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リワークプログラムに関する所感
もしかしたら誰かの参考になるやもしれぬと思い、問題のない範囲でリワークプログラムについて綴ることにする。
何度も触れてきていることだが、私は双極性障害で現在休職中である。
会社に行けなくなってから、かれこれ2年になる。
主治医からの強い勧めもあり、私はひと月ほど前から病院のリワークプログラムに通っている。
リワークプログラムとは、簡単に言うとうつ病などの気分障害による休職者を対象としたリハビリテーションのことである。
具体的な内容は実施主体によって異なるが、私の通っているところでは主に認知行動療法・アサーション・SSTなどの心理療法と病気についての講義、グループワークなどを行っている。
雰囲気としては、職場というより学校に近い。
日直や掃除当番もあるし、朝の会なんてまさに学生時代を彷彿とさせる。
精神病患者の集団というと暗い雰囲気を想像しがちだが、こちらも思った以上に明るく和やかだ。
これまで経験してきた学校や職場よりもよっぽど良い環境だと思う。
心理療法は勉強になることも多く、日々実践していくと心が少しづつ穏やかになっていくのを実感できる。
私はこのリワークに参加して良かったと思っている。これは紛れもない本心である。
だがしかし正直に言おう。
馴染めない。全然馴染めない。
精神疾患の人達が集まっていると聞いていたので、そこまでコミュニケーション能力は高くないだろう、つまり自分と似たようなコミュ障の集まりだろうとなんとなく思っていたのだ。
実際のメンバーは皆、雑談も混じえながら和気藹々とリワークに参加していた。コミュ障だなんてとんでもない。
仲間がいれば心強いと考えていたが、むしろ疎外感を覚える結果となった。
自分のコミュニケーション下手は精神疾患の影響もあるから仕方ない、という開き直りが通用しないだなんて。
頭上を飛び交う、笑顔と心地好い雑談の応酬。
最初は「別に友達作りに来た訳じゃないんだし、静かにやりすごせればそれでいいかな……」と思っていた。
そもそも、リワークとは心理療法が主なのだと考えていたから、馴れ合いをする必要性を感じなかったのだ。
むしろ、雑談をするメンバー達を疎ましくさえ思っていた。
これこそが大きな誤算だった。
リワークを始めて1ヶ月が経過したある日、スタッフさんから標準化リワークプログラム評価シートというものを手渡された。
いわゆる復職準備が整っている状態か否かを判定するものなのだが、その中に「自分から他のメンバーに話しかけにいっているか」という項目を見つけた。
思わず、動揺が走る。
まさかそんなところが復職許可の評価項目になっているとは。
コミュニケーションに関する評価項目は続き、4ブロックある項目の中で最も配点が高かった。
リワークは心理教育がメインではなかった。
いや、メインではないはさすがに言い過ぎかもしれないが、集団行動を円滑にこなすことこそリワークの最たる目標だったのだ。
あのうっとうしい雑談は無駄ではなかった。
それどころか、私自身も積極的にしなくてはならない代物だった。
これは頭を抱えざるをえない。
置物のように大人しく存在感を消していよう、という私の目論見はここで潰えることとなる。
とはいえ、私も全く誰とも話していないわけではない。
数少ない女性メンバーとは少しづつだが雑談ができている。
スタッフさんにも、「まだたった1ヶ月しか経っていないのだから、そこまで前のめりにならなくても大丈夫だよ」と言ってもらえた。
(面談で対人に関する不安を散々吐露したのだ)
気は進まないが、社会性の鎧を少しづつ装備していくこととしよう。
件の評価シートは全国共通のものらしいので、これからリワークを始める方ないし検討している方の参考になれば幸い。
コミュ障には厳しい環境にはなるが、無理のない範囲で頑張っていきたい。