並ぶ界隈でジャワ島のバティック(更紗)を見た瞬間、土地柄や文化の色彩が反映された風合いに魅了され、予定外に何枚か購入してしまいました。
生地には虫よけのためと、ジャワ島のバティックであることを明示するようにパチュリ(その他サンダルウッドや樟脳の香りも混ざっていたと思います)の香りづけがされていました。
ボロブドゥール寺院の遺跡群を散策しているあいだも、リュックに詰めたバティックは濃厚なパチュリの香りを放ち、寺院のあちこちで焚かれている香を凌ぐほど、わたしの嗅覚を占領していました。
押しが強いんだか弱いんだかわからない。
けれど出会った瞬間、2度と忘れることのできない芳香で、サッとパチュリ・ワールドに誘ってくれる。
そしてサッと活力を補給してくれる。
生命力の源、へその下、丹田あたりがぽぅっと温かくなる。
それでいて足取りは大地から数センチほど浮かび上がるような軽やかさで、世界の輪郭を滲ませて、土も水も、空気も火も、ぜんぶここにあって、ぜんぶつながって、作用しあっていることを「見せて」くれる。
ジャワ島の旅はパチュリとの絆を深めるきっかけになり、さらにパチュリ・ホスピタリティなのかどうかはわかりませんが、ふしぎ体験目白押しの珍道中となりました。サットン隊長の珍歌が生まれた瞬間でした。
☆☆☆
お読みくださりありがとうございました。
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