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【企業様向け】元TikTok社員がショート動画活用方法を教えます

どうも!6月末でTikTok Japanを退職した者です!
現在、microverse株式会社というスタートアップでbizdevに従事しております!
というわけで今回は 元TikTok Japanの社員がショート動画の活用方法についてレクチャーしていきたいと思います。
前提としてTikTok Japanの社員でもTikTokのアルゴリズムと言うのは正確にはわからないというのが現状です。そのため日々TikTokを見て学んで得た知識をこのnoteで発信していこうと思います。 少しでも商品やプロダクトの訴求を行いたい企業のマーケティング担当者に知ってもらえたらなと思っております。

ショート動画市場について

まず初めにショート動画の市場について調べたことをサマライズします。ショート動画の市場は、近年急速に成長しており、2025年には1兆465億円に達する見込みとのことです。※以下より引用

ショート動画の人気は、主に以下の要因によるものです。

  1. ユーザーの需要
    繁忙な生活スタイルや短い注意スパンを考慮した結果、多くのユーザーが短時間で楽しめるコンテンツを求めています。ショート動画は、迅速に情報やエンターテイメントを提供するため、需要が高まっています。

  2. ソーシャルメディアの普及
    ソーシャルメディアプラットフォーム(例: TikTok、Instagram、Snapchat)の人気が高まり、これらのプラットフォームでのショート動画の共有が容易になりました。多くの人々が自分自身や他の人との短い瞬間を捉えた動画を作成し、共有しています。

  3. クリエイティブな表現の機会
    ショート動画は、映像制作やストーリーテリングの能力を持つ人々にとって、創造的な表現の手段として非常に魅力的です。短い尺でも魅力的なコンテンツを作成することができ、クリエイターと視聴者の間で瞬時につながることができます。

このような要因により、ショート動画市場は大きな成長を遂げています。多くの企業やブランドも、ショート動画を活用してマーケティングや広告を行っており、消費者との関係構築やブランド認知の向上を図っています。
ただし、ショート動画市場は競争も激しく、注目を浴びるためにはユニークで魅力的なコンテンツを提供する必要があります。また、プラットフォームの選択やアルゴリズムの変化によって、視聴者の関心を引き続けることも重要です。
ショート動画市場は今後も成長し続けると予想されており、より多くのクリエイターや企業がこの分野に参入することが期待されています。

プラットフォームの選び方

まずショート動画を投稿できるプラットフォームは国内ではTikTok,YouTube,Instagramの3つです。中でもどのような特徴があるのか。ここがとても重要です。
なぜなら、プラットフォーム毎に伸びている動画やユーザーの視聴態度が変わっているので、その そのプラットフォームに合わせた動画を投稿しない限りは動画が伸びないといえます。
これを知らずにどのプラットフォームでも同じコンテンツを投稿し、動画再生数が伸びずに苦労している企業のマーケターも多いはずです。 だからこそ各プラットフォームの特徴をしっかりとらえて、どのプラットフォームにどのようなコンテンツを投稿するべきかを把握することで、より最適なコンテンツを制作し、商品やプロダクトのプロモーションに繋げていくべきだと思います。

Q.各プラットフォームは同じ画角ですか?
答えはもちろんNOです!プラットフォームにはそれぞれUIというものが存在します。画面上の表示されているボタンやディスクリプションは各サービスによって違うので、同じ動画でも見切れる箇所が必ず出てきてしまいます。

実際に見比べてみましょう。恐らく、deviceによっても変わると思いますが、プラットフォームによっても大きく変わります。

TikTokのUI
Instagram reel UI
YouTube shorts

いかがでしょうか?基本的にショート動画は右側一列に「いいね」「コメント」「シェア」などのボタンが表示されております。アプリによってその項目は違い、数も違うのでいわゆる動画内のセーフティゾーンが違います。このセーフティーゾーンを意識して動画を作ることで、文字の被りなどを避けることができるのです。

