いいなと思った広告集#1「エアペイ(リクルート社)」
実体験を伴うので共感しやすいCM
QRコード決済やモバイルsuicaなどなど、現金以外の支払い方法が普及し、
あまり現金を持ち歩かなくなった今日この頃です。
持ち歩くとしても、現金以外で支払えるはずだという意識が強くなっていることや、現金を引き出す頻度そのものが減っているので、持ち歩く金額が減りました。
先日、散歩の帰り道に雰囲気のいい純喫茶を見つけました。テイクアウトができると店先のフライヤーに書いてあったので、カレーをテイクアウトしようと思いました。
しかし散歩の帰りだったので財布は無く、持っていたのはスマホだけ。
なのでQRコード決済やモバイルsuicaでのみ支払い可能という状況でした。
とりあえずお店に入りました。
「すみません、現金以外に可能な支払い方法はありますか?」と店員さんに「ああ~、すみません、うちは現金のみなんです。」
「そうでしたか!ちょっと現金を持ち合わせておりませんので、すみませんがまた次の機会にお願いします…!」
という感じでそそくさとその場をあとにしました。
エアペイのCMと全く同じシーンでした。
エアペイのCMって共感できるなぁと思った次第です。
「現金以外の支払い方法が無いことで機会を損失してしまうよ、(だからエアペイを導入してね。)」というのがメッセージだと思うのですが、このメッセージについて実体験を伴うので、誰もが共感しやすいのではないでしょうか。
広告/CMの基本要件を満たした教科書的なCM
そもそもCMの目的/基本要件は、いくつか考えられますよね。
<CMの目的/基本要件>
①ブランドやイメージをつくること(例:トヨタイムズ)
②商品/サービスの機能を訴求すること(例:日清完全メシ)
③商品/サービスの認知を高めること、印象と記憶に残ること(例:楽天モバイル)
などなど。
エアペイのCMはシンプルながらもこういった基本要件を満たしつつ、(上記で言うなら②と③を満たしつつ)下記のような加点までもがあると思います。
<加点ポイント>
・シンプルで何が言いたいのか分かりやすい。伝わりやすい。
・面白い。
・ウザくない。
・オダギリジョーを起用していて印象と記憶に残るし好感が持てる
(※オダギリジョーは認知度が高く、好感度が高いという独断に基づく前提ありきです。)
・「ミニマムな制作手法で、製作費が高くない(たぶん)」
そういう意味でいいCMだなぁと思います。
「面白いし、うざくないCM/広告」が理想なのでは
特に個人的には「面白いし、うざくないCM/広告」って理想だなと思います。
うざいCMとは何かと言うと・・・
・商業的であることが露骨である。押しつけがましい。
・過剰、誇張的、不自然な演出。
・意図が不明である演出。
など・・・。
その他、言語化できない「なんかうざい」もありますよね。。。
クリエイティブや演出が悪いのではなく単に流しすぎ(このCM何回も観ててウザいんだよな・・・みたいな)も原因の一つになりうるとは思います。
一方で、面白い必要性とは、
・面白いので、印象、記憶に残る。すなわちCMの基本要件を満たすことに繋がる為。
・面白いので、ブランドや商品への好印象を持ってもらいやすい為。
・面白いので、心のドアを開けてくれて、CMのメッセージを受け止めてもらいやすくなる為。
などが考えられます。
ところで、「うざい、とか面白い」ってなんとも繊細で絶妙なバランスによって成り立っている気がします。
音楽でも「はじめは聴いていてうざい曲だなと思ったけど、気づいたら何回も繰り返し聴くようになってた!」とか結構ありませんか?
あるいは料理。調味料ひとつとっても、さじ加減で変わりますよね。塩入れすぎ、とか少なすぎとか。
「うざい、とか面白い」っていう感覚はなんとも絶妙なバランスやセンスが必要ですね。。
話が逸れました。。
広告は大前提として生活者にとって喜ばしいものではないはずです。
録画したテレビ番組を見る時、CMを観ますか?
早送りをするか、CMをスキップする機能を使いますよね。
ましてや今はスマホを観ながらの視聴が多くなっているようです。
そんな中、広告がちゃんとメッセージとして届き、人の心を動かす為には「面白いし、うざくない(なんだったら好感すらもてる)」ということが基本要件となるのではないでしょうか。
という訳でエアペイのCMは「共感しやすかったり、基本要件を満たしていたり、その上面白くて好感が持てる」という総合的にいいCMだなぁと思った次第です。
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