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それもあなただ(小説まとめ)

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自作の小説をまとめたマガジンです。
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記事一覧

アイロニーさん(小説)

 怪文書、というと、少し大袈裟になるのかもしれません。  それでも正直、初めて見たときは…

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柴田彼女
11日前
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宙に文字をひらう(小説)

 母は小説家だった。  高校時代に執筆を始め、大学時代に目立つ賞をいくつか取り、流れのま…

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柴田彼女
1か月前
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なんか生きてたってみんな言うんです(小説)

 その夜は妙に客入りが悪かった。  隣町で祭りがあるからそれなりの売り上げを見込んでわざ…

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柴田彼女
3か月前
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おいしい隣人(小説)

 その、本当に言い出しにくいんだけどさ、最近極端に痩せてきている気がするんだけど……だい…

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柴田彼女
3か月前
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完璧な恋人(小説)

小説  マッチングアプリで知り合った、と他人に告げることに、なんとなく抵抗があるのは私が…

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柴田彼女
4か月前
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みんな私の邪魔をしている(小説)

 周りの人たちは因習だとか時代遅れだとか犯罪だとかいろいろ言っていたけれど、私は別にそれ…

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柴田彼女
4か月前
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そしてまた一年後(小説)

 暗闇の中もがいている。  頭の先を引っ張られるような、掴まれるような感覚があって、次の瞬間、僕は光の中に突き落とされた。 「おめでとうございます! 元気な男の子ですよ!」  水色の服を着た女が言い、僕がいま通ってきた道が一人の女の体内だったことが判明する。  僕は産まれた。産んだ女の胸に抱かれる。温かい。  ああ、そうか。あと、二十一年か。  ただそう思う。  *  思い出は常に重なる。どれだけ抵抗しようとしても。  二歳の夏に階段から落ちて頭を縫ったこと。  幼稚園の

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魔法少女は卒業できない(小説)

 チッチは、 「ああ、君こそ魔法少女に相応しい。その秘められた力で、世界を救うんだ」  私…

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柴田彼女
4か月前
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悲しくておめでとう(小説)

 まだ上手に一人で歩けなかったころ、膝をすりむいて泣いてしまったある日の夜、父は家族三人…

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柴田彼女
6か月前
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偽物の朱夏(小説)

 教室の隅で、ずれた眼鏡を直しながら一人きりで人間関係に重きを置くライトノベルを読んでい…

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柴田彼女
6か月前
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そこにあるもの(小説)

 カロリーメイト、インゼリー、エナジードリンク、時々、カップ麺。  昼時の綿野くんの食事…

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柴田彼女
6か月前
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指が立つ、火が灯る(小説)

 小指を立てる。小さな火が灯る。ほんの一秒か、それ以下か。  私に使える魔法は、たったそ…

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柴田彼女
6か月前
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しおりちゃんの家(小説)

 しおりちゃんの家はなんだか少しおかしい気がする。お母さんがいつも笑っている。突然遊びに…

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柴田彼女
6か月前
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ここから真っ直ぐに切り取ってください(小説)

 母はそれを「パズル」と称していた。  父と、母と、私と、祖母と。四人で暮らす私たちは、単純に、不仲だった。とりわけ母は祖母を憎んでいて、事あるごとに、 「早くおばあちゃんがいなくなって、三人で暮らせたらいいね」  と私に微笑んだ。  パズルは家族写真で作られる。旅先や庭先、運動会やお遊戯会などで撮られた、何気ない写真。父がいて、私がいて、祖母がいる。撮影者の母は写っていない。葉書きより一回りほど小さなサイズに印刷されたそれを、母は鋏で器用に切り付けていく。曲線、波線、弧を

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