【インド映画】Karan Arjun(1995)
監督:ラケーシュ・ロシャーン
出演:シャー・ルーク・カーン、サルマン・カーン、ラーキー、カジョール、マムタ・クルカルニ、ジョニー・リーヴァー、アムリーシュ・プリーなど
上映時間:2時間55分
インドのスーパースター、シャー・ルーク・カーンとサルマン・カーンのダブル主演作品として有名な「Karan Arjun」鑑賞しました。2度目の鑑賞。二人はその後も「Kuch Kuch Hota Hai」や「Pathaan」など多くの作品で共演はしているものの、二人で主役を演じるのはこの作品のみ。今後実現することも確実にないでしょう。他にも悪役の名優アムリーシュ・プリーや、同年にシャー・ルーク・カーンとスーパーヒット作品「Dilwale Dulhania Le Jayenge(通称DDLJ)」でも共演するカジョールや、コメディの帝王ジョニー・リーヴァーなどスター俳優が勢揃いしています。
ラジャスターンのある村で、ドゥルガー(ラーキー)はカラン(サルマン・カーン)とアルジュン(シャー・ルーク・カーン)の二人の息子を女手一つで育てていた。彼女の夫は村の名家・タクール家の息子で、彼は父親の反対を押し切って結婚したのだが、タクール家の遺産目当ての従兄のドゥルジャン(アムリーシュ・プリー)は彼を殺害した。その事実を息子たちには伏せていた。
ある日死の床にあるタクール家の祖父からドゥルガーに「最後に孫に会いたい」と手紙が届く。ドゥルガーは息子二人を連れて行くと、彼の遺産は二人に継がせたいと言う。しかしその計画はまたしてもドゥルジャンに阻まれる。彼は祖父を殺害し、逃げたカランとアルジュンも捕まえて殺害した。
息子を殺され途方に暮れたドゥルガーは、村の寺院にいるカーリー像に「息子を返してくれ」と願う。するとちょうどその時別の場所で生まれた二人の子供にカランとアルジュンの輪廻が転生する…
インドお得意の輪廻転生ものです。日本にも輪廻転生の概念はあるものの、ヒンドゥー教では特に根強く信仰されています。二人が輪廻転生をして母親の敵討ちをする展開は、「Om Shanti Om」と全く同じです。「Om Shanti Om」が後年なので、そちらがオマージュですが。
輪廻転生に母親への深い愛情、カーリーなどインド要素満点の作品です。ストーリーも当にインド神話そのものといった感じ。話の筋はわかっていますが楽しめる、ザ・90年代の娯楽映画です。
ベタながらも楽しめる要因となっているのは悪役の大活躍ぶり。悪の親玉を演じるアムリーシュ・プリーはいつも通りの好演。最後とか卑劣すぎて笑ってしまいます。彼の手下シャムシェールとナハールも死ぬほど憎らしいし、サクセナ父もなかなかのクズ野郎で、ドゥルジャンの息子も腹立たしい。勧善懲悪もののポイントは「悪役だとしても、殺すのは倫理的に如何なものか」という問題をどう処理するかですが、この作品は全員死罪でなんら問題なく感じてしまいます。言い方こそ最悪ですが(笑)
肝心のシャー・ルーク・カーン&サルマン・カーンは、二人ともキャラが良く立っています。サルマンのアクションシーンは流石だし、シャー・ルーク・カーンもカジョールとのロマンスシーンで美男子っぷりを発揮しています。シャー・ルーク・カーン、カジョール、ジョニー・リーヴァーが集うシーンは、やはり「Kuch Kuch Hota Hai」を想起させます。最高のトライアングルだなと。
ただ各俳優の個性が強すぎるがゆえに、ストーリーが多少散らかっているようにも感じました。これがマサラ映画っちゃそうなのですが、もう少し方向性がまとまっていると見やすいなーと。
「Karan Arjun」はシャー・ルーク・カーン&サルマン・カーンがダブル主演を張る奇跡の作品。筋は相当分かりやすいですが、悪役たちの大活躍もあり爽快感は得られる内容に。スターダムにのし上がる前の二人を見られるという意味でも貴重な作品。