旅屋おかえり(原田マハ)
今までインスタに読んだ本の感想を載せていたのだけれど、どんどん長くなってしまって。
これからはnoteに移行しよう!
の第一弾。
あぁ、なんでこんなにいつも温かい文章なんだろうな。
温かいとしか言い表せない。
「いってらっしゃい」
「おかえりなさい」
この何気ない言葉が、読み終わる頃にはもっと意識して、心を込めて使おうと思わされる。
人と別れる時に「さようなら」と言うのが苦手で、
「またね」を使うのだけれど。
「いってきます」という別れの言葉も、いいなぁと思った。
もちろんシチュエーションにはよるけれど。
四国に旅に行くところでは、小学生の時の和紙づくりを思い出した。
"そば"か"綿"か"和紙の原料(パルプだっけかな)"から選んで育てる。
それを食べる作る等活用するところまでを行う授業だった。
そばは食べられるからと理由で一番人気で、次いで綿。
一番人気がなかったのが和紙の原料。
綿をどう活用したかかは思い出せない…
私は一番人気のなかった和紙の原料を育てたのだけれど、それを紙すきして葉書や栞を作ったのが本当に楽しくて。
人気がなかったからこそ、ゆっくり自由にやらせてもらえたおかげで今でも覚えてる。
「紙の繊維はね、こうして、叩かれて叩かれて、強く、美しくなるんだよ。」
物語の中で、和紙を作るときに工房の人が教えてくれるこの台詞が素敵。
旅をすることはもちろんだけど、田舎に生まれたというのは財産だなぁと最近思う。
田舎を馬鹿にしているわけでも、都会を否定しているわけでもなく。
授業で米や作物を育てたり、和紙を作ったりなんて、都会だったら経験できないことかもしれないことを当たり前のように経験できたことは幸せだなと。
その時は気づかないかもしれないけれど、大人になってから自らしたいと思うのは、心の中にその"種"があるからなんじゃないかなと。
自然に触れ合いたくなりました。
旅先の景色と比例するように、主人公の事務所は都会の赤坂にあって、時々赤坂の景色が出てくる。
ラーメン屋さんの「一点張り」とかね。
行ったことないはないけれど、赤坂で働いていたときにはずっと通ってた道。
今もレッスンに行くときには通る道。
今度寄ってみようかしら
これも小さな旅かもしれないなんてね
end