灰色の人生からの脱却~毎日10分コーチングとの出会い~

SNSを見ると「暇してます」とか「遊びにつれて行ってくれる人募集」みたいな発言をよく見かける。そういう自分も「なんか暇だな~」と思って開いているから、そんな呟きが目に付くのかもしれない。なんとなくSNSを眺めて終える一日を「死んだ一日」と呼んでいるが、では「生きた一日」の送り方を知らない。いっぽう、生き生きしている人を見ると彼らは自分の人生を自分で決めて、何をやるのか意思をもって活動しているように見える。そんな彼らと比べると、自分はなんと流されて生きているのだろうか。

キルケゴールの「不安は自由の眩暈」という言葉にあるように、いまの私は(実現可能かどうかは別として)何でも選択できる自由を持っている。仕事を辞めて、ラクダに乗って砂漠を横断することも可能だ。なのに、世間で普通と呼ばれる生き方から外れることに恐れ、新卒で入社した会社に不満を持ちつつ、といって今の人生を楽しみ切れていない。30歳を過ぎて白黒はっきりせず、何とも言えない灰色の日々を送るとは思ってもいなかった。「大学を2年休学したっていいや」と決めて南極に行きを決めた行動力はどこへ行ってしまったのだろうか?

「生きがい」を家庭に見出す人は素晴らしいが、「生きがい」を求めて結婚や子どもを求めるのは違うと思う。映画『花束みたいな恋をした』では後者のことを「幸せのハードルを下げる」と言っていた。「生きがい」は、まず自分自身で確立したい。その後で、家庭への比重が高くなる分にはいいが、自分のことが分からないからといって、理由を他者に見出したくはない。(もちろん酒やドラッグ、ギャンブルにも)

就活の時は、自分の「やりたい」を見つけ、仕事を選ぶことができた。でも「どんな人生を送りたいか?」なんて考えなかった。いや、考えたところでわからないから先送りにしただけだろう。社会に出て仕事の忙しさに飲まれてしまえば、いつの間にか経験を積んで、残りの人生で何を成すか?がわかると思っていた。でも入った部署は、実績の少ない海外事業部、しかも大学出たばかりの駆け出しの社会人に大した仕事もなく、国内部署でバリバリ働く同期、他社の若手との差に焦り、悩み、バブル期の悩む暇すらない忙しさを経験している先輩社員を羨んでいたこともある。「忙しければ、自分の人生とか悩まずにすむのに・・・」と。(今では悩む時間があったことに感謝している)

このあいまいで灰色の悩みから今年こそ脱却しようと、友人に薦められて「毎日10分コーチング」を受けてみた。
開始時に1時間話し、その後平日に毎朝10分間のコーチングを受ける。これはレッスンとは違うようで、何かを教えてくれるモノではなく、自分の中身を引き出す手伝いをしてくれる。「声に出してみましょう」「自分で言ってみてどうですか?」「どんな一日だったらハッピーですか?」とコーチから毎朝シャワーのように受ける問いかけは、自分の思考の癖を矯正してくれる感覚だ。コーチングには色々な種類があり、ひと月に2回とかあるが、思考の癖の矯正には毎日の方が有効だと感じた。

私は毎日10分コーチングを18日間続けることで、人生の目標を掲げることができた。また「弱い自分」を受け入れ、日常のアクションを変化さようとしている。なんてことはない「今はサボる!」と決めて、怠けるだけだ。それでも「ただ流される一日」から、「サボると決断した一日」に変わるのだ!それだけでも灰色の日々が徐々に色付いてくる。

「言葉にすると力が出る」と学んだので、ここに私の夢を書く。「日本版の持続的社会を世界に発信する!」これを自分の人生の目標に掲げ、日々のアクションをこの山に登ることと紐づけて考えている。もうすでに楽しくなってきて、自分の人生が彩を取り戻したようだ。

貴方の周囲に貴方の話を真剣に聞いてくれる人はいるだろうか?どんな親友や仲のいい家族であっても、貴方のこれまでの経歴やキャラクターが、一種のレッテルとして張られていないだろうか?ステータスやキャラクターを抜きに、色眼鏡なく「今のあなたに向き合ってくれる人」こそ、今の自分を見つめる鏡であり、コーチなんだと思う。進路、就職、人生などで貴方が悩んだ時、絶対とは言えないけれども、自分を見つめなおす手段として、変わりたい自分を応援してくれ、駆け出す支援が得られるのがコーチングだということを、まだ知らない人に伝えたくここに記す。

蛇足になるが、コーチングが終わるタイミングで港区図書館から「貴方が1年前に予約していた『The Third Door』が準備できました」との連絡を受け取り、どんな本かも覚えていなかったが、借りて読んだ。この本のテーマである「自分らしい人生の始め方」もまた、今の自分には枯れた大地に降る雨のように染み込んでいった。この本とも良い出会いができて感謝している。本にあるように、成功するか失敗するかは問題ではなくて、挑戦し続けることが自分の変化なのだと信じてこれからの人生を歩みたい。

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