Q.各プラットフォームの視聴者の視聴態度は同じですか?
答えはNOです!大きく違う点で言うと、InstagramとTikTokではユーザーの視聴する環境が変わります。
結論から言うと、Instagramは音声をOFFにした状態で動画を視聴しているユーザーが多いです。それもそのはずです。皆さんは、Instagramを開くときイヤホンをわざわざつけますか?音声ありきでコンテンツを視聴しますか?あまりいないですよね?なぜなら、Instagramの多くのユーザーは友人や著名人をストーリーズやフィードの投稿を見て楽しむものです。そのため、音声に期待しているユーザーは少ないのです。
一方で、YouTubeやTikTokはいかがでしょうか?
音声ありきでコンテンツは作られており、イヤホンをつけずに視聴するユーザーはほとんどいません。
そのため、音声ありきでコンテンツを作るのがTikTokやYouTubeで、音声なしでも視聴できるようなコンテンツにするのがInstagramとなります。

Q.各プラットフォームの視聴者の属性は同じですか?
答えはNOです!特にTikTokの視聴するユーザーの特徴としては、明らかに初見が多いです。ショート動画に限らず各プラットフォームを使用する目的はそれぞれあります。※企業やサービスのアカウントに限ります

TikTok⇨おすすめのフィードから動画を視聴するユーザーが圧倒的に多く、新規顧客に対してのプロモーション効果は絶大。

YouTube⇨その商品が欲しい人が検索をして、よりその商品やサービスについての知識を得ようとしている段階。

Instagram⇨すでにファン化しているユーザーが多く、ナーチャリングを目的にしている。

つまり、サービスごとに、使用しているユーザーのフェーズがまるで違います。そのため、TikTokではまず初見ユーザーが大半を占めることを前提にコンテンツを作らなければならないのです。

コンセプトの設計

続いて、アカウントを立ち上げる上で最も重要なのがアカウントコンセプトです。何のためにそのアカウントを運用するのか?ターゲットは誰なのか?どのような行動に移して欲しいのか?そのようなことを考えながらコンテンツに落とし込む必要があるのです。

目的

ここで多くのマーケターがごっちゃで考えてしまい、動画の内容がぶれてしまう要因です。
企業名が少しでも認知度を上げて、採用獲得に繋げたいのか?商品を訴求して、購買に繋げたいのか?商品の認知度を高めたいのか?
マーケターはそれぞれ目的に対してアクションプランを策定するので、この部分をしっかり言語化することによって、なんでダメだったのか?可視化することも可能です。
TikTokの場合はシンプルに2つの要素に分解できます。それが、

インプレッションが欲しいのか?コンバージョンをしたいのか?

この2択でまず考えていただければと思います。
インプレッションが欲しい場合は、とにかくTikTokファーストで動画をバズらせて、動画の認知度を上げていくと言う手法です。TikTokで今どのようなコンテンツがバズりやすいのか?どんなことがトレンドなのか?をしっかりハックして動画投稿に結びつけます。

一方で、コンバージョンはというと、多くの視聴をされなくても視聴したユーザーがすぐに購買の行動に移すことを目的とします。
TikTokに寄せたコンテンツにするものの、商品やサービスの訴求をメインにすることです。ただ、この手法はとても至難の業ということ忘れてはいけません。


TikTokは広告を流すためのプラットフォームではございません。TikTokユーザーに面白い体験や役に立つ情報を提供することで、動画がバズります。

出演者

ここで重要なのは、TikTok内に出演する人は誰なのか?そもそも、人が出演するべきなのか?
この辺りもコンセプト設計に大きく関わる部分です。
多くの企業のマーケターは、ここでも躓きます。

大きく分けて、「人」なのか?「サービス」なのか?
ここで言う人はスタッフという考え方をしてもらって構いません。
スタッフがコメディ要素の強いコンテンツにするのか?
はたまた、人を出さずにサービスを全面的に押し出すコンテンツなのか?

