【洋画】クンドゥン(1997)
監督:マーティン・スコセッシ
出演:テンジン・トゥタブ・ツァロン、ギュルメ・テトン、トゥルク・ジャムヤン・クンガ・テンジンなど
上映時間:2時間15分
「セブン・イヤーズ・イン・チベット」に続き、チベット題材映画二本目。
こちらはマーティン・スコセッシが監督。撮影地はモロッコ。
タイトルの「クンドゥン」はダライ・ラマ14世の尊称。
ダライ・ラマ14世がインドのダラムサラに亡命するまでの人生を辿りながら、チベットの歴史や文化について描かれています。
特に前半はしっかりとチベット仏教についての描写がありました。
ダライ・ラマ襲名制度や五体投地や鳥葬など。
特に鳥葬は強烈。死体を細かく切って、鳥に食べさせていました。
日本じゃ考えられませんが、チベット仏教では魂は輪廻転生すると考えられており、遺体は魂の抜け殻にすぎない。ならば今まで他の動物の命をたくさん頂戴していた分、鳥に食べてもらい少しでも還元しようという考え。
そういわれると、なんか悪くない気もします。
後半はとにかくダライ・ラマ14世とチベット人たちの悲しみが痛いほどに伝わってきます。演出が上手!
こういったドキュメンタリー映画は歴史を知っていると筋がわかってしまうので演出が物を言いますよね。落語なんかもそう。
話の筋は分かっているのにあれだけ笑えるのは、落語家の見せ方(話術)が上手いからなんですね。
この辺はさすがスコセッシです!
特にダライ・ラマ14世の夢はエグかった~。チベットの地に立つダライ・ラマ、その周りには血を流し横たわる数えきれないチベット人の死体。
これは実際にダライ・ラマ14世が見た夢の内容に基づいているそう。
最終的にダライ・ラマ14世はダラムサラに亡命し、現在もそこに住み続けています。
そこに至るまでにいかに本人が葛藤したのか。民衆に寄り添うためにギリギリまでチベットに残り続け、最後はチベットの魂を守るために亡命を決意する。悲しい・・・本当にこれに尽きる。
「セブン・イヤーズ・イン・チベット」と併せて観ると、同じようなシーンもいくつかあって、チベットの実態が立体的に見えてきます。
来月ダラムサラに行くので、それに向けて非常にいい勉強になりました!
ダライ・ラマに会えたら最高です。
ちょうど来月ダライ・ラマ14世の法話があるそうで、どうやったら参加できるかダライ・ラマ・オフィスに電話で確認中なのですが、全然出てくれません(笑)
インド魂で根気強く電話し続けます!
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