「変えられない部分」を諦める勇気
人には変えられる部分と変えられない部分がある。例えば、過去の出来事、生まれ持った才能、などが挙げられる。多くの人は、「変えられない部分」にこそ悩みを抱えている。
変えられない部分に悩んでいる人は、他人を嫉妬し、手に入らないと気づいていつつも、変えられない部分に囚われてしまっている。
しかし、変えられない部分に囚われることは合理的ではない。
変えられないのだから、そこに費やされる時間は無駄になりかねない。
だからこそ、「変えられない部分」を諦める勇気が必要になる。「変えられない部分」にあなたが込めている願望を捨て去り、「変えられる部分」に目を向けられるようにする。心理学では、こうした作業を「喪の作業」という。
「変えられない部分」には、過去の出来事の場合、
・もっと愛されたかった。
・もっと褒められたかった。
・もっと認めてほしかった。
・もっと幸せになりたかった。
これらを満たすために○○さえあればといった願望が込められている。
しかし、過去に起こった出来事は変えることが出来ないため、これらの願望を諦め、「変えられない部分」に囚われるのではなく、「変えられる部分」に目を向けることが幸せの近道になっているのです。
とはいえ、諦めるというのは簡単な話ではないかもしれません。虐待されたトラウマを抱えた人がもっと、愛情深い家庭に生まれたかったと望むのは当然のことです。被害者の立場になってしまうのも仕方がない。だから、自分の中で十分にそうした「変えられない部分」に対する感情の整理を時間をかけて行うことが必要になります。
しかし、この時、難しいのが、いかにして、被害者の立場から降りることが出来るのかということです。被害者の立場に身を置くことは、生まれ持った環境、才能といった「変えられない部分」に囚われてしまっているからです。
ですが、あなたはいつまでも、「変えられない部分」に翻弄される子どもではありません。大人になったことで、「変えられる部分」に取り組む勇気を出すこともできるはずです。
つまり、「変えられない部分」に囚われていると、自分の人生に対して受け身であり、自分の人生をコントロールしている感覚がない反面、「変えられる部分」に目を向けることができると、小さな変化の積み重ねによって、自分の人生を自分の手でコントロールすることが出来るといった自分への自信がはぐくまれ、人生に対して主体的な感覚を得られるのです。
自分の人生は誰でもない自分自身のものです!
なので、時間をかけても構いませんし、少しずつでも構いません。「変わらない部分」に囚われる時間を減らして、「変えられる部分」に取り組む時間を増やしてみてはいかがでしょうか。
また、そのためにも、「変えられない部分」に対する自分の願望と対峙する時間をゆっくりと取ってみてもよいかもしれませんね。
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