哀川翔さん芸能活動30周年記念作品「Zアイランド」【ホラー映画を毎日観る人】(347日目)
「Zアイランド」(2015)
品川祐監督
◆あらすじ
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敵対する竹下組との抗争に敗れた宗形組組長の宗形は破門され組も解散する羽目に陥る。10年後、服役していた弟分の武史が出所したため迎えに行くが武史の娘の日向は前科者の父親になんて会いたくないと家出をしてしまう。武史の元妻の桜から情報を聞き出し、日向の家出先である銭荷島へと向かう宗形一行。
一方、竹下組の反町たちは組のクスリを持ち逃げして独自の調合を施して売り捌いている吉田を捕まえるために潜伏先である銭荷島に向かう。
その頃、銭荷島では咳や高熱の症状を訴える島民が続出。吉田は症状を抑えるためにクスリを打ったところ発作を起こして死亡する。しかしその直後に目を覚ました吉田は周囲の人間を突如襲い、、襲われた人間もまた凶暴化し人々を襲い始める。
日向を迎えに行く宗形組、吉田を捕まえようとしている竹下組、そしてZ化した人々。パニック状態のこの島で三つ巴の抗争が繰り広げられる。
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品川庄司の品川さんが監督、脚本を務めた
哀川翔さんの芸能活動30周年記念作品
となっております。
哀川翔さんを筆頭に小沢仁志さん、中野英雄さん、鶴見辰吾さん、鈴木砂羽さん、窪塚洋介さん、風間俊介さんなど
トップクラスの俳優陣
木村祐一さん、宮川大輔さん、千鳥の大悟さん、野性爆弾のくっきーさんなど
俳優としても超一流の芸人さん
ラッパーの般若さん、湘南乃風のRED RICEさん、シシド・カフカさんなど
歌やラップなど他ジャンルで御活躍中の方々
これだけ超豪華なキャストを揃えているんだからそりゃ面白いです。
そして
派手なスタントやカーチェイスに大立ち回り、大量のゾンビエキストラetc…
一体どれだけの予算をかけたのかを考えずにはいられないくらいお金がかかっていそうな作品でした。
ヤクザ✖家族愛✖ゾンビ
という非常に好みの設定で、登場人物も個性的で好きな芸人さんや俳優さんがたくさん出演しているので楽しめました。
脚本はどの年齢層の方が見ても楽しめるように
ゾンビ、ヤクザ、銃撃戦、派手なアクションと定番のエンタメを抑えつつ、家族や兄弟分の熱い絆で涙を誘う場面もありとても見やすかったです。
ただ少しだけ気になったのが
•大勢のチンピラを瞬殺できるくらい強い女子高生
•すぐに銃を向けてくる無気力チンピラ警官
•元カノに未練たらたらのスケベな医者
等など
登場人物数名が二次元っぽいというか漫画やアニメを実写化したような作られ方をしているなと感じました。
“かわいい女子高生二人組が制服姿でスカートをはためかせながら悪漢をバッタバッタとなぎ倒す”
というシーンを撮りたいからこういうキャラクターにしたのかなと思ってしまいました。
実際、このシーンがけっこう長いけどそこまで重要な感じもしなかったので気になりました。
チンピラ警官が女子高生をかばってZに噛まれた際、
「じゃあよ、ちょっと死んじゃうし」
と言ってZを引き付けるだけ引き付けて自害するシーンも窪塚洋介さんが演じられているのでかっこいいシーンとして成立しますが
これが低予算の映画で無名の役者が同じセリフを言ったらかなりイタいというか共感性羞恥心を抱いてしまいそうです。
風間俊介さん演じるスケベな医者は
Z化した元カノ二人に襲いかかられた際、
「やっぱ元カノは撃てねぇわ、おかえり」
と言って銃を持っていたにも関わらず、自ら噛まれに行くのもやっぱりちょっと恥ずかしかったです。
Zの設定は非常にしっかりしており
•音に反応する
•頭部の破壊や首を切り落とさない限り襲ってくる
•人間を襲い、襲われた人間もゾンビ化する
などの定番の設定は残しつつ
吉田のクスリを使用していた人間はクスリとウイルスのハイブリッド種となって身体能力がより強化されたZになる
というオリジナル要素により、一般的なゾンビと差別化を図っていてとても良かったです。