この答えは、前に書いた目的に応じて変えた方が良いです。
インプレッションを取りたい場合は、人を全面に出して、TikTokに寄せたコンテンツをお勧めします。人が出演しないコンテンツもバズらない訳ではないのですが、中々ハードルが高いのが現状です。
コンバージョンを取りたい場合は、人の有無には限らずにコンテンツを作ってもらって構いません。その代わり、商品やサービスを説明できる説得力のある人が出演するか、もしくはプロダクトを映したコンテンツにすることをお勧めします。

大事な数字

投稿していく上で、再生数やフォロワー数を見ていくと思います。では、どのようにして再生数を上げていくのか?それは以下2点の指標をしっかり積み上げることで、再生数は自ずと上がります。

動画内エンゲージメント

TikTokでは、動画を視聴したときに、「いいね」「コメント」「セーブ」「シェア」などボタンを設置されております。この各項目のアクション率が高ければ高いほど、動画の再生は回りやすくなります。そのため、このボタンをいかに押させて行動に移させるかというのがとても重要です。
過去にTikTokでも流行った「共有でLINE開いて3番目の人があなたの〇〇です」というコンテンツが増えたかと思います。これは、かなりミーム化されたのですが、このようなある種シェアボタンを押すように促すことによって、TikTokのアルゴリズムを上手に使いこなすということができていました。(今これのアルゴリズムが反映されるのかは不明だし、あまりお勧めもしてません)
つまり、このように動画内でコメントやシェアを押させることによって、動画の再生は伸びていくのので、コンテンツを作る時もそのような仕掛けというのが重要になっていきます。

視聴完了率

続いては、視聴完了率です。いわゆる、その動画はどれくらいのヒットが視聴を維持したのか?これはとても重要な指標になっていきます。
つまり、この動画は最後まで面白い優良なコンテンツなのか?をエンゲージメント以外でTikTok側としても判断したい。ということです。

投稿後に、各動画のインサイトが閲覧できるのですが、その中に視聴完了率という項目があるので、その項目を投稿後はウォッチしておく必要があります。

テクニック

では、実際に汎用的な使えるテクニックを書いていきたいと思います。前提ですが、すべてのコンテンツが当てはめられるものでもありませんし、これをトライしたからといって、必ずバズるという訳ではありません。これはあくまで、バズっている動画を見て、特徴を抽象化したものとなります。
ある程度汎用性があることなので、参考にしてください。

スタートの仕掛け

TikTokでは、基本おすすめから動画を視聴する人が圧倒的に多いです。では、おすすめから視聴する人はどんな人なのか?を考える必要があります。それは、「何も考えずに見てる人」です。
つまり、「あなたのコンテンツに興味が全くない人です」
その前提で、あなたのコンテンツが流れたら人はどうなるのでしょうか?
すぐにスワイプしちゃいますよね?

だからこそ、最初の0秒〜3秒で「興味を引く仕掛け」を作る必要があるのです。
ではどのようなことをして、興味を引く仕掛けを作るのか?
正直これに正解はありませんが、まずは画面のインパクトを出すということは必ず行うべきです。番組が始まるようなテンションで、ロゴを表示させてスタートなんてものはもってのほかです。
見所をいきなり見せたり、視聴者がはっと驚くような画面作りにするなど、工夫は多岐にわたります。この部分は、 それぞれのコンテンツによって使い分けていくべきかと思います。

コメントの誘発

続いてはコメントの誘発です。 ただこちらだけが伝えたい情報を動画に落とし込んでもコメントはもらえません。では、どのようにしてコメントをもらうような動画コンテンツ作りをすることができるのか。それは、 動画内で視聴者に対して質問を投げかけることであったりとか、視聴者側からツッコミを入れやすいようなコンテンツにしているかということがとても重要なポイントになっていきます。
例えば、敢えて誤字脱字が多いテロップなどを表示させて、ユーザーからの指摘を意図的に誘発したり、 反対意見の出やすいようなテーマで何か論じてみたりなど、やり方はたくさんあります。 ただし、企業のアカウントであればレピュテーションリスクを考えながら運用することが前提になってくるので、その辺のリスクマネジメントは決して忘れてはいけません。

