東京03角田さん主演!話し合い系ゾンビ映画「オー•マイ•ゼット!」【ホラー映画を毎日観る人】(355日目)
「オー•マイ•ゼット!」(2016)
神本忠弘監督
◆あらすじ
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西暦201Z年、突如現れたゾンビは人々を恐怖のどん底に突き落とした。しかし政府の尽力によりわずか半年で事態は収束、その頃には人々もゾンビに対する危機感が薄れていた。5年後、栃木県露目路町にて久々にゾンビが現れる。花田家に迷い込んだそのゾンビに怯える花田、動画を撮影してバズりたい松山、売って事業を立て直したい土井、再生医療の被検体にしたい研修医の清野、そのゾンビの妻である西岡。様々な思惑で集まった人々とそれに巻き込まれた花田。彼らは偶然見つけたそのゾンビをどうするか話し合う。
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“ゾンビの脅威が収束して危機感が薄れたけどまだ少しだけゾンビがいる日本”
というのがもう完全に
“コロナウイルスへの危機感は無くなったけどもちろんまだ根絶されたわけではない現在の日本”
というのが完全にリンクしてて驚きました。
しかもこの作品が作られたのは2016年なので脚本も担当された神本監督は先見の明があり過ぎます!
神本監督は今作以外に脚本や監督として携わっている作品が2023年現在他に一本もありません。
ありそうでなかった
斬新な設定且つ会話メインのゾンビ映画
という異色作を撮るクリエイターの新しい作品が見られないというのは映画ファンの端くれとして非常に残念でなりません。
ゾンビという存在が完全に日常に溶け込んでいる
というのが非常に好みでした。
そもそもゾンビが現れた理由も様々あり
•琵琶湖に落ちた隕石の影響
•新種のウイルス
•アメリカが兵士として作った
•テロ組織の自爆要員
•春日ミートの汚染肉のトンカツを食べたから
等などいろんな説があったという思い出話をしたり
•現在でもゾンビはペットとして一部で人気があり、一時は中国人が魔除けとして爆買いしていた
•ゾンビになってからの年数が長いほうが市場価値が高く、有名人や著名人のゾンビはプレミアが付く
•人々がゾンビを恐れなくなってからはサバゲーの的にしたり、ヤンキーが遊びでゾンビ狩りをしていた
•ゾンビの近親者が手を下せない場合、ゾンビを処分する権利は民間人にも平等に存在する
等などオリジナルの設定が自然に会話の中で出てくるのも良かったです。
様々な思惑で集まった人々がなぜゾンビが欲しいのかを建て前として語るパートはそれぞれの人間性やキャラが分かるので、中盤の会話シーンはワンシチュエーションも活きて非常に面白かったです。
しかしそれぞれが本性を現す終盤はあまりにも唐突過ぎて、特に西岡と清野の本性を表す流れはフリが少し雑だなと思いました。西岡がただの情緒不安定、清野もただの犯罪者予備軍に見えてしまい、中盤までのそれぞれのキャラと乖離しているように感じました。
土井の真の目的が明かされるくだりは中盤から上手いこと伏線が散りばめられておりとても良かったです。初登場の際の急に出てきた人感も納得させられます。
多少粗削りな部分もありましたが非常にエネルギッシュでコメディとしても楽しめる一作でした。