全てはここから始まった!回を重ねるごとに華が無くなる愛されB級モンスター映画第4弾「トレマーズ4」【ホラー映画を毎日観るナレーター】(654日目)
「トレマーズ4」(2004)
S•S•ウィルソン監督
◆あらすじ
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1889年のネバダ州。銀鉱山の町リジェクションに謎の怪物が出現し、作業員が殺害されてしまう。この事件をきっかけに鉱山が閉鎖され、住民たちは町を去っていく。そんな中、鉱山のオーナーであるハイラムがフィラデルフィアから訪れる。鉱山の閉鎖を初めて聞かされたハイラムは、作業員フアンから事件について説明を受け、怪物の退治を決意。早速現場に向かうが、野営していたところを地底怪物グラボイズに襲われる。(thecinema.jpより引用)
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『田舎町の銀鉱山に謎の怪物が出現。鉱山のオーナー•ハイラムは町の人々や凄腕ガンマンと協力し、怪物退治に乗り出す』という内容で、私の大好きなB級モンスターパニック映画「トレマーズ」シリーズの4作目にして、1作目のおよそ100年前の出来事を描いており、いわゆる前日譚という立ち位置の西部劇調に仕上がっています。
1~3作目はこちらから↓
1作目
2作目
3作目
回を重ねる事に規模が縮小していき、3作目からはオリジナルビデオやDVDのみでひっそりと発表されておりますが、未だに根強いファンが多く、2020年には第7弾として「トレマーズ 地獄島」がリリースされています。
3作目以降の全作で主演を務めているバート•ガンマー役(今作ではバートの御先祖•ハイラム役)のマイケル・グロス氏は今後について、ユニバーサル・ピクチャーズ・ホームエンターテインメントが今シリーズの製作に対して意欲を失っているかも知れないという前置きをしながらも
とコメントを残しており、更には自身のFacebookにて
という風に、ちょいとばかり生々しい話をしておりますが、つまりは「続編見たけりゃ金を落とせ」ということです。私はいつまでも続いて欲しいですし、5作目からはいよいよレンタルショップでも見当たらないので購入を検討しております。
ちなみに監督•製作総指揮を務めたS•S•ウィルソン氏は「トレマーズ2」(’96)では監督を務めており、1〜3作目までは脚本も担当されています。記念すべき1作目で監督を務めたロン•アンダーウッド氏も原作•キャラクター創造でクレジットされています。
現在U-NEXTでのみ配信中です。私は例によって浜田山のTSUTAYAを利用させていただきました。
◇西部開拓期の1889年、ネバダ州の田舎町リジェクションの銀鉱山に突如として謎の怪物が現れる。多くの作業員が命を奪われ、次々に鉱山は閉鎖。そして住民たちは町を去ってしまう。鉱山の所有者であるハイラム•ガンマーは作業員たちとともに調査に乗り出すもグラボイドの幼体に襲われ、命からがら逃げ出すのが精一杯。凄腕ガンマン“黒手のケリー”を雇い、再度退治に乗り出すも、巨大な成体となったグラボイドには歯が立たなかった…
という風に展開していきます。
1.3作目で舞台となった田舎町パーフェクションのおよそ100年前が舞台となっておりまして、主人公のハイラム•ガンマーはその名前と顔から分かる通り、シリーズ屈指の人気キャラであるガンマニアのちょび髭バツイチおじさん“バート•ガンマー”のご先祖様です。その他にも中国移民のチャン一家が商店を営んでおり、1.3作目に登場するチャンの店はこの頃からあったのかとファンを喜ばせてくれる要素がちらほらあります。
1~3作目で大体のことをやりつくしたからなのか、舞台を100年前にすることで前日譚という体にしたり、がっつり西部劇調にしたりと趣向を凝らしています。個人的には「バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3」(’90)のような西部開拓期を舞台とした作品が結構好きなのでハマりました。その時代の銃とか駅馬車とか電信機等が登場するとやっぱりテンション上がりますね。
なんですけども全体通して少々テンポが悪く、展開が遅かったです。100分ほどの尺ですがそれ以上に長く感じてしまったのが残念でした。
見どころでもあるグラボイドはこれまでにも登場している成体以外に、“幼体”という新フォームも登場しますが、結局は小さめの成体でしかないのでそこまで目新しさはありませんでした。
2.3目のようにがっつり新フォームの登場を期待してしまっていたので肩透かしを食らってしまいましたし、これまでの作品に比べると登場回数が少なくて物足りなかったです。ビジュアル的には一部CGは使用しているものの、大部分を人形で撮影しているため、その迫力は流石のクオリティで素晴らしかったです。
あと、重箱の隅をつつくようで大変恐縮なんですけども、この時すでにグラボイドの存在が知られていたのであれば、それについての被害例や対処法は絶対に受け継がれているはずなので、1作目で町の人々が「何だあれは!」とあたふたするのは少々矛盾しているように感じました。一応、本編のラストで「グラボイドの存在が他の町にも届くと、誰もこの町に寄り付かなくなってしまうから内緒にしておこう」みたいなやり取りはあるんですけど、町の人々の間では伝説として受け継がれていくと思うんですけどどうなんでしょう。
中盤でせっかく雇った黒手のケリーがグラボイドに丸呑みされたことで戦意喪失したハイラムは町の人々を見捨て、一度は敵前逃亡してしまいます。元々ハイラムは自身が都会の出で育ちも良いことからリジェクションに住む人々をバカにするような態度を取っており、町の人々も世間知らずで見掛け倒しのハイラムを嫌っていました。しかし、根は優しいハイラムはみんなを見捨てることは出来ず、ありったけの武器を掻き集めてもう一度リジェクションに戻り、町の人々と一緒にグラボイドを迎え撃つ。
というクライマックスまでの流れは『弱い主人公が勇気を振り絞って仲間を助けに行く』というテンプレもテンプレですが、この展開が嫌いな日本人はいないんじゃないでしょうか。私はこの展開を何回も見ていますがそれでも大好きです。ハイラムが『武器を掻き集めてみんなに配る』というのもガンマーのルーツっぽくて良いですよね。
リゼクションで繰り広げられるグラボイドとの戦闘シーンは非常に見応えがあり、クライマックスに相応しい銃撃戦や爆発があってめちゃくちゃ面白かったです。最後の最後に町の名前をリジェクション(拒絶)からパーフェクション(完璧)に改名するというのも「トレマーズ」シリーズっぽくて好きでした。
一つ気になったのが、やはり回を重ねる毎に予算が減っているからなのか、どんどんキャストに華が無くなっているように感じました。
主人公がちょび髭オヤジなのは全然良いんですけど、ヒロインらしいヒロインもおらず、お色気キャラはおろか若い女性キャストすらいないのは流石に画的に地味過ぎます。ハイラムと良い仲になる宿屋の女主人もそこそこおばちゃんですし、なんかもうちょっとキャストの年齢のバランスとかを整えるのもありなんじゃないでしょうか。
これまでの3作と比べると少々地味でしたが、グラボイドやパーフェクション、そしてバート•ガンマーのルーツに迫る重要な作品ですのでもしよかったらご覧になってください。お金落とさないと続編できないようなので笑
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もしよかったら覗いてやってください。
渋谷裕輝 公式HP↓