『シン・ウルトラマン』を観て異種間の友情の描写に想いを馳せた話。
年末にアマプラで『シン・ウルトラマン』を観た。本当は劇場で見たかったけど、去年はやたら忙しかったから……。
私は実は『ウルトラマン』は履修してないし、『エヴァンゲリオン』も世代なのに見ていなかった。ただ、同じように『ゴジラ』を履修していなくても『シン・ゴジラ』はめちゃくちゃ面白いと感じたので、期待はしていた。
結論としては「『シン・ゴジラ』の方が面白かったなぁ~」というところだ。
『シン・ゴジラ』は人間が頑張っていたけど、『シン・ウルトラマン』はウルトラマンだけが頑張ってるし……日本政府があまりにも甘すぎるのでは? と思ったのもあるけれど……。
私にとって最大の引っかかりが「ウルトラマンが地球人に命を捧げる決意をするまでの描写が弱い」のと「仲間たちと神永(ウルトラマン)が絆を育む過程が薄い」ところだ。
『ヴェノム』と『寄生獣』
「人間」と「人間を支配しようとする怪物」の交流を描いた「映画」として思い浮かんだのが『ヴェノム』と『寄生獣』だ。
『寄生獣』は原作履修済みだし、映画も前後編に分かれるため、シンイチとミギーの友情の芽生えがたっぷり描写されていた。苦楽を共にした上での「人間っていいなぁ」という人間賛歌は納得が行くものだ。
だけど『ヴェノム』は、ただエディはヴェノムに振り回されていただけだし、さっさとヴェノムを切り離してもいいし、ヴェノムだってエディを「ひゃっはー」と振り回しながら人間を支配することもできたのに、唐突に「人間サイコー! 味方すんぜ!」になっているように見えた。
『シン・ウルトラマン』も、ウルトラマンは神永の目を通して地球人を見て、「地球人が愛おしい、守る」という感情を抱いたという「説明」はされている。
でも実際には神永(ウルトラマン)は仲間には秘密を黙っているし、単独行動ばかりしていて、いつそんな熱い友情が芽生えたのだろう?? と首を傾げてしまったのだ。
2時間で熱い友情は描けるのか
こうしてみると、『ヴェノム』や『シン・ウルトラマン』は2時間という枠組みが短すぎたのかもしれない。連続ドラマだったら、エディとヴェノム、神永(ウルトラマン)と浅見の「バディ」も納得いくものが描かれたのでは? と思わなくもない。
でも2時間で描かれた異種間の友情の映画はないのだろうか……。
と、思ったらあった。『ET』『ターミネーター2』あたりはどうだろう。『ET』は地球の存亡は賭けられてないのだけれど、『ターミネーター2』は人類の未来が掛かっている。
最近金曜ロードショーが昔の名作を放送しているので、ターミネーター2もまたお茶の間で見たいなぁ。