短尺であること

基本的に、ショート動画で長時間同じコンテンツを見ている人はいません。 現在TikTokでは、最大10分の動画が投稿できるような仕様になっております。ただし、10分の動画をフル視聴するユーザがどれだけいるかと言う点を冷静に見極める必要があります。もちろん、プラットホーム側からしてみれば、長尺のコンテンツを視聴してほしいと言う思惑はあるにせよ、ユーザー視点から言うと、ショート動画 プラットホームに長尺コンテンツに対する期待度は高くありません。
そのような前提があるからこそ、無駄に長い動画コンテンツよりかは、 しっかりまとめられた短尺のコンテンツを推奨するべきです。 また、短尺であればあるほど視聴完了率が高くなる見込みもあります。前述の通り、視聴完了率の高さと言うのは動画再生数に対して大きな影響与える1つの指標です。

早口であること

現在ショート動画では、ほとんどのコンテンツが早口と言っても過言ではありません。その背景には、TikTokユーザーが、短くかつ簡潔な動画を求める傾向があるからといえます。 TikTokの視聴ユーザは多くの時間を費やして多くのコンテンツを消費します。いわゆる1つのコンテンツの中の 情報量が濃密であれば濃密であるほどグッドコンテンツとされます。
そのため、同じ10秒以内でも大量のセリフ量と情報量とカット割りを入れることによって、飽きさせない工夫が大切になってきます。

テロップの表示は短くて良い

早口であることと重複しますが、情報量は多ければ多いほど良いとされます。また、TikTokのユーザーは必ずと言っていいほど音声を聴きながら動画を視聴いたします。そのため、テロップ+セリフを入れることによって情報のインプットの質を高めることができます。
この辺は、音声を重視していないInstagramとは大きな違いとなります。 一方でInstagramは、音声を聴きながら視聴しているユーザは少ないため、テロップの表示時間はTikTokより長く表示する必要があります。なぜなら、 テロップ+セリフを入れることができないため、ユーザはテロップを目で確認して、認識しなければなりません。そうなると、セリフで捕捉されている情報よりインプットの質が低くなってしまいます。
その点TikTokは音声と言う最高の補足情報があるためテロップの表示時間は短く、そして大量にコンテンツに入れ込むことをお勧めします。

トレンドを入れ込む

TikTokには日々移り変わるトレンドと言うものが存在します。トレンドと言うのはいわゆるTikTokのクリエイターが一斉に同じようなコンテンツを投稿することを指します。これを一般的にはミーム化と呼びます。
例えば数年前に流行ったもので言うと、地球グミなどです。

どこから火がついたのか、なぜ流行ったのかに関しては不明な点が多いのがTikTokのトレンドです。ただこの地球グミのようにいろんな遊び方や楽しみ方がTikTokでは見ることができるし、様々な人が真似することができるというのがTikTokの1つの大きな特徴かと思われます。

この誰でも真似できると言うハードルの低さがトレンドを生み出すと言っても過言ではありません。また、このトレンドにしっかり乗っかると言うことも動画をバズらせにいく、とても重要なアクションなのです。

コンテンツの内容によって、トレンドを取り入れることができないアカウントもあるかと思いますが、このようなことをあらかじめ想定して、いろんな要素を取り込めるようなアカウント設計にしておくというのもとても重要な戦略です。そのため、常にTikTokのおすすめをチェックし、現在どのような動画がばずっているのか、どのようなコンテンツがトレンドなのかを日々ウォッチングするということが運用担当者にはとても求められるようになってきます。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
ショート動画はクリエイターが独自のアイデアやストーリーを短い形式で表現する場として、ますます多様なコンテンツが登場するとも思います。

異なるアイデアやアプローチを試してみて、どのコンテンツが視聴者に受け入れられるかを学ぶことが重要です。アカウントホルダーの個性や視点を表現する場でもあります。自分らしいスタイルやアプローチを見つけて、他と差別化されたコンテンツを制作することが大切です。

①前提条件を理解しクリアする
②色々試す
③独自の視点を取り入れる

この3つを忘れずにチャレンジしていけば、どこかのタイミングで必ず結果は出せると思います。

何か、TikTokでお困りごとがありましたらカジュアルにお話ししましょう〜!



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柴田拓磨/shibata takuma
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