見出し画像

【洋画】レ・ミゼラブル(2012)

監督:トム・フーパー
出演:ヒュー・ジャックマン、ラッセル・クロウ、アン・ハサウェイ、アマンダ・サイフリッド、エディ・レッドメイン、ヘレナ・ボナム=カーター、サシャ・バロン・コーエン、アーロン・トヴェイト
上映時間:2時間38分

フランス歴史小説の名作「レ・ミゼラブル」の映画版を鑑賞しました。誰もが知る名作で、場面場面は観たことがあったのですが、ちゃんと観るのは初めて。

時はフランス革命後のフランス。革命後に王政復古が謳われ、国民の権利が損なわれていく。トゥーロンの徒刑場では、ジャン・ヴァルジャン(ヒュー・ジャックマン)という男が、刑期を終え仮釈放を迎えた。彼は姉の子供たちの為にパンを一斤盗んだだけで、19年ものの刑期を課されていた。しかし警官のジャヴェールによって彼は危険人物とみなされ、どこに行っても冷遇されロクに食事も与えてもらえない。

彼はとある教会にたどり着き、司教から手厚くもてなされる。しかし次の日の朝ヴァルジャンは司教の大切にしている銀食器を盗んで逃走を図る。たくらみは失敗しヴァルジャンは捕まるも、司教は彼を放免する。このことが人間不信に陥っていた彼を改心させ、新たな人生を送り出す。

9年後のモントルイユ。工場で働くファンティーヌ(アン・ハサウェイ)という女性は、3歳になるコゼットという娘をモンフェルメイユのテナルディエ夫妻に預けていた。父無し子がいることが工場でバレて、彼女は工場長からクビを言い渡される。そこは実はヴァルジャンが営む工場であった。彼は宝石産業で成功し、市長にまで上り詰めていた。

解雇されたファンティーヌは困窮を極め髪と歯を売る。彼女の窮状を知ったヴァルジャンは彼女を救い、娘のコゼットを連れてくると約束する。コゼットを連れ戻すためモンフェルメイユに向かう途中、自分と間違われてある男が逮捕されたという話を耳にする。彼は仮釈放を破り逃走した罪を背負ったままなのであった。葛藤の末に彼はその男を救うことを決意し、裁判所で自首をする。そのことを知ったファンティーヌは絶望し死んでしまう。

凄すぎます。名作と呼ばれる意味が分かりましたし、時が経っても一生色あせることがないんだろうなと。凄いポイントなんか挙げだしたらキリがないのですが、一応感想をまとめようと思います。

まずは壮大なスケール。まさにスペクタクルという言葉が似合います。これほどにパワーのある作品には過去に出会ったことがありません。一番近いので「RRR」かなと。フランス革命期という世界の歴史の一大事件がベースで、国民の困窮や革命の熱量が前面に押し出されています。

そのスケールを損なわない演出も見事。特に映像は圧巻。オープニングから予想のレベルをはるかに超えてきます。セットも人数のかけ方も桁違い。これもいつかスクリーンで見てみたいと思わせる作品の一つです。

そして物語。小説から凄い作品であることが伺えます。フランス革命時の情勢や人々の困窮などをリアルに描いているだけでなく、しっかりヴァルジャンの物語として完結させています。色んな人のストーリーを見せながらも、軸をヴァルジャンに置くことで、物語の一貫性を保っています。

キャラクターも全員素晴らしい。主人公のヴァルジャンは物語を通じてしっかり成長していきます。特にコゼットを引き受けてからは、彼女への愛情が彼をより魅力的な人間に育てていきます。ジャヴェールとの関係性もこの物語をよりおもしろくしてくれます。

革命軍のメンバーは特に素晴らしい!リーダーもカッコイイし、ガウローシュもこの映画の肝となるような働きっぷり。彼が先陣を切るシーンはカッコよすぎて・・・。そしてエポニーヌ!こんないい娘はいません!マジで心から幸せになってほしいと思いました。彼らが愛らしいキャラクターだからこそ、王政に立ち向かう姿がカッコイイし、悲しくもあります。

そしてテナルディエ夫妻。この大きなスケールのなかで、唯一小悪党というしょぼいキャラクターです。でも彼らがコミカルな面でも物語のつなぎとしても、実は重大な役目を果たしています。まさにこの映画の潤滑剤ともいえる存在で、本当にいい味を出しています!

ミュージカルシーンも凄まじい。しかも吹き替え無し。エグすぎる。みんな凄いのですが、個人的にはアン・ハサウェイが衝撃的でした。出番で言うと序盤なんですが、そこで残したインパクトは強烈で、歌唱シーンもまさに心の琴線に触れるような歌声。特に「I dreamed a dream」は完全に心奪われました。

「レ・ミゼラブル」はフランス革命時のフランス国内、そしてそこで生きる一人の男の成長を描いた歴史的名作。マジで2時間半ずっと凄いです。早速見直したいぐらい(笑)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?