味噌煮込みうどん
わたくし、生まれは東海地方、育ちは中四国。味覚は西日本に育てられましてござい。
うどんは腰のあるキビキビした喉越しを好み、うどんのスープはお出汁の効いた薄味がベスト。ついでながら、お蕎麦のつゆも出汁が効いてると嬉しい。
そんなわけで、東海地方にウン10年暮らしているものの、当初は味噌煮込みうどんが苦手だったんです。八丁味噌をそんなに煮込んでしまっては、スープが濃くなりすぎるのではないかと思ってたんですもの。
ついでながら、カツにもエビフライにも当たり前のようにかかっている、あの甘い味噌だれも苦手だったなあ。揚げ物は、何もつけないか、ソースで食べるもんだと信じて育ったもので。
ところが、食わず嫌いを乗り越えようと、試しに味噌煮込みをたぐってみたところ!
「あらやだ、美味いやん」
そう、八丁味噌スープの旨いこと!懸念していたスープのくどさや辛さは全くなく、こっくりとした味噌の味わいが実に胃に優しい。
味噌カツも味噌エビフライも、甘いだけではない、甘さの奥に味噌本来の味わいが現れる味噌だれの滋味深い味に感動いたしまして。目から鱗とはこのことよ。
今じゃすっかり東海地方の名物料理にハマっているところです。
食わず嫌いは人生を一段と虚しくするもんなんですな。