固定残業代
みなさま,こんにちは。
おひさしぶりです。
いつも,私の記事をご清読くださり,誠にありがとうございます。
日々のみなさまがたのご厚情に,謹んで心与利厚く御礼申し上げます。
さて,#ハローワーク 等の求人で,いわゆる「 #固定残業代 」の求人を見かけたことがある方もいらっしゃると思います。
#固定残業代 とは,基本給のなかにあらかじめ #残業代 ( #割増賃金 )を含めて支払う賃金制度のことです。たとえば,次のような感じです。
このような賃金の定め方は直ちに違法無効ではない(と最高裁判所も言っている)とはいえ, #労使トラブル #労使紛争 につながりやすいのも事実です。
事実,いわゆる #固定残業代 をめぐる訴訟は各地で提起されています。訴訟提起が相次いでいることに照らせば,問題のある制度と言えましょう。
たとえば,あらかじめ定められた法定外労働時間を超えて労働したにもかかわらず,その超過分が不払いに至った。求人の時点ではそのことについて何も言っていなかったにもかかわらず,労働契約締結時に突如 #固定残業代 のことを言い出した。等。
個々の事情を知ることができませんが,いわゆる #固定残業代 制度を取り入れることには慎重であるべきです。綿密な準備が必要です。
#求人 の段階において,基本給部分と割増賃金部分とを明確に区別できるよう賃金額等(賃金額とこれに対応する労働時間数)を明示しておく必要があります。そのうえで,#固定残業代 制度を導入する必要性を説明しつくす姿勢が必要です。
また,一日8時間・一週間40時間を超える労働をさせる場合,#労働基準法 第36条の規定に基づく #労使協定 (いわゆる #36協定 )の締結と周知が必要とされます。求人の時点において,適法な #36協定 が締結されていることを伝えるとともに,その内容を開示することも必要だと思います。
さらに, #固定残業代 は支払われる基本給(純粋基本給部分)を基礎として,その1時間当たりの金額に100分の125以上の割合を乗じた額を,#割増賃金 として支払われる必要があります。
ここから私見を申し上げますが,ほとんどの場合において いわゆる #固定残業代 を導入する必要はないと思われます。
#固定残業代 の求人を見ますと,ほとんどの場合次のような文言が付されています。
ここで私が問題視するのは,「超過分は法定通り追加で支給。」「○○時間を超える時間外労働分は法定通り追加で支給します。」という部分です。
追加支給は #労働基準法 第37条第1項の規定に照らして当然だとしても,超過部分の追加支給は #固定残業代 の導入・適用の必要性を否定しています。なぜならば,結局実労働時間に基づいて支給しているのと同じ結果に至るからです。
また,「時間外労働の有無にかかわらず」と記載されることが多いですが,そもそも時間外労働の不発生は #固定残業代 の導入・適用の必要性を否定しています。なぜならば, #法定時間外労働 が生じることが多く,又はその可能性が高いから #固定残業代 の導入・適用が生きるからです。言い換えますと, #固定残業代 は #法定時間外労働 の発生を前提としているのです。
たとえば,#法定時間外労働 24時間分の #残業代 が支払われる基本給に含まれている場合において,実際の #法定外時間外労働 が20時間だったときは, #固定残業代 制度は有効だと思います。しかし,この場合において,4時間分を事後において減額するときは,やはり実労働時間に基づいて支給しているのと同じ結果に至ります。
他方,#法定時間外労働 24時間分の #残業代 が支払われる基本給に含まれている場合において,実際の #法定外時間外労働 が30時間だったときは, #固定残業代 制度の適用はその職場において向いていないと思われます。
#固定残業代 制度は,#残業代 #法定時間外労働 に対する #割増賃金 を基本給に含める形で概算払いする制度です。実労働時間と規定の内容とが適合していない場合,その適用を見直すべきです。
また,#求職者 #シューカツ生 #就活生 のみなさんも,#固定残業代 が適用される求人を応募しようとする場合,みかけの額面だけに騙されずに, #求人票 を正確に読み,不明な点,疑義又は導入する理由を問い質すことが必要と思われます。
応募するか否か。最終的に,みなさまお一人おひとりが決めることです。
ご清読ありがとうございます。
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