アドラー心理学における「幸せの3条件」と仕事が楽しくなる方法について。
最近、決して楽なわけではないのですが、仕事が楽しいと思えるようになってきました。
どうしてそう思えるようになったのかをまとめたくて、今このnoteを書いています。
このnoteで言いたいことは目次の1と2で、それ以降はその検証になっています。
1.アドラー心理学における「幸せの3条件」
結論的には、「仕事が楽しい」と思える状態を作るには、アドラー心理学の「幸せの3条件」を満たすように行動していくと良さそうだと思っています。
アドラー心理学における「幸せの3条件」とはおよそこのような内容です。
①自己受容:自分で自分を認めている状態
②他者信頼:他者を信じられている状態
③貢献感:自分が役に立っている感覚
アドラー心理学に関して、こちらの記事の内容が非常に示唆に富んでいて、理解が深まりました。
2.具体的にどう行動するのが良いのか
具体的に①~③を仕事において実現するにはどうすれば良いのか。
結論として「専売特許=どんなに狭い分野でもいいから所属している共同体の誰よりも詳しい分野」(ただし、詳しいことで共同体運営に少しでもいいから役立つこと)を持つのが良いと思っています。
一般に「何かで一番になれ!」と言われていることですが、どうして上記で()内の条件を付けたかというと、詳しくなっても役に立てないと③が達成できないからです。
マーケティングの視点から見ると、これはUSPを探す作業と全く同じです。
市場にどんなニーズやウォンツがあり、(競合には提供できない)自分にしか提供できない便益や価値は何かを市場と対話しながら模索することと、上記の結論に書いたことはまったく同じです。
その上で、"専売特許"を作って誰かの役に立つ経験を重ねると、
・役に立っている実感が自己受容状態の維持・向上につながる
・「◯◯の人」というイメージや事前期待、専売特許により培った知見と自信により他者との関係構築がしやすくなる
という効果が期待されます。
その結果、アドラー心理学における「幸せの3条件」である、
①自己受容:自分で自分を認めている状態
②他者信頼:他者を信じられている状態
③貢献感:自分が役に立っている感覚
がより満たされることになり、仕事を通して3条件を満たすことができている=仕事が楽しいという状態に近づけるのではないかと思います。
本当にそれで上手くいくのか、もう少し考えてみます。
3."専売特許"の開発は決して「楽(らく)」ではない
僕の経験上でしかありませんが、
どんなに狭い分野でもいいから所属している共同体の誰よりも詳しい分野
(ただし、詳しいことで共同体運営に少しでもいいから役立つこと)
このような"専売特許"を開発するのは、全然、楽(らく)ではないです。
なぜなら、これもマーケティングと同じで、
・バリューやベネフィットを提供しやすい(人材価値が付きやすい)分野には人が集まりやすい
・それ以外の分野ではバリューやベネフィットが提供できる保証がない
からです。
レッドオーシャンに殴り込みに行って勝ち残るか、成長性のある分野を血眼になって探し出して投資するか、究極的にはこの2択しかありません。
論理的に考えれば、楽ができるはずがありません。
そうすると、「どこまで頑張らなければならないのか」が焦点になってきますが、「ワークライフバランス」と「幸福度」の関係について少し調べてみました。
4.「ワークライフバランス」と「幸福度」の関係について
「ワークライフバランス 幸福度」などで検索してみました。
たとえばこちらのウェブサイトに掲載されている一覧表。
「ワークライフバランス」だけを見ると豪州とか米国とそこまで変わらない…?
この結果を見る限り、「ワークライフバランスが高い=幸福度が高い」というよりは、「ワークライフバランスが高い」ことによるメリットが「住宅環境」「コミュニティ」「政治参加」「人生の満足度」などに現れることで、幸福度が高くなっている可能性が高そうですね。
また、別の論文では、
本研究の結果から得られるワーク・ライフ・バランスへの政策的示唆としては,幸福度の観点からみた「バランス」を検討することの重要性が挙げられ
る。万人にとって望ましい,唯一のワーク・ライフ・バランスが存在するわけではない。時間的な観点のみにとらわれるのではなく,生きがいや楽しみといった心理的要因を考慮に入れることで初めて,男女共同参画会議(2007)の定義にもある「自らが希望するバランス」が明らかになるといえる。
との考察があります。引用元はこちら、
これらを見る限りでは、「ワークライフバランスが取れていると幸福である」のではなく、「幸福度を高く保つにはどうしたらいいのかを知り、実際に行動に移していく」ことが大事と言えそうです。
5.まとめ
これまでの内容をまとめると、
仕事が楽しい=仕事で幸福感を得られている
ということであり、
幸福感を得るためにはアドラー心理学における「幸せの3条件」である、
①自己受容:自分で自分を認めている状態
②他者信頼:他者を信じられている状態
③貢献感:自分が役に立っている感覚
が満たされることが望ましい。
①~③の条件を仕事上で満たし続けるためには、
「専売特許=どんなに狭い分野でもいいから所属している共同体の誰よりも詳しい分野」(ただし、詳しいことで共同体運営に少しでもいいから役立つこと)を持ち、誰かの役に立つ経験を重ねることで、
・役に立っている実感が自己受容状態の維持・向上につながる
・「◯◯の人」というイメージや事前期待、専売特許により培った知見と自信により他者との関係構築がしやすくなる
という状態を実現し、自身の得意分野や裁量を広げていくことが良いのではないかと考えられます。
その上で"専売特許"開発をどの程度頑張るかについては、一律的な時間配分としての「ワークライフバランス」は幸福を保証するものではなく、幸福を感じる自発的・自覚的な行動のバランスが重要、という傾向が見られるため、「ワークライフバランスを保たなければ」という考えに縛られずに、自身がもっとも幸福を感じるように注力していくのが良いと思います。(守るべきものは守る前提で)
楽しく仕事しましょう!
あと、他者から承認されることを目的に仕事をするとモチベーションやパフォーマンスが安定しないので、(価値提供は前提として)どんな仕事にも自己満足的な側面を作っておくとよいかもしれません。
おわり。