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本日より2週間限定上映の神オムニバス!今すぐ下北沢に行こう!「NN4444」現在上映中【ホラー映画を毎日観るナレーター】(434日目)
「NN4444」(2024)
中川奈月監督
佐久間啓輔監督
宮原拓也監督
岩崎裕介監督
◆あらすじ
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映画レーベル「NOTHING NEW」製作第一弾となる、新進気鋭の4人の監督と注目の俳優がそれぞれタッグを組み、現代社会における不条理をそれぞれの視点で描くホラーショートフィルム。
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公式サイト↓
本日2024年2月16日(金)より下北沢のシモキタ-エキマエ-シネマ『K2』にて2週間限定で上映されるホラーショートオムニバスです。
奇跡的に初日のアフタートーク付きのチケットが取れたのでさっそく行って参りました。すでに19日(月)までは満席だそうですがそれ以降はまだお席あるみたいです。
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•「犬」
中川奈月監督
第49回ボストンSF映画祭 Short Film部門 入選
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◆抑圧的な恋人と婚約したばかりの主人公・楓が、夜道で突然「犬」のように女に吠えられ、その女のことを忘れられなくなってしまう(公式より引用)
余計な説明描写を省いた見やすい作りになっており、個人的に一番好きでした。冒頭からずっと虐げられていた楓が終盤、夢の中で犬たちと楽しそうにしていたシーンはその後の落差のある展開込みで素晴らしかったです。指輪の描写は「私には最初からこう見えていた」という“ようやく楓が開放されたこと”を表していると思いましたが(皆目見当違いだったらすいません)、ここもすごく印象的でした。
アフタートークで中川監督が「いきなり人がワンって言ったら怖いなというところから作り始めた」と仰っていて衝撃的でした。
•「Rat Tat Tat」
佐久間啓輔監督
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◆とあるパーティに出かけた一組の夫婦が、大勢の人々で賑わう会場で得体の知れない狂気に包まれていく(公式より引用)
悪夢とはまさにこのこと!という作品で、得体の知れない同調圧力の不気味さと恐怖が絶妙でした。めちゃくちゃ気持ち悪くてすごく面白かったです。ドロドロの子供が手の中で溶けた時の主人公の絶望的な表情と夫の怒りと失望の混じった表情は忘れられません。
アフタートークで佐久間監督がこの作品の着想を得た時の話が非常に興味深かったです。
「洗浄」
宮原拓也監督
第46回クレルモン=フェラン国際短編映画祭の国際コンペティション部門選出
第49回ボストンSF映画祭 Short Film部門 入選
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◆湖のほとりで飲み会を楽しむ若者たち。1人が溺れかけたことをきっかけに、全員が水の呪いに飲み込まれていく。(公式より引用)
終始薄暗く、「水」がテーマとなっているため「仄暗い水の底から」のようなジャパニーズホラーかなと思いましたが、最後まで見ると一筋縄ではいかない異質な世界観を持った骨太な作品であることが分かります。怖さ的にはこの作品が一番だと思います。
主演の夏子さんの存在感、目力、そしてセリフの一つ一つがとにかく圧倒的でした。
「VOID」
岩崎裕介監督
第53回ロッテルダム国際映画祭Tiger Competition部門選出
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◆不慮の事故で友人を亡くした高校生・麻木。その周りで少しおかしな現象が起こりはじめて–––。(公式より引用)
「一番怖いのは人間ではなく摂理」、「女子高生は脊髄で会話する」等などアフタートークでの岩崎監督のお話がどれも非常に強烈で、監督ご自身のその考えや世界観が思いっきり投影された作品だと思います。「怖いとは、不条理とは何だろう」を考えさせられました。
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アフタートークでは他にも“どういった経緯でこの作品を作ったのか”や“どのようにして主演女優さんを決めたのか”など興味深いお話をたくさん聞くことができてとても良かったです。
☆この度ホームページを開設しました!
もしよかったら覗いてやってください。
渋谷裕輝 公式HP↓