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リノベデザイナーになりたい人へ(#1.どんな仕事?)

リノベデザイナーになりたい人へ

noteやInstagramを見て私を知ってくれた方から、リノベデザイナーという仕事についての質問をもらう機会が増えてきました。
今後数回に分けて、リノベデザイナーという職業に興味がある方に向けての記事を公開していきます。
せっかくならば赤裸々に話がしたいので、一部有料noteにて公開していく予定です。

  1. リノベデザイナーとはどんな仕事なのか

  2. 必須スキル

  3. 未経験からの近道

  4. 必要な道具や資格などの具体的な準備情報

  5. 報酬や受注方法

  6. 多様な働き方の可能性

リノベデザイナーとはどんな仕事なのか

まず初回の今回は、「1.リノベデザイナーとはどんな仕事なのか」についてを改めてまとめていきます。


「リノベ」について

リノベデザイナーという肩書は今から10年ほど前、2014年頃に私が勝手に名付けたもので、当時はリノベーションという言葉もまだあまり浸透していなく、リノベよりリフォームという言葉の方がよく使われていました。

ここ10年でリノベ会社が激増して、今では町の工務店やリフォーム屋さんも「リノベ」という言葉を使った看板やのぼり旗を掲げるようになりました。
不動産屋でもリノベーション済みの物件を看板商品のように売り出すようになったし、というか不動産屋がリノベ工事も請け負うようになりました。
リノベという言葉もすっかり世間に浸透したな~と感じています。

今ではリフォームとリノベの違いが曖昧になってきていますが、リフォームは原状回復工事、リノベは作り変える工事、という認識の違いで使い分けがされています。

リノベデザイナーという肩書

リノベデザイナーと名乗って約10年。同じ肩書の人に直接お会いしたことはまだありません。私は建築士でもインテリアコーディネーターでもなくリノベデザイナーです。何が違うのかを説明してみます。

リノベデザイナーは、リノベ工事を行うためのプランを考えて図面を作成し、内装デザインに関わる仕様を決めたり装飾をしたりする仕事です。つまり設計士でもありインテリアコーディネーターでもあるということです。
建築士は建築士資格を持っていないと名乗ることができません。設計士は資格の名前ではなく設計に携わる人を指す言葉です。

設計もするし内装デザインもする仕事という意味でリノベデザイナーと名乗っています。コーディネーターさんとかアドバイザーさんと呼ばれると個人的にしっくりこないので、自分からリノベデザイナーですと挨拶するようにしています。

何をする仕事なの?

では具体的に何をする仕事なのかについてですが、私が2021年に書いた記事を引用しつつ説明します。
リノベーションと言っても、店舗、オフィス、戸建て、マンションなど建物用途によって様々です。私はどれも一応携わった経験がありますが、主軸はマンションリノベです。(マンションリノベ専門と言ってもいいぐらい)

中古マンションをリノベーションする際の、設計・内装デザイン担当が私の役割で、現在はその仕事をフリーランスでやっています。

私は設計担当ですが、その他には施工管理担当の現場監督、工事担当の大工さんをはじめ各種職人さんたち、キッチンやお風呂などの住設メーカーさんたち、などがチームになってリノベをします。

マンションリノベの仕事は2種類あって、

A:リノベしたいお客様と打合せをして、お客様の家をリノベをする仕事

B:リノベ済マンションとして売り出すために、リノベをする仕事

この2つに分かれると思います。

Aパターンは、リノベ会社(工務店)と契約したお客様の家をリノベする仕事なので、設計担当としての目標は「お客様の理想を叶えること」です。

Bパターンは、リノベ会社や不動産屋が所有している中古マンションを、リノベをして魅力的にする仕事なので、設計担当としての目標は「売れるマンションをつくること」です。いわゆる買取再販用リノベです。


Aパターン(お客様宅リノベ)
Aパターンの仕事の流れをざっとまとめるとこんな感じです。

  1. お客様(施主)からリノベ設計の依頼を頂く

  2. 現地調査、略して現調を行い、既存図面(現況図とも言う)を作成する

  3. お客様の要望をヒアリングする ※2と3は前後する

  4. リノベプランを提案する

  5. 打合せ、図面作成、見積依頼を同時に進める

  6. リノベプラン確定

  7. リノベ工事着工、現場確認を行う

  8. リノベ工事完了、竣工検査を行う

  9. お引渡し


Bパターン(買取再販用リノベ)
Bパターンの仕事の中でも色々と違いはありますが、具体的な仕事の流れとしてはこんな感じです。

  1. リノベ会社や不動産屋からリノベ設計の依頼を頂く

  2. 現地調査、略して現調を行い、既存図面(現況図とも言う)を作成する

  3. 設計、デザインする

  4. 見積もりを依頼して予算を確定し、依頼主へプレゼンし工事の承認を得る

  5. リノベ工事着工、現場確認を行う

  6. リノベ工事完了、竣工検査を行う

  7. 家具や雑貨の装飾をすることも


AとBどちらも、任務としては「リノベーション工事ができるように、設計デザインをして、必要な資料(図面など)を作成すること」です。

より具体的にすると、

  • リノベがしたい人(施主)の要望を引き出して、

  • どのような間取り・内装・設備にするかを提案し、

  • 希望の間取り・内装・設備にするために必要な仕様を決めて、

  • リノベ工事をするための図面や仕様書などの資料を作成し、

  • その資料を元に工事担当者とすり合わせを行い、

  • 工事中や工事完了時に計画通りかどうかの確認をする。

BtoBとBtoC、依頼主は違えど、これがリノベデザイナーの仕事内容です。

あくまで私の経験上というか個人の考えなので、私の言っていることが正しいと言いたいわけではありません。ただもし私が協会を立ち上げるなら上記のように説明します。

調べてみたら○○協会と名乗ったその日から任意団体となるとのことなので名乗っておこう。リノベデザイナー協会の柴田里奈です。2024年4月4日設立。

会社員かフリーランスか

手に職とよくいいますが、リノベデザイナーも手に職の専門職と言えると思います。ただ圧倒的にフリーランスは少なくて、リノベ会社などの会社員勤めをされている方がほとんどだと思います。そもそも会社員の方はリノベデザイナーというより設計の○○ですと名乗るのが一般的かと思います。

なぜフリーになりにくいのか、それは簡単な話、集客の問題です。
買取再販リノベなどのBtoB企業案件が安定して受注できればフリーとして独立しても問題ないと思いますが、そうでなければお客様宅リノベの受注をいかにしてとっていくかが鍵になります。そもそもどのリノベ会社も集客に必死なので、ライバルが企業となれば当然難しいはずです。
または、そのリノベ会社から業務委託いわゆる外注として設計依頼を請けるという手もあります。それも簡単ではなくもちろん安定はしません。

簡単ではないですが、可能です。
実際に私はフリーで働けています。
この話は今後、
5. 報酬や受注方法
6. 多様な働き方の可能性

の回でも触れようと思っています。

次回は「2.必須スキル」について書きます。
実際のリノベ案件の図面や作成した資料などを公開予定です。
この程度できればいいんだな、と目安にしてもらえるといいな思います。


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