無限広告時代にどう情報を届ければいいのか
こんにちは、トライバルメディアハウスのちろうです。
このnoteは、トライバルメディアハウスの代表である池田から同僚と一緒にマーケティングや経営や財務会計などについて学習するプログラムである、通称「池塾」の事前課題です。
今回も課題図書の内容から得られた重要な気づきをまとめていきます。
今回のテーマは「PR」です。
今回の課題図書
どの本も違った角度からPRを捉えており(『影響力の武器』は人の行動原理についての言及が主ですが)、PRの役割や機能、広告との違いがよく理解できます。
無限広告時代
「広告」は、メディアに広告費を払うことで、広告枠に、希望する時期に、希望するクリエイティブを掲出することです。
インターネットの誕生により、ウェブ上にたくさんのメディアが生まれ、同時に、無数の広告枠が生まれました。
またソーシャルメディアの浸透は個人のメディア化に拍車をかけ、「インフルエンサー」と呼ばれる方の一部は、広告枠と化しています。
今や広告だらけになりました。
今この瞬間も大半の広告が、見向きもされない、意識にすら上らせてもらえないまま、この世から姿を消しています。
「広告かそうでないか」
佐藤尚之さんが『明日のプランニング』で「情報"砂の一粒"時代」と呼んだ現代において、すべての情報を吸収することは無理で、どこかで意識的/無意識的に線引きをする必要があります。
大半の人にとって、その一つの選定基準が、「広告かそうでないか」になっているのではないでしょうか。
「広告」である時点で、内容を問う以前に、「お金で買われた情報であって、発信者に都合の良い情報である。有益な情報であるはずがない(信じたら損するのではないか)」と思い込み、スルーしている人も多いのではないかと思います。
ここで、2つの課題が持ち上がります。
「広告の情報に関心を持ってもらうにはどうすればいいか?」と「立場の異なる人に情報を発信してもらうにはどうすればいいか?」です。
広告の情報に関心を持ってもらうにはどうすればいいか?
この問いを解決する方法の一つが「空気づくり」です。
その先に商品やサービスに関する効率的な情報流通を狙って行われる「空気づくり」は、いわゆる「戦略PR」と呼ばれます。
「睡眠を深くする(といわれている成分が入っている)サプリ」がなぜ売れるかといえば、「睡眠は”時間”も大事であると同時に”深さ”も大事(となんとなく聞いたことがある)」からですよね。
上記の()の部分について全く知らない・関心がない人には、睡眠を深くするサプリは売れません。
商品やサービスにまつわる課題感や関心を多くの人にとって自分ゴト化させ、商品やサービスに興味を持ってもらいやすい・売れやすい土壌をつくると、広告による情報流通がより効率的に行われ、結果的に売上につながる可能性も高まります。
じゃあ、「空気づくり」はどうすればいいのか?
「空気を読む」という言葉があるように、「空気」というのは他者との関係の中で生まれます。
他者とは「仲間」であり「世の中」です。『影響力の武器』において、「社会的証明」「権威」という形で説明されていますが、「みんなも言ってる」「(権威のある)誰かが言ってる」によって空気が形成されます。
立場の異なる人に情報を発信してもらうにはどうすればいいか?
自分がメディアの広告枠を買って情報を流通させたところで、「広告である」というだけで情報が受け入れられない。ではどうすればいいのか。
当然ですが、「立場の異なる人に情報を流通させてもらう」しかありません。では、どうすればいいか。
それは、「立場の異なる人」にとって取り上げる価値のある情報(いわゆる「トーカビリティ」のある情報)を提供するしかありません。
例えばメディアに取り上げてほしかったら、そのメディアが記事やニュースとして取り上げる価値がある情報を提供する必要があります。
例えばソーシャルメディアでユーザーに取り上げてほしかったら、ユーザーがクチコミする価値がある情報を提供する必要があります。
そして、都合の良いときだけ擦り寄ってくる人を信じられないように、メディアもユーザーも、都合の良いときだけ擦り寄ってくる企業とその発する情報を信じません。
「パブリック・リレーションズ」の名称のとおり、常日頃からのコミュニケーションによって関係を築いていないと、都合の良いときだけ情報発信に協力してもらおうと思っても、そんなに虫の良い話はありません。
メディアやソーシャルメディアユーザーはその情報発信力が可視化されているのでわかりやすいですが、本質的には、投資家とも従業員とも政府とも業界とも顧客とも、日頃から良い関係を築く必要があります。
それこそが「パブリック・リレーションズ」です。
まとめ:無限広告時代の情報発信について
無限広告時代に情報を届けるには、
●商品やサービスにまつわる課題感や関心を「みんな(仲間、世の中)も言ってる」「(権威のある)誰かが言ってる」状態=「空気」を形成してから、広告によって商品の情報を発信する
●メディアやソーシャルメディアユーザーなど、発信者が取り上げる価値のある情報(いわゆる「トーカビリティ」のある情報)を提供する
●大前提として、メディアやソーシャルメディアユーザーだけでなく、自社に関わりのあるすべての関係者と日頃からコミュニケーションを取り、関係を構築しておく
と言えます。