始めに
仙道は古代中国で生まれた、「人間の生き方についてどうすれば最適化できるか」を追求した技術です。
中国の仙道は老子を始祖とする約3000年もの歴史を持った技術体系です。一方、日本の神仙道も日本武尊を始祖とした約2500年もの歴史を持ち、その後大陸から易経が輸入されて、1500年ほど前に仙道と融合して日本独自の体系を持ちました。
技術が古いので役立たないと思われがちですが、人間の体の構造は何千年経った今でも少しも変わっていません。医学的にも人間はこの7万年の間に大きな変化はないと言われています。むしろ古きものにこそ有益な情報があると言って良いでしょう。
また、科学技術の発展が人類に多くの恩恵をもたらしましたが、一方で物質への依存心を芽生えさせ、内に秘めている生命エネルギーや精神エネルギーを減耗させてしまいました。その為、現代社会では心身が不安定になりがちです。今こそ仙道や神仙道における先人の知恵が役立つ時であることは間違いありません。
仙道の行法は大きく分けて5つのポイントがあります。①毎朝する行法を決めること。継続は力なり。②日常生活の中で、歩法や洗面などを行法にする。③テレビを見ながら、通勤電車の中で、座りっぱなしの仕事中などのながら行法を心掛ける。④パターンを決めず、時々組み合わせを変えて様々な行法を行う。⑤自分のタイプにあった行法を行う。性格や体質に合ったものをやりましょう。
これらのポイントに沿ったやり方は適宜説明していきますので、あまり意気込んだり、気張ったりせずに、心と身体を緩めてのんびりとやりましょう。仙道から派生した導引法、吐納法、気功法や瞑想も同じです。力んでしまっては効果がないどころか却って身体を悪くします。楽な気持ちで始めて下さい。