【ハーブ天然ものがたり】アンジェリカ
大天使ミカエルのハーブ
アンジェリカは和名セイヨウトウキ(西洋当帰 Angelica archangelica)
学名の Angelica は天使、種小名の archangelica は大天使の、という意味で、生粋の天使まみれの名をもつハーブです。
大天使とはミカエルのことを指しており、疫病が流行したとき修道僧の夢に大天使ミカエルがあらわれ、このハーブに疫病を防ぐ力がある、と伝えたのが由来です。
大天使ミカエルは、ガブリエル、ラファエルと並ぶ三大天使の一人
・神の意思を伝えるガブリエル
・病気やケガを癒し、巡礼者の庇護者であるラファエル
・大天使たちのリーダー、すべての天使たちの総司令官ミカエル
と、伝えられてきました。
ミカエルはルネサンス期に造られた彫像、絵画などでも、右手に燃える剣、左手に秤を持つ姿で描かれるようになり、武器と秤をもつ守護天使イメージが定着して、悪魔との戦いではいつも身を挺して前線に立つなど、勇猛果敢に悪と対峙する、戦う天使長シンボルとなりました。
そんな大天使ミカエルのお告げによる地上介入物語はハーブだけにとどまりません。
・708年、司教の夢にあらわれ「この岩山に聖堂を建てよ」という啓示から建造がはじまった、フランスの世界遺産モン・サン・ミッシェル。
・15世紀、13歳の少女のまえにあらわれ「イングランドの占領からフランス領を奪還せよ」と告げ、啓示のとおりフランス国王軍人となったジャンヌ・ダルク。
・1961年から1965年にわたって4人の少女たちに姿を現し、聖母マリアとともにメッセージをのこしていった近代の奇跡、スペイン・ガラバンダルの聖母。
聖書にその名が登場する大天使ミカエルはアンジェリカという力強いハーブをきざはしに、ちょいちょい現世にあらわれては人類に啓示を与える特別な天界人のようです。
1665年、ロンドンで悪疫が大流行した時、アンジェリカのハーブ水は王室処方薬に抜擢されます。
錬金術師パラケルススお気に入りハーブのひとつで、悪霊使いとの評判があったパラケルススに万能薬と言わしめたハーブでもあります。
思い出の昭和ホールケーキ
大天使ミカエルは菓子職人の守護聖人としても有名です。
アンジェリカは伝統的に砂糖漬けにして、焼菓子などの飾りつけに用いられてきたので、そのあたりで紐づけされる縁があったのかもしれません。
ホールケーキは年1回だけ、クリスマスに食べられるピカピカのごちそうだった子供時代、白いクリームにそえられる緑色の砂糖漬けアンジェリカは定番のお飾りだったように思います。
こどもの単純な味覚では少々クセのあるハーブ風味は美味しいものと認識できず、いつも脇によけては「これなあに?」と母に聞いていました。
母はたいてい「ケーキの飾りでしょ」と答えていましたが、あるとき「うーん、なんだろうねーなにかのクサだろうね」と、遠い目をしながらアンジェリカの砂糖漬けを咀嚼し、その光景を目撃してから、わたしもアンジェリカの砂糖漬けを「うーん、なんだろーねー」と言いつつほおばるようになりました。
キャンディー以外でも伝統的にジンやベルモットなどのスピリッツに入っていることが多く、香水にも使用されてきた歴史あるハーブです。
葉も茎も、根も種にも、全草に強い香りがあり、葉は酸味のある果実を煮込むときに一緒に煮るとまろやかな仕上がりになります。
新芽はサラダに、茎と根は野菜として、種子はパイやペストリーに入れて使用できます。
西洋では風邪の予防、消化不良、リウマチ、内臓の強壮剤に使用されてきた歴史があり、葉をもんで車の中においておくと車酔いを予防できるという民間伝承も。
精油は種子と根から採油でき、市販もされています。
かなりクセのある香りなので好みは明確に分かれますが、わたしのケースではバスソルトにして沐浴したとき、からだに無数の隙間ができたような感覚で、ふんわり軽くなり、これが浄化力というのなら、そのあまりの即効性に心底から「すごい精油だな」と思いました。
