入社初日に退職する人々(2)
なお,テレビ朝日 グッドモーニング において,専門家が「『 #初日退職 』は『甘え』とみなされるリスクがある」と指摘していました。私は,その指摘に対し,違和感を覚えました。
1. そもそも「 #新卒 」にこだわることが甘え
先ほど私は,#初日退職 について,「どちらもどちら」だと申し上げました。その理由は, #新卒一括採用 という雇用慣行に双方が甘え続けているからです。
#初日退職者 はいわゆる「 #新卒3年ルール 」がもたらす利益に,#日本的組織 は #新卒一括採用 がもたらす利益にそれぞれ甘えています。 #初日退職者 は「ここで辞めても,次また『 #新卒 』で応募できるからいいや」と考えがちです。他方, #新卒一括採用 に勤しむ #日本的組織 もまた,「ここで辞められても,次また『 #新卒 』を採用すればいいや」と考えがちです。
しかし,このようなマインドセット(メンタリティ)で居続ける限り, #初日退職者 発生のリスクはなくならないでしょう。否,寧ろ将来のことを考えれば,増えるかもしれません。
いずれにしましても,どちらも,現状に胡坐をかいて慢心していると,私は思います。
2. 自分の都合を押し付け続ける,甘え続けている日本的組織
#就職氷河期世代 と呼ばれる人々がいますが,不況下においてこのような人々を生み出した #日本的組織 又はそこに居座る #サラリーマン こそ,「甘えている」と批判されるべきです。好況時(特に, #バブル期 と呼ばれる西暦1987年~西暦1991年ごろの間)採用数を増やして誰彼構わず採用しましたが,不況時採用数を抑えて #内定切り にまで及びました。しかも,平成の一桁の頃,#日本的組織 はいわゆる #バブル崩壊 の時に「失業者を出すと混乱する」との理由で既得権益層を守り,自分たちの無能ぶり・無為無策ぶりを下の世代に押し付け続けました。#日本的組織 は #リーマンショック が発生した頃(西暦2008年~しばらくの間;西暦2008年に発生した,世界金融危機に端を発する世界同時不況の頃),同じ過ちを犯しました。しかも,いずれにおいても, #日本的組織 の関係者は誰一人責任をとっていません。無責任な態度をとり続けているだけでなく, #就職氷河期世代 の存在をなかったことにしようとすらしています。これら一連の行動を「甘え」と言わずして,何を甘えというべきか。自分の行動によって生じた結果に対する責任を取らないことは,「甘え」そのものです。責任を取らず,取ろうとしない者に,「甘え」と他者を批判・非難する資格はない!
3. 「想定外」は常に起こる
そもそも,#新規学卒者 であれ,#既卒者 であれ,先のことを読むことは不可能です。そして,このことは,万人に共通する真実です。
言い換えますと,「『想定外』は常に起こる」ということです。言い換えますと,ある意味全ては「結果論」だということです。
例えば, #新規学卒者 相手であっても,ほかにその方にとってより善い就職先があれば, #内定辞退 に及ぶ可能性は当然にあります。しかし,それは「将来は常に未確定」である以上,避けられません。
また, #就活生 にとっても, #求人者 の全ての関係者と対話することは不可能でしょう。このことについて少し深堀りしますと, #就活生 が対話しているのは, #求人者 の関係者の一部に過ぎません。つまり, #求人者 の一部しか見ていないのです。ですから,一部を見て全部を知ることは到底不可能なのです。したがって,配属先に #パワハラ に及ぶ人又は #職場いじめ をする人がいることを,想像することは不可能なのです。
#就活生 #求職者 も #求人者 もお互いを100パーセント完全に知ることができない以上,「『想定外』は常に起こる」「将来は常に未確定」を前提として行動することこそ,現実的な対応ではないでしょうか。そうであるならば,お互いにいちいち目くじらを立て続けていても何も解決しません。お互いに譲り合う余地があるのであれば,まず膝と膝とを突き合わせて話し合うことが,最も重要かつ現実的な対応です。そのようなことをせずに最初からいきなり「辞める」という決断をする #就活生 #労働者 ,それを安直に受け入れてしまう #求人者 #使用者 。どちらも,「甘えている」と言わざるを得ません。
私は,「理不尽を無答責にせよ」と申し上げているのではありません。おそらく,個別具体的な事情として譲り合える範囲と譲り合えないこととがあると思います。お互いに譲り合えるのであれば,譲り合ってより善い関係を構築するほうが,退職してしまうよりはるかに生産的なはずです。譲り合えないこと又は話し合いの結果平行線をたどってしまったのであれば,それは致し方のないことです。ただ,その前にできることがあれば,できることをしてみるのも一計だと思います。
ご清読ありがとうございます。
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