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【大切な1冊📖石田ゆり子さん『天然日和』】

「ご趣味は?」と聞かれたら迷わず「読書です。」と答えます。そのくらい読書は日常、本は友達。

先日書いた【本と私の話📚】の中では私が"本の虫"となったきっかけの本や、お気に入りの一冊を紹介させてもらったのですが多くのご反響があり、驚きながらもとても嬉しい限り。有難うございます。

誰かと比べたこともないのでわからないのですが、割と沢山の本を読んでいるような気はしていて、
これからも沢山読んでいくのだろうけれど。
私の中にどんどん溜まっていく本の話しをできる素敵な場所がせっかくここにあるのですから、月に1回くらいは『読書記録』みたいな具合で書いていけたら良いなぁとやっぱり思いまして。

気がつけばいつも持って歩いている、そんな本ってありませんか?
今日は私の『バイブル本』と言っても過言ではない大切な一冊の本のお話しを。
そもそものバイブルの意味は、「聖書」「キリスト教の聖典」「ある分野で権威や定評のある書物」
そして「個人が常に人生の指針として読み返す座右の書や愛読書」 だそうです。まさしく、それだ。
私は出かける時は必ず何か読むものを持っていますが、それとは別にいつも必ずこの本をお気に入りのブックカバーに入れてお気に入りの栞を挟んで持って歩いています。大切なことを忘れないように、いつでも読めるように。

その一冊とは…ででん!!こちらです↓↓↓

石田ゆり子さんのエッセイ『天然日和』

私の憧れの人、石田ゆり子さんの日々のことを綴ったとっても素敵なエッセイです。
実は私、20代の頃は全身に棘が刺さっているのではないかと思う程にトゲトゲしておりまして、誰にも馬鹿にされないように強くいなくてはならん!!と常に謎の何かと闘っておりました…

それが30代に入り酸いも甘いも経験するうちに、どんどん棘が落ち、そのうちツルツルスベスベになり、私は何とも闘いたくないのだ…と半ば悟りを開き始めまして(寺女ですからね)、ふとこの『天然日和』に出逢う機会が訪れたわけです。

石田ゆり子さん、もう既に有名で本当に素敵な方でしたから、もちろん知ってはいましたが本は読んだことがなくでもなんだか気になり購入。
「なんて面白い文章を書く人なんだろう…」
それが最初の感想でした。
普段エッセイはほとんど読まないのですが、とっても気になってお迎えすることにしたわけです。
このエッセイは2002年に発売されたもので、ゆり子さんが30代の頃に書かれたものでした。
その時それを読んでいる私も30代。
時には共感し、時には胸がぎゅーっとなり、時には涙し、でもクスッと笑えたりする。
ゆり子さんの紡ぐ言葉はとても真っ直ぐに心に入ってきて、それは本の中にも書いてありましたが言葉に嘘がないからなのだと思いました。
「言葉のちから」という章にはこう書いてあります。

誉めるのも、謝るのも、怒るのも、本心から。
心からの言葉を話そう。
言葉をもっともっと大切にしよう。
私は自分にも言い聞かせている。

"心からの言葉を話そう"
このフレーズが凄く好き。
私は『言霊』ってあると信じています。
良い言葉も悪い言葉も自分が思い自分を通して出るのだとしたら。いつも1番近くでそれを聴いているのも自分なのだとしたら。できるだけ綺麗な言葉を話し、紡げる人でありたい。でも綺麗な気持ちだけでは生きられない日もある。そりゃあ人間だもの。もしそんな時でも自分に嘘がないよう心からの言葉を選んで話したい。自分に正直に生きるってきっとそういうことなのだろう。まだまだだけど。

もうひとつだけ心奪われたお話しを。

私は裏も表もない、すがすがしいものが好きだ。
まっすぐで健やかで、嘘のないもの。
人はよく、もっとどろどろしたものに芸術を見いだしたりうんちくを語りたがったりするが、でも、人でも物でも、何でも、私が一番好きなのは、嘘のない、透明で強いものだ。最近こんなことばかり考えている。
というより私はいつも、こんなことばかり考えている。
そぎ落としたい。いろんなものを。余計なものを。
澱のようにたまったものを。
よどまないように。止まらないように。

大変烏滸がましいのは承知で申し上げますが…
この文章を読んだ時、自分の頭の中でいつも想っていることが文字になっている…そんな風に感じたのです。そぎ落として、よどまないように、進みつづけたい。

まだまだ紹介したいお話しは沢山あるのですが、永遠に終わらなくなりそうなのと、これから読まれる方もいらっしゃると思うのでこの辺りで。

ゆり子さんは書くことは『懺悔』と『浄化』だと仰っていました。
私もこうしてnoteという場所で書かせてもらうようになり、その気持ちが少しずつわかるようになってきました。そしてこれからも自分の気持ちに正直に嘘のない言葉を紡いでいきたいと思います。

50歳を越えた時にゆり子さんのように聡明で凛としたユーモア溢れる素敵な人になっていられるよう、あと10年を大切に懸命に過ごしていきたい。
できる限り素敵に歳を重ねていきたい。
この本に出逢えて、こう在りたいと思う方に出逢えたことがまた幸せ。

天然日和2もあります。
宝物の本
ハニオ日記と青い箱


最後までお読みくださり有難うございました。
また来週月曜日にお逢いしましょう。

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