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それもあなただ(小説まとめ)

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自作の小説をまとめたマガジンです。
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#掌編小説

アイロニーさん(小説)

 怪文書、というと、少し大袈裟になるのかもしれません。  それでも正直、初めて見たときは…

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柴田彼女
11日前
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宙に文字をひらう(小説)

 母は小説家だった。  高校時代に執筆を始め、大学時代に目立つ賞をいくつか取り、流れのま…

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柴田彼女
1か月前
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おいしい隣人(小説)

 その、本当に言い出しにくいんだけどさ、最近極端に痩せてきている気がするんだけど……だい…

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柴田彼女
3か月前
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みんな私の邪魔をしている(小説)

 周りの人たちは因習だとか時代遅れだとか犯罪だとかいろいろ言っていたけれど、私は別にそれ…

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柴田彼女
4か月前
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せっしゃかわん(小説)

 わたしの田舎って、もう、ほんとうに、本物の田舎で。レンタルビデオ屋もないし、ゲームセン…

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柴田彼女
10か月前

カーテン

 真白な室内へ陽光が真っ直ぐに差し込んでいる。看護師が濡れタオルで俺の顔を拭う。夏の熱気…

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柴田彼女
3年前

清潔な素肌

 汗をかいたあとの麻衣子は甘ったるい匂いがする。  若い女特有の、花のような、ミルクのような、そのうえでどこか粉っぽく、円く芳しい香りが誰よりも強く放たれるのだ。  半袖の運動着を脱ぎ、キャミソール姿になった麻衣子がフェイスタオルで谷間の汗を拭う。背が低く、痩せぎすの身体についた麻衣子の小さな胸は、このクラスで一番幼い雰囲気を漂わせている。きっと麻衣子の薄い肌にはこの水色のレースのブラジャーよりも、コットンのスポーツブラのほうが似合うはずだ。 「雨の日の体育って蒸すからマジ苦

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ラプラスのいうとおり

 朝テレビのスイッチを入れると、ニュースキャスターが「おはようございます。世界の終わりま…

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柴田彼女
3年前
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終末にて: 周目

 一時期若者のあいだで流行り、しかしとっくの昔に廃ってしまった音声配信ツールの新着リスト…

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柴田彼女
3年前