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とにかく見て欲しい!珠玉のB級ゾンビ映画「処刑山 ナチゾンビvsソビエトゾンビ」【ホラー映画を毎日観る人】(344日目)
「処刑山 ナチゾンビvsソビエトゾンビ」(2014)
トミー・ウィルコラ監督
◆あらすじ
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ノルウェーの雪山へ友人たちと遊びに来ていたマーティンはそこで兵士姿のナチゾンビに襲われる。友人も恋人のハンナも殺され、マーティン自身も右腕を失うが命からがら車で逃走に成功。その際、ナチゾンビの指揮官ヘルツォークの右腕も車に載せたままだった。病院に担ぎ込まれたマーティンは医師の勘違いでヘルツォークの腕を移植され強靭な力を手に入れる。任務遂行のために数を増やし進行を続けるナチゾンビ軍。マーティンはゾンビスクワッドと合流し、ヘルツォークに恨みを持つソビエト軍のゾンビを味方にする。タルヴィックの長閑な村でナチゾンビとソビエトゾンビの壮絶な戦いが繰り広げられる。
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激ハマリしました!
今すぐ見てほしいです!
めちゃくちゃバカなタイトルに騙されないでください!
私が今まで見てきた500作以上のホラー映画の中でもトップクラスに面白かったです!
同監督の「処刑山-デッド・スノウ-」(2007)という作品の続編ではありますが、冒頭に前回のあらすじがあるので未視聴でも全然大丈夫でした。
ちなみに現在、アマゾンプライムやDMMTVで配信中です。
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これを見てテンションが上がらない人はいません
この作品は兎にも角にも脚本が素晴らしいです!
一切の無駄や予定調和が無く、その中に適度な笑い所や遊び心満載のブラックな演出が入っており何度も笑ってしまいました。
•車椅子の老婆を置き去りにして逃げる
•マーティンが瀕死の少年を救うため心臓マッサージを施したら力が強すぎて内臓を潰して殺してしまう
•窮地に立たされた仲間(オネエ)が何か大切な事をカミングアウトしようとしたタイミングで殺される
等ともすれば緊張感が損なわれるおそれがあるようなブラックなボケを随所に散りばめてきますがそれがひとつも外していません。
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登場人物の描き方が非常に上手いのでキャラクターの行動に嘘がないんです。
だから無理なくボケられるし
生き生きしてるんだと思います。
例えば
ゾンビスクワッドは実はさえないオタク三人組の自警団だったんですけど、しこたまゾンビ映画を見ているからか対処法を熟知しています。
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なのでゾンビを沼地に誘い込んで足止めして手製の爆弾で一気に仕留める、ナチゾンビに対抗するためにソビエトゾンビを味方にしようと提案するなど随所で活躍します。
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一番右は戦いに巻き込まれたオネエのグレン
オタクだから
“ゾンビに造詣が深い”、“戦い方も熟知している”
という部分に違和感はないし
“一度でいいから日の目を浴びてみたい”
という願望の下に行動を取るのも自然です。
こういった感じで
登場人物(ゾンビも)が各々目的を持つ意思のある人間として存在しているのが素晴らしいです。
いわゆるB級映画だったり最近の邦画ってどうしても予定調和でストーリーを進めるために登場人物を動かしているのが分かってしまいあまり楽しめないです。
なので今作のような登場人物ありきの作品って非常に稀有なため見つけられて非常に嬉しいです。
作中に登場するナチゾンビは呪われたゾンビなのでいわゆるテンプレのゾンビとは一線を画します。
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めちゃくちゃかっこいいです。
“奪われたものを取り返すため”や“任務遂行のため”に人間を殺すことはあっても捕食のために襲うことはありません。
普通に喋りますし、知能も人間とほとんど遜色ありません。生前の記憶のままに任務遂行に尽力します。
また噛まれた人間がゾンビになることもないです。
さらに指揮官のヘルツォークは死体に触れることで忠実な部下にすることができます。この一般人ゾンビはどちらかと言うとテンプレのゾンビに近い感じがします。
そして
グロゴア描写のクオリティも非常に高かったです。
低予算の雰囲気はありますが、発想と工夫次第でこんなにも面白くできるんだ!金を掛けりゃいいってもんじゃない!と思い知らされます。
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引きずりだした腸をポンプ代わりにしてバスからガソリンを戦車に移す
ゾンビから引きずりだした腸を電線に引っ掛けて感電させる
ボロ雑巾のようにこき使われる仲間のゾンビ
等など腸関連のネタが少し多めですがどれも面白いです。
クライマックスの決戦も非常に胸熱でした。
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青空の下、無人の村で戦うので映像としてまず見やすいし、途中でナチ側の野戦病院シーンでしっかりふざけてくるので飽きがきません。
ヘルツォークとソビエト軍のスタヴァリンの因縁の対決も見応えがあるし、その後のマーティンとのタイマンはMARVELのラストバトルくらい盛り上がります。
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いつもより長く書いてしまい大変恐縮ではありますがとにかく面白いので是非見ていただきたいです。