守護聖人と名高い大天使ミカエルのエッセンスですが、過度の使用は神経を刺激して不眠症になるので、つかいすぎ注意の精油です。
また光毒性があるので、手作り化粧水には向いていません。
日本のアンジェリカたち
Angelica属は和名にするとシシウド属の野草です。
世界に80種ほど確認されており、日本ではトウキ(当帰、Angelica acutiloba)が代表的な薬草です。
日本薬局方に「生薬トウキ」で収載されています。
漢方では、補血、強壮、鎮痛、鎮静などに処方され、当帰芍薬散、当帰建中湯、当帰湯などの漢方があります。
体液を動かすことで、浄化をスピードアップし、長い病にふせったあとの毒素排泄によいといわれています。
日本のアンジェリカはそのほかにも
シシウド Angelica pubescens
ヨロイグサ Angelica dahurica
ハマウド Angelica japonica などがあり
たくさんの天使たちが日本国土に降臨しています。
日本原産のアンジェリカといえば明日葉があります。
夕方に葉を摘んでも明日には芽を出す生命力の強さから、あしたば と呼ばれるようになりました。
別名、長寿草とも呼ばれ、伊豆エリアに群生しています。
八丈島の野生種は道ばたや海岸エリアまで、そこいらじゅうに、わっさわさと生えていました。
旅をしたのは初夏だったのでなおのこと、美味しそうな緑の葉がつらなる路地を歩きながら、伊豆エリアはフィリピンプレートだった説を思い出し、異国を歩いているような気分になりました。
八丈島の明日葉は古い書物に記録がのこされており「本草綱目(明の時代の薬学書)」には、徐福の従者が不老長寿の仙薬として見つけたのが明日葉で、別名八丈草とあります。
江戸時代の流刑地だった八丈島は水も米も少なかったようですが、流人となった関ヶ原の敗将、宇喜多秀家は、明日葉を食べて当時の平均寿命40歳前後をはるかに超え、84歳の天寿を全うしました。
大天使のからだ
1549年、日本に初めてキリスト教を伝えたことで有名なフランシスコ・ザビエルは日本国の守護聖人を大天使ミカエルと定めたといいます。
ミカエルは熾天使の位階にあり「熾」は火が盛んに燃える様子を表すことばです。
神への愛と情熱でからだが燃えている天使、四大元素のなかではいちばん天界に近い火元素でからだが構成されている存在という感じです。
神秘思想家で先進的な哲学者だったルドルフ・シュタイナーは、天使の身体について「霊的宇宙論」(春秋社)のなかで以下のように教示してくれています。
1.肉体
2.エーテル体
3.アストラル体
4.自我
5.マナス(霊我)
6.ブッディ
7.アートマ
大天使の上位存在にあるアルヒァイは人格霊・原初と表記され、彼らにとっての肉体は火の中に映し出される、とあります。
大天使にとっての肉体は、風と火の中に映し出され、天使にとっての肉体は水と風と火の中にある、と。
四大元素界でいうところの火元素界には原初存在としてのアルヒァイが映し出され、火と風元素界には大天使が降臨し、火と風と水元素界には小天使、精霊や妖精たちのきざはしがある、と(いまのところ)私は妄想理解をしている最中です。
原初であるアルヒァイの上位には太陽存在エクスシアイがいてね…、と本の内容は続いており、太陽存在の意志を実現するために、炎の中の金星霊たち、吹きすさぶ風の中の水星霊たちが協力して、はたらいているよ、と。
人間は地球という次元、土元素界から成分を受けとるほどに、深く深く降りてきたことによって、おそらく高く高く昇っていく権利を得たのではないでしょうかと、本のなかでシュタイナーは問いかけています。
☆☆☆
お読みくださりありがとうございました。
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