流浪の月(凪良ゆう)
甘くてひんやている。
半透明の氷砂糖みたいな声だった。
「そういうのとはちがうの。もっと切実に好きなの」
「セツジツって?」
「わたしがわたしでいるために、なくてはならないもの、みたいな」
わたしと文との関係を表す適切な、世間が納得する名前はなにもない。
事実と真実はちがう。
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冷たく蕩けるアイスのように、冷ややかに甘い。
痛くて、甘くて、吐きそうになる。
不快とは異なる不思議な気持ち。
名前のつけられない感情、名前をつけたくない感情。
こういう時、言葉は出てこない。
言葉にするのが難しいのはもちろんのこと、言葉にすると薄れてしまう気がするから。
うん、すごい本だった
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