こんなところに偶然鉄パイプが【ホラー映画を毎日観る人】(284日目) 「貞子3D」
「貞子3D」(2012)
英勉監督
◆あらすじ
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高校教師の鮎川茜が受け持つクラスではニコニコ動画で生配信されたある男の自殺動画が話題になっていた。リアルタイムでその配信を見ていた視聴者も謎の死を遂げたといういわくつきの動画。ある日それを見た教え子である典子が自宅から飛び降りて死亡する。警察は当初自殺と断定するも、時を同じくして各地でその動画を見た人々が死亡したことが明らかになる。
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これまでの「リング」シリーズの中田秀夫氏、鶴田法男氏ではなく、英勉氏が監督を務めています。脚本も高橋洋氏ではなく英氏と藤岡美暢氏の共同脚本となっているため大分テイストというか雰囲気がそれまでの4作とは異なります。
3Dで飛び出す貞子や霊は劇場で見ればかなりのインパクトだったと思いますが、配信など家庭で視聴する場合はどうしても2Dになるためその辺りが楽しめないのは残念でした。是非とも当時リアルタイムで劇場で見たかったです。
本編は鈴木光司先生書き下ろし「エス」を原作としているようですが映画オリジナルの物語に再構築しているようです。それまでの四作を未視聴だったとしても大丈夫というか、一応前作の「リング0 バースデイ」でリングシリーズ完結となっているため、気にせず今作から見るのも全然ありだと思います。
スマホやパソコンだけでなく、街頭の大型ビジョンやトラックの巨大スクリーンからも霊が飛び出す展開が非常に面白く、またその時代を象徴するかのようにニコニコ動画を題材にしているのも上手いなと思いました。ちなみに霊はクリーチャー感が強めで井戸から大量にわらわら出てくるシーンではカマドウマみたいでした。
これまでのシリアス路線から恋愛やアクション要素を取り入れた作風に大きく舵を切っており、リングシリーズを知らないライトユーザーでも見やすい内容となっています。終盤のアクションシーンでは主演の石原さとみさんが鉄パイプ片手に大量の霊を相手に奮闘します。階段から引きずり下ろされるも偶然その中腹に鉄パイプがありそれで霊を倒したりするなど運も味方します。